2020年7月4日土曜日

そいつはUMAなのか宇宙人なのか? ~ ホプキンスビル・ゴブリン


■そいつはUMAなのか宇宙人なのか? ~ ホプキンスビル・ゴブリン

1955年8月21日、アメリカ、ケンタッキー州のホプキンスビルの郊外にあるグレニー・ランクフォード (Glennie Lankford) 宅には彼女の子どもたちを始め総勢11名の親戚が集まっていました。

キーになるのはエルマー・ラッキー・サットン (Elmer "Lucky" Sutton) とジョン・チャーリー・JC・サットン (John Charley "J.C." Sutton)、そしてビリー・レイ・テイラー (Billy Ray Taylor)。

ラッキーとJCはグレニーの前夫との子でビリー・レイはJCの妻、エイリーン (Alene) の兄で、みな20代前半の若者たちです。

グレニーの作った夕食を食べみなでカードゲームを興じていると、ビリー・レイが実は今日UFOを見たと切り出します。

井戸に水汲みに出たとき農場の上空を金属製の丸い物体が横切ったというのです。

流星かなんかを誤認したんじゃないの?取り合うものは誰もいませんでした。

ビリー・レイは落胆し、冗談ではないことを証明しようと自分がUFOを見た場所へラッキーを連れて行くことにしました。

そこで事件が起きます。

得体のしれない小さな生物が二人に近寄ってきたのです。

大きな目をしたそいつは2本の足があるもののまるで宙に浮いたまま進んでいるように感じたといいます。

細長い腕はだらりと前に垂れ下がっていました。

腰を抜かしそうになった2人は慌てて家に戻るとドアを閉めラッキーはショットガンを、ビリー・レイはライフルを取り、それぞれ玄関と裏口を固めました。

突然のことに集まった親戚一同は二人はふざけているのかとあっけにとられていたといいます。

しかし二人にふざけた様子はなく、何かに怯えているようでした。

一時の静けさ。

突然、窓越しの暗闇の中に身長3フィート (約0.9メートル) ほどの生物が現れました。

(食玩 TOMYの宇宙大作戦チョコベーダーのフィギュア)
(第3シーズン A-33「ホプキンスビルモンスター」とU-33「多窓型UFO」)
(宇宙人と関連するUFOが対になっていたシリーズです)

ビリー・レイは追跡のため網戸を破り外に出ました。

するとビリー・レイの頭上から鉤爪のついた腕が降りてきて彼を捕らえようとしていましたが、ビリー・レイは気付きません。

異変に気付いたエイリーンが間一髪で兄の腕を握って家に引き戻しました。

ラッキーはビリー・レイを狙った怪物を追って外に出、屋根に向かってショットガンを放ちました。

見事命中したようで怪物は屋根から転げ落ちましたが、まるで何もなかったかのように森へと逃げていったといいます。

居間にいたJCも窓越しに現れた怪物めがけてショットガンを撃ち込みました。

確かに命中した手応えがあり怪物もひっくり返りましたが、こちらもまたまったくショットガンのダメージがなかったかのように立ち上がるとその場から逃げました。

女性と子どもたちを部屋の奥へ匿 (かくま) い、男たちは怪物と戦うべくそれぞれライフルやショットガンを持って外に出ました。

男たちは次々に現れる小さな怪物にめがけ発泡を続けますが、手応えはあってもまるで金属に弾かれたような音がするだけで怪物たちは倒れません。

埒のあかないこの怪物との戦いは4時間近くにも及びましたが怪物たちがいなくなるとみるや11人全員は血相を変えホプキンスビル警察署へと駆け込みました。

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日本では「ホプキンスビル事件」と呼ばれる1955年アメリカのケンタッキー州で起きた宇宙人との遭遇事件。

ケンタッキー州のケリーおよびホプキンスビルで起きた遭遇事件であることからこう呼ばれますが、海外では「ケリー・ホプキンスビルの遭遇 (Kelly–Hopkinsville encounter)」と呼ばれます。

警察署を介したことで当時マスコミにも大きく取り上げられ、11人全員の氏名も公表されておりフェイクニュースではありません。

(食玩 芥川製菓のマジェスティックコレクションのフィギュア)
(一応シークレット扱いのホプキンスビルタイプエイリアン)

その後、この宇宙人ともUMAともいえる生物は一般的にホプキンスビル・ゴブリン (Hopkinsville goblins) と呼ばれることになります。

ポケモンのヤミラミホプキンスビル・ゴブリンが基になっているといいますが、本当かどうかは分かりません。

ラッキーとビリー・レイによれば襲撃してきたホプキンスビル・ゴブリンの数はおよそ12~15匹。

宇宙人たちの姿ですが、一般的に体長は3フィート (約0.9メートル) ほどと小柄で全身は灰色 (または銀色)、 非常に大きな尖った耳、黄色く光った目、細長い四肢をしているといわれています。

概要としてはこんな感じですが、当初の説明から時間とともに尾ひれはひれが付き、現在伝えられるものがどれだけ正確なのかは判断が難しいところです

体長は当初2フィート (約0.6メートル) と証言していたものが、3フィート (約0.9メートル)、4フィートと大きくなっていったともいわれ、体色も灰色から緑に変化、大きな尖った耳については当初説明されていなかったともいわれています。

また、警察に駆け込んだ際、おそらく警察は家族の説明を真に受けてはいなかったものの、かなりの動揺を示していたことからなんらかのトラブルに見舞われたことは確かと考え、市警や州兵ら総勢16名をグレニー宅に送り込んでいますが、なんら証拠をつかめなかったといいます。

ラッキーとビリー・レイが「宇宙人の襲来」に怯え銃撃戦を繰り広げている際にかれらはかなり酔っていたともいわれ、またこの家庭がふだんから飲酒により近所の評判も芳しくなかったことから泥酔状態に端を発した集団ヒステリーではなかったのかといわれています。

とはいえ、この事件はUFO/宇宙人遭遇事件としてもっとも有名なものの一つであり、特にホプキンスビル・ゴブリンはいまだにフィギュア化されるほど人気があります。

ラッキーとビリー・レイが目撃したホプキンスビル・ゴブリンはまったくの幻覚だったのか?

(アメリカワシミミズク)
(image credit by Mykola Swarnyk)

一般的な解釈では「無」から創造したものではなく、おそらくはアメリカワシミミズク (Bubo virginianus) を誤認した可能性が高いと考えられています。

アメリカワシミミズクは南北アメリカに生息するフクロウで体長は大柄なもので64センチ、翼開長は1.5メートルを超えます。

ホプキンスビル・ゴブリンの特徴である大きく尖った耳は、飛び出した羽角 (うかく) で説明可能であり、浮遊したような歩行も低空飛行の誤認、また黄色の目や当初の説明では体長2フィートであったことから大きさに関しても矛盾がありません。

ショットガンやライフルが命中しても無敵という説明も、かなりの酩酊状態であったラッキーとビリー・レイが外し続けた結果とも解釈できます。。

そもそも近所の住人から銃声が聞こえなかったという証言や薬きょう一つ発見されなかったという説もあり、銃撃戦自体が行われていなかった可能性もあります。

この事件ですっかり有名となってしまったグレニー宅、UFO/宇宙人マニアが連日付近に押しかけ宇宙人探しに躍起となっていたといいます。

グレニーはこの喧騒を嫌い家を売って町へと引っ越したそうです。

(参照サイト)
Country Living

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2 件のコメント:

  1. チョコベーダー懐かしい…集めてました

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  2. ダンボールから出したらチョコベーダーだけで150個ぐらいありましたw
    これから少しずつ公開していきます。

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