■古代文明の権威が宇宙人のミイラを発見したと、、、? ~ タスコの宇宙人
パブロ・エンリケ・ガルシア・サンチェス (Pablo Enrique Garcia Sanchez) 氏。
1956年生まれ、メキシコのトラスカラ州 (tlaxcala) 出身、元メキシコ軍の軍医として20年勤続、軍を離れてからも臨床医学の研究者として従事し、その傍ら、古代文明の研究にも打ち込みます。
特にアステカ文明の研究に熱心で、自国メキシコにおいてその精力的な活動により、その分野では著名な文化人として知られる存在です。
YouTubeチャンネルで考古学を題材にした "Aztlan Paraíso Perdido" のプロデューサーとして、ゴールデンマイク賞を受賞。
専門である医療活動においても、最近のものでは2017年10月に発生したハリケーン・マックスにより甚大な被害を被った住民への支援活動でも陣頭指揮を執りました。
ワールドワイドではなく、まったく知らない存在でしたが、調べてみるとメキシコではかなりの著名人であるようです。
そんなサンチェス氏が「宇宙人のミイラを発見した」と言ったとしたら?(笑)
少なくともメキシコでは色めき立ちます。
胡散臭さを微塵も感じさせないサンチェス氏のプロフィール。
メキシコでは大きく2つの反応が考えられます。
ひとつは彼ほどの人物が言うのであれば、それなりの理由があるはずであり、信頼できる!宇宙人はやはり地球に来ていたのだ!というもの。
中南米では現在でもUFOや宇宙人系はそれなりに人気のあるコンテンツであり、賛同者も多いに違いありません。
それこそサンチェス氏のような文化人が仲間に加わったものと、UFO・宇宙人肯定者には歓喜で迎えられるに違いありません。
そしてもうひとつは、医療従事者・考古学者としてサンチェス氏をリスペクトしていた人々の反応。
えっ?うそでしょ、あの英雄のサンチェス氏がいったいどうしたんだ?、大丈夫か?というもの。
賛否は置いておくとして、取り敢えず、今回の「大発見」である「宇宙人のミイラ」を見てみましょう。
ミイラはゲレーロ州のタスコ (Taxco) で発見されたものです。
謎のミイラは単独で発見されたわけではなく、当時の装飾品や武器等と共に発掘されたものです。
まず目を引くのが頭部。
フェイクではないと仮定して、状態が悪いのでしょうか、頭骨の後部が頚部を経ずに頸椎に接続しているようなシルエットです。
それ以前に、頭骨の形も異常です。
四肢は胴体と比較して相対的に長く、脚は折りたたまれており、前肢はほぼまっすぐに伸びた状態です。
こういった動物のミイラが出土されると、ふつうはまずその時代の特定、そしてその正体の野生動物で特定しようとするものですが、今回は一気に「宇宙人のミイラ」に飛躍しました。(笑)
まぁ、頭部の形状から即座に思いつく野生動物はいないことからもそれは理解できますが、宇宙人に飛躍するにはさすがに早計という気がします。
個人的にも何のミイラなのか?それともつぎはぎのハイブリッドなのか?まったく判断・特定できません。
ただひとつ朗報?もあります。
サンチェス氏とミイラが写った画像と共に宇宙人ミイラ説が飛び交っているものの、実はサンチェス氏がこのミイラを宇宙人であると語ったという確証はありません。
一応、サンチェス氏がこのミイラを、スペイン語なのでまったく分かりませんが、 "Hermano de las estrellas (天 (星) の兄弟)"、と語ったとかなんとか、そうマスコミが騒ぎ立てているだけです。
単にメキシコのマスコミが勝手にサンチェス氏の写真と共に宇宙人説キャプションをつけただけであれば、サンチェス氏は被害者である可能性も否定できません。
現時点で真相はわかりませんが、いま中南米で注目を集めているミイラであることは確かです。
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