2020年7月23日木曜日

こんなやつが実在するって? ~ フラットウッズ・モンスター

(original image credit by Tim Bertelink)

■3メートルの宇宙人? ~ フラットウッズ・モンスター

1952年、アメリカ、ウエストバージニア州に現れた謎の生物、フラットウッズ・モンスター (Flatwoods monster)。

UMA好きにしてみればウエストバージニア州と聞けばポイントプレザントのモスマンのほうが圧倒的に馴染深いかもしれませんが、フラットウッズ・モンスターの登場はモスマン (1966年) より10年以上も遡ります。

(TOMY「宇宙大作戦チョコベーダー」のバンダイ製ソフビ版)
(「3メートルの宇宙人」)

フラットウッズ・モンスターの目撃直前に謎の光が目撃されたことにより、UFOと関連付けされ、UMAというより宇宙人的側面ほうが強いかもしれません。

しかしこのサイトではあくまで地球上の未確認生物、UMAとして取り扱います。

超常現象研究家のグレイ・バーカー (Gray Barker) 氏が目撃者との事情聴取からこのモンスターの身長を10フィート (約3メートル) と割り出したことにより、日本では「3メートルの宇宙人」と呼ばれます。

真っ赤な丸い頭部にオレンジ色の無機質な丸い目、後頭部付近にはスペードのエースを思わせる先端の尖ったフードがつきます。

体は黒く足はヒダのある (つまりプリーツ状) スカートに隠れ見えませんでした。

地上から浮いていたともいわれています。

目立たないものだったのか腕の描写は心許なく、相対的に体に対して小さく「爪のような手」であったといいます。

このように目撃証言から描かれたフラットウッズ・モンスターの姿はそれがたとえ宇宙人だとしても非常に個性的であり、ましてや地球上の野生動物を見誤ったとは到底思えません。

しかしこれはUMAの正体の定番として頻繁に登場するある生物でうまく説明がつくといいます。

(メンフクロウ)
(image credit by Stevie B)

その生物とは、フクロウ、その中でもメンフクロウ (Tyto alba) の誤認であるとほぼ断定されています。

3メートルもあるヒューマノイドタイプのUMAがメンフクロウの誤認?

とても信じられません。

確かに能面のようなフラットで人間的なメンフクロウの顔は、鳥ではなく人間を含むヒューマノイド系の頭部を彷彿させる可能性はあります。

またメンフクロウはフクロウとしては決して大きい部類に入りませんが、鳥は羽を広げたときのシルエットが思いの外大きいため、実際よりもかなり大きいという印象を与える可能性があります。

貧弱なフラットウッズ・モンスターの腕の描写もフクロウの足をそのまま彷彿させるものです。

またフラットウッズ・モンスターが現れたときに「シューッ、シューッ」といった鳴き声らしき音を発したといわれていますが、これもメンフクロウの威嚇するような独特の鳴き声に似ています。

にしても3メートル、つまりは自分の背丈の2倍近く、見上げるほどの大きさに感じてしまうことはあり得るのでしょうか?

これは木の枝に止まったメンフクロウを地上からの高さで身長を割り出したためと考えられています。

メンフクロウの体長は50センチ弱、およそ地上から2.5メートル付近にある枝に止まっていれば、ちょうど頭部は地上から3メートル付近に位置します。

しかし枝に止まった状態であれば、いくら枝に葉が生い茂っていたとしても地上から枝までの間に何もない空間が空いているはずです。

これは説明できるのでしょうか。

まず前提となるのは「樹上のメンフクロウの頭部の位置 = 身長」という勘違い。

まず考えられるのが完全な思い込み。

(岩もしくは樹木などの堆積物のシルエットが宇宙人の体を形成したとする説)

メンフクロウが止まった木の枝から地上までの間になにもないのに、闇夜ということもありその空間に宇宙人の身体があると勝手に思い込んでしまったという説。

実際にないものでも「ある」という強い思い込みが体を「創造」する可能性はありえます。

しかしなにもない空間に体を思い描くのはさすがに、、、

そこで実際その空間の前後に「岩などのシルエット」「堆積した草木のシルエット」があった、もしくはかなり前方の枝から垂れていた「樹の葉」を闇夜による遠近感の乏しさから体と勘違いした、等の可能性も考えられます。

フラットウッズ・モンスターが宙に浮いて見えたとかプリーツのあるスカートのようなものを履いていたという証言は樹の葉であったほうがより合理的に説明できます。

(フクロウよりもかなり手前にある樹の葉がプリーツ状のスカートに変貌したとする説、ゆらゆら揺れることにより宇宙人が地上から浮いて見えたという証言にも対応できます)

いずれにしても闇夜でかなり動揺した精神状態でない限りこれほどの勘違いは起こさないでしょう。

身長が3メートルもあり、さらに突飛な姿をしたフラットウッズ・モンスターの正体がフクロウの中で最もありふれたメンフクロウであるという理論は、誰しも納得できるようなものではありません。

しかしこれほどまでに荒唐無稽に見えるUMA (もしくは宇宙人) ですら地球上の既知生物で説明できるという点は非常に興味深いと思いませんか。

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4 件のコメント:

  1. ソフビ人形見て思ったのですが、七面鳥が高いところにのぼるとこんな感じですよね。

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  2. 確かに赤ら顔といい、尾羽を扇子状に広げたのがフードになっていると見ると、七面鳥をド真正面から見たときみたいに見えなくもないですね!

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  3. 私は日没後の森林を歩いた経験が多いので
    フクロウちゃんと暗闇でご対面はたまにありました

    たしかに広げた翼はイメージより長いけれど
    頭部が小さすぎるので
    なにをどうやっても巨大生物には
    見えないと思いますがねえ

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  4. 地球を現実に異星人が来訪している可能性は限りなく低いと思いますが フラットウッズモンスターがメンフクロウだったという結論はいかがなものか…

    というのは遭遇者であるメイ夫人や州兵のユージン・レモン君らはその前にUFOを目撃し それが着陸したという丘へ探索に向かった際に怪物と遭遇しており その部分の説明が欠けていること 同行した少年たちは怪物の姿を絵に描いていますが 一致して阿弥陀仏の光背の様なスペード状のものを丸い頭部の周辺に描いており これがなぜフクロウの頭上に有った事になるのか また仮に背景等の偶然の重なりで “3mの宇宙人” の姿に見えたとしても 怪物はそのまま人間たちに向かって接近してきており フクロウが10ft.の高さを保ったまま開翼・飛翔せずに接近することは不可能であり それを見たなら鳥だと判断がついたはずでは?

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