2022年11月6日日曜日

「南北戦争時に撃ち落された翼竜 (プテラノドン) 写真は本物である」だと?


■南北戦争時に撃ち落されたプテラノドン (翼竜) の写真は本物である

19世紀半ば、南北戦争の最中、撃ち落されたという翼竜と6人の北軍兵士たちの写真。

UMAファンであれば、本やインターネットで一度は目にしたことがあるでしょう。

翼竜はこの現代でも生き残っている、といったネタではほぼ確実に登場する写真で、欧米ではPTPフォトと呼ばれます。

みなさんはこの写真を見てどう思います?というか、どう思ってましたか?

UMAファンでもない限りほとんどの人は「こんな写真、議論する価値もない!」と一蹴することでしょう。

そんな乱暴な~、と理由を尋ねてみれば「恐竜(※翼竜は恐竜ではありませんが)は6600万年前に絶滅してんだよ!」とキレ気味に怒鳴られるに違いありません。(笑)

UMAファンであればもう少し好意的に受け取ってくれると思います。

「これが本当だったらいいな」とか「ワンチャンあるかも?」なんて感じで。

とはいえ、そんなUMAファンですら、少なくとも日本ではこのPTPフォトをそこまで深く議論しようと思う人は多くはないでしょう。

しかしこの写真、出所不明でヴィンテージ加工は施されているものの翼竜と人物の合成の痕跡はなく、「確実にフェイク」と断定されているわけではありません。

誤解のないように初めに断っておきますが「フェイクと確実に証明できない」というのは「本物」と同義ではありません。

あくまでフェイクと断定できないだけで「翼竜は生きている!」という意味ではありません。

確実にフェイクと断定できるほどの情報がない、というだけであり、一般的には99.999...%フェイクだろう、と考えられています。

「仮に」これをフェイクとしますね。

誰かが作ったハリボテのプテラノドン (旧復元に似ています) と南北戦争時のコスプレで写真を撮れば当然合成等の必要はなく、写真そのものに「加工」の痕跡はないのは当然で「本物」の写真ということになります。

仕掛け人たちが白状しない限り、もしくは画像に写っている翼竜のハリボテが発見されない限り、100%否定するのは困難ということです。

(プテラノドン・ロンギケプスの全身骨格)
(image credit by Wikicommons)

前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

少なくとも日本でPTPフォトを熱心に議論する人は皆無であろうと既に述べました。

しかし、このPTPフォトがフェイクと完全否定できないことから、UMAファンどころか創造論支持者たちに引っ張りだこの画像なんです。

特にアメリカでは日本では信じられないほどにこの画像は綿密に調査されています。

創造論は進化論の対極に位置する考えで万物は神が創造したものであり天地創造から現在まで僅か6000年程度、そういうわけで恐竜も人類と共存していたということになります。

仮に創造論の世界においても恐竜が絶滅していたとしても、天地創造から現在まで6000年程度というのが真実であるならば、恐竜はまだどこかで生き残っている可能性は十分あり得ます。

というわけでPTPフォトの出番です。

これこそ天地創造から日の浅いことを証明する物的証拠であると。

PTPフォトの真贋を調査しているサイトも多く、また本も出版されているほどです。

その調査たるや凄まじく、プテラノドン (翼竜) の頭部や翼の形状といった単純なものだけではなく、プテラノドンの首の向き、写真撮影のために引きずってこられたであろう地面につけられた溝、そして北軍兵士たちの軍服からベルトのバックルの型、兵士の立ち位置やホルスターの位置、利き腕等、写真に写っているすべてが検証対象となっています。

日本では仏教徒や自分のような無信仰者も多いことから、北欧 (アイスランド・デンマーク・スウェーデン等) ほどではないにしろ、すんなり進化論を受け入れる国民の率が高い (78%) 国のひとつです。

いっぽう、アメリカは先進国においてもっとも「創造論」支持者が多い、逆に言うと「進化論」支持者が少ない国です。

欧米の多くの先進国の「進化論」支持者は7~8割であるのに対し、アメリカの「進化論」支持者の少なさは群を抜いておりつい最近まで過半数割れを起こしていだほどです。

一般的にアメリカにおいて「創造論」支持者の方が多い (多かった) と言われていますが、1985年時点で「進化論」支持者は45%、20年後の2005年の調査では40%に減少するという衝撃です。

しかし「進化論」支持者の減少は必ずしも「創造論」支持者の増加を意味しているわけではなく、「進化論」を否定する割合は48%から39%に減少しているのです。

つまりいずれとも判断できない人 (「分からない」) の割合が増えており、その割合は7%から21%と3倍増となっています。

この「分からない」層は「進化論」に傾倒しつつあるようです。

というのも、さらに10年後の2015年に行われた調査では、若年層 (30代以下) を中心に「進化論」支持者が増えてきており、アメリカの過半数以上が「進化論」の支持に回ってきたからです。

といってもかろうじて過半数を超した程度ではありますが。

若年層で「進化論」支持者が顕著であることから、現在、そして今後と「進化論」支持者の割合がさらに増えていくことが予想されます。

いずれの論を信じるにしてもそれは個人の自由であり、優劣を罵り合うことなくお互いにリスペクトし合うべきでしょう。

PTPフォトに話を戻しましょう。

仮に写真の中の翼竜がプテラノドンとして、プテラノドンの最大種、プテラノドン・ロンギケプス (Pteranodon longiceps) のオスであれば翼開長は6~8メートルもあり、大きさ的には無難なところでしょうか。

但し、死んでいるのに首が持ち上がっていたり、翼の質感が被膜とは思えないほどとても頑丈そう、形状も背中側に湾曲している等、素人目には不自然な印象を受けます。

検証サイトにおいては、プテラノドンの頭部・翼等の細部や北軍兵士の軍服やバックルの形状等、写真に写っている客観的事実から、「進化論支持者の間では」やはりフェイクであろうと結論付けられています。

日本では議論するに値しないように見えるPTPフォトですが、否定するにしろ肯定するにしろ、これほどまで綿密に議論されるUMA写真もそうあるものではありません。

(参照サイト)

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1 件のコメント:

  1. 合成じゃなくても、作り物に見えるんだよなー
    パッと見たとき、カヤック2つに雑嚢乗っけて更にその上になんか材木のってる?って思ったくらいだし…

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