2020年3月24日火曜日

1808年に漂着した謎の怪物 ~ ストロンゼー・モンスター

(1808年に描かれたストロンゼー・モンスターのスケッチ)

■1808年に漂着した謎の怪物 ~ ストロンゼー・モンスター

トランコの記事を書いていてふとストロンゼー・モンスター (Stronsay Monster) を思い出したので今回はこの怪物。

旧サイトではストロンゼイ・モンスターとしていましたが、ストロンゼーのほうが一般的なようなので、ストロンゼー・モンスターに改めます。

ストロンゼー・モンスターはスコットランドのオークニー諸島のひとつ、ストロンゼー島 (Stronsay) に漂着した謎の生物の死骸のことです。

ストロンゼー・ビースト (Stronsay Beast) とも呼ばれます。

漂着したのは今から200年以上昔の1808年、写真や骨といった物的証拠はありませんが、当時描かれたスケッチが残っています。

首の長さだけで15フィート (約4.6メートル)、全長は55フィート (約16.8メートル) もある巨大な生物で、獣脚類と首長竜のハイブリッド的な姿が特徴です。

発見時「尾」と思われる部分は明らかに途中で切断されていたといい、全長はさらに長かったともいわれています。

背中には「たてがみ」のような毛が生えており、

大きさもさることながら、なんといっても目を引くのが3対の「足」です。

3対の足を持つ脊椎動物は存在しません。

この特異な体型に3対の足、これは新種の生物に違いないとスコットランドの著名な解剖学者ジョン・バークレイ (John Barclay) 氏はこの生物にハルシドルス・ポントピダニ (Halsydrus pontoppidani) という学名を与えました。

この学名は「ポントピダンの海蛇」を意味し、クラーケンの存在を自身の著作で記したデンマーク司教エリック・ポントピダン (Erik Pontoppidan) 氏に献名したものです。

さてストロンゼー・モンスターの正体は一体何でしょう?

スケッチの通りの生物であればバークレイ博士の言う通り新種に違いありません。

が、これはおそらく死骸をそのままスケッチしたものではなく、死骸から生前の姿を想像した「脚色」が含まれている可能性があります。

(1934年フランス、シェルブールに漂着した死骸)

おそらくは「3対の足」に見えたものはヒレであろうと言われており、ウバザメの死骸が腐敗してストロンゼー・モンスターへと変貌したものといわれています。

例えば上記のフランス、シェルブールに漂着した謎の死骸、海外では通常「シェルブールの死骸 (Cherbourg Carcass)と呼ばれているものですが、首の長さの違いはあれど、細長い体型や小さな頭部等、ストロンゼイ・モンスターと共通点があります。

このシェルブールの死骸の正体も、生前の原型を全くとどめていませんがウバザメと言われています。

ただしストロンゼー・モンスターの正体をウバザメとするには若干問題もあります。

というのも、16.8メートル (以上) という大きさは通常のウバザメの2倍以上の体長であり、腐敗して軟組織が間延びしたとしてもあまりに大きすぎるということです。

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3 件のコメント:

  1. 三対目の足は生殖器かな?

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  2. 分からないですが尻ビレかもしれません。

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  3. それとも一列目が骨の誤認かな。鮫の骨格は普段の暮らしではお目にかからないもんなあ。面白いです。

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