(original bat-beast image credit by FANDOM)
■首なしコウモリ型ヒューマノイド ~ バット・ビースト・オブ・ケント
1963年11月16日、イングランドのケントで目撃されたUMA、バット・ビースト・オブ・ケント (Bat beast of Kent 「ケントのコウモリ野獣」)。
この日の夜、4人のティーンエージャーはパーティーを楽しんだ帰路、サンドリング・ロード (Sandling Road) を歩いているときのことでした。
突如として直径数メートルほどの金色に発光する卵型のオブジェクト (いわゆるUFO) が上空から現れると、彼らが立っている場所からほど近いサンドリング・パーク (Sandling Park) の森の中に着地したのです。
動揺した少年たちでしたが、好奇心を抑えられずそのオブジェクトが着地したと思われるti地点に向かって走りました。
しかしかれらはオブジェクトの近くまで行くことはありませんでした。
茂みから突如、見たこともない生物が飛び出てきたからです。
少年の一人マービン・ハッチソン (Mervyn Hutchinson) はいいます。
「頭といえるものはなかったよ。背中から大きな翼が生えてた、コウモリみたいなやつさ」
その生物の体長は5フィート (約1.5メートル)、全身真っ黒な毛で覆われ、背中にはコウモリのような被膜の付いた大きな翼がありました。
頭部といえる部位は確認できず、足の指には水かきらしきものがついていたといいます。
(モスマン)
細かい部分で相違点はあるにせよ、その姿はUMA好きなら誰でも知っているモスマンに酷似しています。
モスマンも頭部と胴体の境目が不明瞭であり「目」が確認されていなければ「頭部がない」と形容されていたはずです。
注目すべきはモスマンの二番煎じではないということ、バット・ビーストが目撃されたのはモスマンがウエストバージニア州のポイントプレザントで爆発的に目撃される3年前だからです。
4人は恐怖に駆られ最寄りの警察に飛び込みましたが、当然ながらそっけない対応だったといいます。
しかしそれから5日後の11月21日、今度はキース・クラウチャー (Keith Croucher) なる人物が奇妙な飛行物体を確認。
その2日後にはジョン・マックゴールドリック (John McGoldrick) なる人物が少年たちの証言を確認しようと友人らと森の中を探索し、長さ24インチ (約61センチ)、幅9インチ (約23センチ) の水かきのついた巨大な足跡を3つ発見したと主張し、マスコミのインタビューも受けています。
さてさてみなさんはどう思ったでしょう?
これはこれで興味深い話です。
しかしこの話を額面通りに受け取る人は少ないでしょうし、荒唐無稽な作り話と思う人もいるかもしれません。
もちろんその可能性は否定できませんが、それはこの話を「UFO (発光体) とそれに搭乗した宇宙人の話」ととらえてしまうからでしょう。
実際、少年たちの話はその流れです。
しかし少年たちは発光体から生物が降りてきたのを確認したわけではありません、ですから発光体と謎の生物を切り離して考えてみてはどうでしょう?
ちなみに事件からだいぶ経った1970年代、UFO研究家のクリス・ウルフ (Chris Wolfe) 氏は4人の少年のひとりジョン・フラクストン (John Flaxton) に当時の事件についてインタビューし解明を試みました。
ウルフ氏の下した結論は意外なものでした。
4人の少年が見た発光体は冷たい秋の空気の中、遠くを走る列車の灯りが明滅して見えたものを誤認したものであり、謎の生物はその灯りに照らされたカラスであるというものでした。
(球電現象)
(image credit by WatchFacts/YouTube)
発光体の正体が電車の灯りが冷たい空気で瞬 (またた) いたもの、というのは興味深い考察です、しかし少年たちは発光体が上空から降りてきたと証言しているので、たとえば球電現象 (ball lightning) のような発光する自然現象だった可能性も考慮したいところです。
謎の生物は?
バット・ビースト (「コウモリ野獣」) と呼ばれるだけに、大きさや体色、翼の特徴などやはりオオコウモリ説を推したくなります。
しかしアジアやアフリカに生息するような翼開長が1.5~1.8メートルほどのオオコウモリはイギリスに生息していません。
動物園から逃げ出したアジアのオオコウモリと強引に持っていきたいところですが、ここはフクロウ等、大型の鳥類で代用したいと思います。
たとえばフクロウであれば頭部と胴体の境目は不明瞭であり「頭部がない」ように錯覚する可能性もあります。
話はこうです。
思いもよらぬ発光体を目撃し興奮状態にあった少年たち、この時点で少年たちはこの発光体 (もしかすると発光する自然現象) を「UFO = 宇宙人の乗り物」と認識したに違いありません。
そこに見慣れぬ大型の鳥類が現れたため、これを発光体 (=UFO) と結びつけ、鳥類を謎のヒューマノイド (=宇宙人) と変貌させて (誤認して) しまった、というわけです。
バット・ビーストがその後現れることはありませんでしたが、1970年代に目撃が集中したオウルマン (フクロウ男, Owlman) と同一ではないかともいわれています。
(参照サイト)
anomalien.com
The Spooky Isles
FANDOM
(関連記事)
■ 炭鉱の崩落を告げにやってきた ~ フライブルク・シュリーカー
■ 腕のない2本足のモンスター ~ フレズノ・ナイトクローラー
0 件のコメント:
コメントを投稿