今回は中部アフリカ地域で目撃されるUMA、チバ・フーフィーです。
旧サイト (UMAファン) では情報不足で少し間違っている部分もありましたので、若干修正してアップします。
チバ・フーフィー (J'ba FoFi)。
摩訶不思議な響きを持つUMAですが、これはバカ族 (バカ・ピグミー、Baka) のバカ語という独自の言語で「巨大な蜘蛛 (giant spider)」を意味します。
つまりチバ・フーフィーは巨大なクモのUMAです。
小さい生物が巨大化したものってB級映画の定番ですし人気のあるジャンルです。
ちなみに現世世界最大のクモは南米原産のルブロンオオツチグモことゴライアス・バードイーター (Theraphosa blondi) で、最大クラスの体長は最大13センチ、足を広げた大きさは30センチ、重さは175グラムにも達します。
チバ・フーフィーは見た目こそ巨大なタランチュラと形容されますが、足を広げた大きさ (レッグ・スパン) はゴライアス・バードイーターが霞んでしまう驚愕の5フィート (約1.5メートル)。
二本の木の間に粘着性のクモの巣を張り、巣の下に穴を掘って身を隠します。
あとは草木で穴をカモフラージュして哀れな犠牲者が巣に引っかかるのを待つだけです。
バカ族はピグミーですのでおそらく小柄でありチバ・フーフィーのレッグ・スパンをおそらく下回り非常に危険な存在のようです。
というのも、彼らによればチバ・フーフィーの巣の大きさは横幅6フィート (約1.8メートル) もあり、家と家の間に巣を張られないよう隣家との間隔をできるだけ狭めて建てているほどです。
巨大な毒牙を持ち、主食はボンゴやダイカー等のレイヨウの仲間、まさに化け物です。
(チバ・フーフィーのエサといわれるボンゴ (Tragelaphus eurycerus))
(original image credit by Wikicommons)
もちろん卵もジャイアントサイズ、クルミ大のピーナッツ (もしくはエンドウ豆) の鞘のような形をした白い卵を産み、生まれたばかりの子蜘蛛たちは腹部が白いといわれています。
西洋に初めて伝わったのは1890年代のこと。
三国にまたがる巨大な湖、マラウイ湖 (Lake Malawi) に向かっていた宣教師アーサー・ジョン・シムズ (Arthur John Simes) 一行 (ポーター二人)。
道すがらポーターの一人が巨大なクモの巣に絡まると2匹の巨大 (4フィート (約1.2メートル) と2フィート (約0.6メートル)) の なクモが現れ、シムズ氏とポーターたちに襲い掛かりました。
シムズ氏は咬まれながらも拳銃で応戦しなんとかその場を逃れたもののおそらく咬まれたときに毒が注入されたのでしょう、患部は腫れあがり、発熱から意識の混濁、ついには亡くなってしまいました。
この話のくだりはやや混乱しており、目撃したのはウガンダなのかコンゴ民主共和国なのかはたまたマラウイ湖周辺国 (マラウイ、タンザニア、モザンビーク) なのかバラバラで、またシムズ氏だけが助かった、シムズ氏、ポーターたち共に助からなかった等、いくつかのバージョンが存在します。
より広くチバ・フーフィーが広まったのは1938年のレジナルド・ロイド (Reginald Lloyd) 夫妻の目撃情報がジョージ・エバーハート (George Eberhart) 氏のUMA本で紹介されたことによります。
ジャングルを車で走っていたロイド夫妻の前をなにか野生動物が横切ろうとしたため、ロイド氏は慌ててブレーキを踏みました。
彼はその時おそらくサルかヤマネコだろうと思ったといいますががどうも様子がおかしい、フロントガラス越しにまじまじといま横切った生物を見てみるとそれは巨大なクモであったというのです。
さ~て正体は?
クモの仲間では前述のゴライアス・バードイーターで打ち止め、遠く及びません。
節足動物まで範囲を広げても陸棲ではレッグ・スパン1メートルのヤシガニ (Birgus latro) で精一杯、さらに水棲 (海棲) まで範囲を広げてやっとこチバ・フーフィーを超えるタカアシガニ (Macrocheira kaempferi) が出てくるぐらいです。
実在するのはかなり厳しそうですが未確認動物学者、ウイリアム・J・ギボンズ (William J. Gibbons) 氏のバカ族たちから聞いた話に期待を託しこの記事を締めましょう。
「6人のバカ族のガイドたちにチバ・フーフィーについて質問したところ、この巨大なクモはかつて驚くほどふつうに目にすることができた生物で、人家近くに巣を作ることも珍しくなかったということです。
中央アフリカ地域の開発の影響で現在では非常に稀な存在になってきているようですが、コンゴ民主共和国やザイールではまだ人跡未踏の森林が多く残されており、チバ・フーフィーは現在でも多数生き残っていると推測されます」
(参照サイト)
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