2020年5月14日木曜日

たったいっときだけ目撃が集中した実在するシーサーペント ~ モートン・ベイ・サーペント

(1598年オランダ、カトウェイクの砂浜に座礁したクジラのスケッチ)

■モートン・ベイ・サーペント

今回はオーストラリア、クイーンズランド州の東海岸、モートン・ベイ沖 (Moreton Bay) でいっときの間、集中して目撃されたモートン・ベイ・サーペント (Moreton Bay Serpent) です。

モートン・ベイ・サーペントの目撃は、1959年12月末、3人の若者によって目撃されたことからはじまります。

ロン・スペンサー (Ron Spencer)、ジャネット・スペンサー (Jeanette Spencer) 夫妻とその友人ジョン・ベルチャー (John Belcher) 氏がモートンベイから2マイル (約3.2キロ) の地点でボートに乗って釣りを楽しんでいたときのことです。

突然、ボートの近くの水面を割って出てきたのが幅2フィート (約60センチ) もある見慣れぬ生物の頭部です。

その生物はボートに気付いておらず水面から頭部を出して辺りをうかがっていたようだといいます。

茶色味がかった黒い肌をしており、平らな頭部は幅広で目は左右に離れてついていました。

その生物はまもなく大きな飛沫 (しぶき) を上げて水中に没しました。

突然の巨大生物との遭遇に驚いた3人、気味悪くなって岸へ戻ろうと決めました。

しかし、どうやらさきほど水面から頭を出した際に、その生物はボートにそして3人に気付いたようなのです、というのもその生物は幾度も水面から顔を出してはボートのあとを追いかけてきたからです。

3人はその怪物がボートとの距離を詰めてきていることに気付きました。

水面から顔を上げては、まじまじと3人の姿を見ているようだったといいます。

結局追いかけては来るものの危害を加える様子はなく、ボートは無事に岸に辿り着くとその怪物は泳ぎ去っていきました。

(18世紀に目撃されたシー・モンスターのスケッチ)

それからわずか数日後の1960年1月1日、モートン・ベイに面した港町、デセプション・ベイ (Deception Bay) 近くで、ナイジェル・タット (Nigel Tutt) なる人物が娘のキャロル (Carol) ちゃん、そして友人のジェイ (Jay) 氏と釣りをしている際に謎の巨大生物を目撃しました。

タット氏によれば、その生物の体長は18フィート (約5.5メートル)、体色は茶色味がかった黒でウナギのような細長い体型をした生物だったといいます。

水面から4フィート (1.2メートル) ほども体を出し、かれら3人を凝視しているようでした。

頭部は平たく目は離れており、口はナマズのように幅広で大きかったと証言しています。

体色から体型まで最初の目撃と酷似しており、おそらく同一の生物と思われます。

このタット氏の目撃情報は新聞にも掲載された影響もあり、モートン・ベイ・サーペントは一躍注目の的となります。

3回めの目撃はデイブ・マナーズ (Dave Manners) 氏によるものです。

海岸で母親と釣りをしている際にこの怪物が現れました。

怪物は海岸線近くを泳いでいたため二人は徒歩でこの生物を1マイル (1.6キロ) も追跡したといい、以前の目撃情報よりもさらに詳しく生物を観察することができました。

やはり体色は茶味がかった黒、幅は2フィートで体長は18フィートほど、平坦な頭部には幅広の平らな吻部、そして頭部のすぐ後ろには奇妙な形をしたヒレがあることまで確認できました。

この立て続けに3度の目撃があった後、数ヶ月の間をおいて10月に同様の生物が目撃されましたがこれがこの生物の最後の目撃となりました。

この生物は一体何だったのか?

目撃証言はいずれも誠実で、UMAの目撃情報に多い荒唐無稽なものは含まれていません。

3度の目撃情報はすべて別人によるものの、証言内容は相互に似ておりおそらく同一の生物を目撃した可能性は高いと思われます。

惜しむらくはこの生物の目撃スケッチがないこと。

モートン・ベイは海洋生物が多く生息している地域であり、イルカやクジラや、ジュゴン、ウミガメそしてサメ等、巨大な生物も多く見られます。

それ故、上記海洋生物いずれかの誤認、特にウミガメ説が根強いのは確かです。

しかし当然ながら目撃者は口を揃えてそれを否定します「既知動物ではない」と。

もう一度、3つの目撃情報から謎の生物の特徴を見ていきましょう。

体長18フィート (約5.5メートル)、頭部の幅は2フィート (約60センチ)、体色は茶色味を帯びた黒、頭部は平坦で幅広、その両側に目、吻 (鼻先) も平坦、口はナマズのように大きく広い、頭部と胴体をつなぐ顕著な頸部のくびれは確認できない、頭部のすぐ後ろに奇妙な形のヒレがある。

こんな感じです。

すべてを満たす必要はないと思いますが、できる限り上の特徴を多くカバーできる生物が望ましいです。

離れた目、平らな吻部だけであれば生息域からもジュゴン (Dugong dugon) が怪しいですが、平坦な頭、体色、ナマズのような口、等々、ジュゴンの誤認とは考えにくく、そもそも目撃した8人のうち誰かはジュゴンだと気付きそうなものです。

(ジンベエザメの頭部)
(image credit by (WT-shared) Pbsouthwood)

ではジンベエザメ (Rhincodon typus) なんかどうでしょう?

平坦な頭部、離れた目、ナマズのような口、シルエット的には申し分ありません。

ただし、1度目と2度目の目撃情報で、水面から頭部を持ち上げて目撃者たちを観察する、といった行動はジンベエザメらしからぬ習性です。

ましてや好奇心旺盛に頭部を水面に出したり引っ込めたりしながらボートを追いかけたりするとは思えません。

というわけで怪物で決定!でもいいのですが、もう少し考えてみましょう。

行動だけ見ればイルカ等のハクジラ類かアシカ等の鰭脚類がいいですが、頭部形状などシルエットが厳しい。

(ザトウクジラの若い個体。頭部だけ見えたら奇妙に見えることでしょう)
(image credit by Christopher Michel)

そこであくまで「既知動物であれば」小型のヒゲクジラかヒゲクジラの若年個体の可能性を推したいと思います。

ヒゲクジラ類は頭部が概ね平らであり、ナマズのような幅広の口の両端には目、黒っぽい体色、目撃証言の特徴をいくつか持ち合わせます。

ただしヒゲクジラ類がイルカのように好奇心旺盛かどうかは分かりません。

ハクジラではありますが、やはりアカボウクジラ (Ziphius cavirostris) も頭部付近だけ撮影されたときはUMA騒ぎとなったことがあります。

クジラは見慣れているようで実際まじまじと見ると奇妙な姿をしており、UMAの正体となりえます。

(参照サイト)
PBI

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1 件のコメント:

  1. オーストラリアカワゴンドウって今世紀になって発見されたらしいですね。でも色味は違うけど。これは海坊主的な何か・・文章から想像したのはトドなんだけどあの辺いたっけな?

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