2019年12月2日月曜日

分かったと思っていたら分かっていなかった怪物 ~ ターリーモンスター

(image credit by Daily Mail)

■分かったと思っていたら分かっていなかった怪物 ~ ターリーモンスター

トゥリモンストゥルム・グレガリウム (Tullimonstrum Gregarium)、通称ターリーモンスター (Tully Monster)、これはこの生物の発見者であるフランシス・ターリー (Francis Tully) 氏に献名されたものです。

ターリーモンスターはとっくの昔に絶滅した化石種で、石炭紀後期 (約3億年前) のメゾンクリーク層でのみ発掘される生物です。

体長は通常10センチ前後、最大で35センチほどのとても小さいそして細長い海生生物です。

今では (というか昔から) 信じられないことですが、巨大水生UMAネッシーの正体として「巨大化したターリーモンスター」が挙げられていた時代もあります。

さてターリーモンスターを見てきましょう。

この生物のもっとも奇妙な特徴のひとつ、それは体から左右に突き出た柄の先端に「目」がある点でしょう。

現世の生物だとシュモクバエなんかがそれに似ていると思います。

そしてもうひとつ、体から前方に突き出た長い吻 (ふん) です。

以前は「象の鼻」のような役割を担い、吻の先端に口は付いていない可能性が高いということでしたが、現在では先端部は口といわれています。

つまり、目が体の中央付近にあり、口と目が位置的に非常に離れているという特徴があります。

そして長い吻の反対側、つまりからだの後ろにはからだに平行に三角形のヒレがついており、まるでツツイカの外套部分を思わせます。

その両端のヒレの中央、体に垂直に小さなヒレがついており、合計で3つのヒレがついています。

あまりに奇妙な生物のため、どういった生物に属するのかその系統さえわからず、学名のトゥリモンストゥルム (Tullimonstrum) もターリーモンスター (ターリーの怪物) と言う意味です。

しかしそんな謎生物、ターリーモンスターの謎もついに解ける日がやってきました。

2016年、長い間、軟体動物 (無脊椎動物) だと思われていたこの生物は、ヴィクトリア・マッコイ (Victoria E. McCoy) 氏により脊椎動物であるとの結論がなされたのです。

めでたしめでたし、、、、

しかし、みながみな賛同したわけではありません。

異議を唱える科学者たちもたくさんいます。

かれらはマッコイ氏がターリーモンスターを脊椎動物に分類した理由のひとつ、メラノソーム (melanosome) に着目しました。

ターリーモンスターの目に含まれるメラノソームと呼ばれる色素細胞は脊椎動物と同様の形状、大きさ、そして配置で保存されていることが決めてであったからです。

しかし、タコやイカなどの軟体動物の化石の目にも同様な形でメラノソームは保存されているということです。

さらに粒子加速器を使ってターリーモンスターの目を分析したところ、含まれる亜鉛と銅の比率は無脊椎動物より脊椎動物に近いという結果になりました。

また、ターリーモンスターの目に含まれていた銅は、脊椎動物のそれとは異なる種類の銅であり、この点からも脊椎動物と断定は出来ないというのが最新の分析結果だそうです。

もちろん、これらは脊椎動物ではなく無脊椎動物に分類を戻すすべき、という意味ではなく、脊椎動物と断定するには弱い、ということを意味します。

そういうわけで光明がさして3年経った2019年、やっぱ無脊椎動物の線も否定できず、ターリーモンスターの系統わけは振り出しに戻ってしまいました。

ターリーモンスターは何も分からないターリーの怪物のままということです。

(参照サイト)
LIVESCIENCE

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