プテラノドンの写真の記事を書いていて翼竜系UMAの記事をあまり書いてないなと気付きました。
というわけで今回は翼竜系UMAいきます。
翼竜系UMAはかなりたくさん報告されていますが、その中でももっとも有名なUMAのひとつが今回のコンガマトー (Kongamato) です。
コンガマトーは南部アフリカ、特にザンビアやアンゴラ、ジンバブエ等で目撃の多いUMAです。
翼を広げた大きさが4~12フィート (約1.2~3.6メートル) ほどある大型の飛翔系UMAで、その特徴から典型的な「翼竜」タイプの生物です。
何語か分かりませんが、コンガマトーは現地の言葉で「ボートを破壊するもの (breaker of boats)」「ボートを転覆させるもの (overturner of boats)」の意だといいます。
似たようなUMAに、カメルーンやコンゴ共和国等、中央アフリカで目撃されるオリチアウ (Olitiau) がいます。
オリチアウはイプロ語で「悪魔 (もしくは「洞窟の悪魔」)」を意味する一般名詞のようで、確実ではないですが特定のUMAを指す固有名詞ではない可能性もあります。
このオリチアウは単に方言による呼称の違いであってコンガマトーと同一ともいわれており、本記事でも同一、もしくは亜種程度の扱いで話を進めますね。
尚、西アフリカのガーナで目撃されるササボンサム (Sasabonsam) も同一とする見方もありますが、取り敢えず今回はコンガマトーとオリチアウのみ取り上げます。
欧米に知られるようになったのはイギリス人のフランク・ヒューム・メランド (Frank Hulme Melland) 氏の1923年の著書「イン・ウィッチ・バウンド・アフリカ (In Witch-Bound Africa)」にコンガマトーが登場したからです。
日本語に訳せば「魔女に縛られたアフリカで」といった感じでしょうか、現在でもアフリカでは一部の地域で「魔女狩り」による暴行や殺人が横行していますが、100年前はさらに凄惨だったようです。
アフリカの魔女狩りに精通し心を傷めていたメランド氏は当時のアフリカの神秘性とかけて著書のタイトルに「魔女」を採用したように思われます。
さて、この本は当時としても決してUMA本ではなく、先住民族カオンデ族 (Kaonde) および彼らの信仰の研究本ともいわれいます。
その中でメランド氏はカオンデ族から「川の流れを操り、漁師たちを翻弄する怪物」コンガマトーの伝説を聞くことになります。
彼らはこの怪物を「コウモリのような被膜に覆われた翼を持つ巨大な赤いトカゲ」と表現しました。
カオンデ族の漁師たちはコンガマトーを恐れ、漁の際には「ムチ・ワ・コンガマトー (muchi wa Kongamato)」なるお守りを持参していました。
話を聞いたメランド氏はその「怪物」にいたく興味を惹かれしつこくしつこく彼らに問い詰め、さらに手持ちの本の翼竜のイラストを見せるとまさにそれだとこたえたというのです。
コンガマトー伝説はここに始まります。
そしてコンガマトーは「あの」未確認動物学者、アイヴァン・サンダーソン (Ivan Sanderson) 氏も目撃しています。
メランド氏の著作から9年後の1932年、サンダーソン氏によればアフリカ探検の最中、探検メンバーのひとりジェラルド・ラッセル (Gerald Russell) 氏と共にウマヅラコウモリ (Hypsignathus monstrosus) 狩りをしていた際に突如上空から得体のしれない生物に襲われたと証言しています。
怪物の喉元にはニワトリのような肉垂れをもち、長大なクチバシをもっていました。 (但し、サルのような頭部だった、と証言したいう文献もあります)
いずれにしても口内には「歯」があり、怪物は急降下とともにその歯をカチカチ鳴らしたと氏は語っています。
サンダーソン氏・ラッセル氏ともにその怪物の大きさは最低で12フィート (約3.6メートル) と証言しています。
ちなみにサンダーソンが目撃したのは厳密にはコンガマトーではなくオリチアウです。
さてこの翼竜じみた怪物の正体は探っていきましょう。
(鼻先の長さが特徴のウマヅラコウモリ)
アフリカにもオオコウモリは生息しており、もっとも大きな種はアイヴァン・サンダーソン氏らが狩りをしていた前出のウマヅラコウモリです。
但し、翼開長 (翼を広げた時の大きさ) は3フィート (約90センチ) と1メートルにも満たず、オオコウモリの中では特段大きくはありません。
そもそもサンダーソンはウマヅラコウモリ狩りに来ていたわけで、いくら攻めた発言の多いサンダーソン氏といえどウマヅラコウモリ狩りでウマヅラコウモリを謎の生物と誤認する可能性はさすがに低いでしょう。
ちなみに世界最大の翼開長を持つオオコウモリは名前の通りフィリピンにのみ生息しているフィリピンオオコウモリ (Acerodon jubatus) で1.7メートル、但し、アフリカに生息していないばかりか大きさ的にもサンダーソン氏の証言に遠く及びません。
とはいえ、ウマヅラコウモリの2倍の翼開長を持つフィリピンオオコウモリをアフリカで目撃したら怪物騒ぎになるのは確実でしょう。
(飛翔するサイチョウはまさに翼竜)
一番相応しいのは東南アジアに生息するその名もそのまんまサイチョウ (Buceros rhinoceros) で翼開長は1.5メートルと巨大、頭部にサイのような突起 (トサカ) をもち、飛翔するその姿はまさに翼竜を感じさせます。
一方、アフリカに生息するサイチョウの仲間といえばミナミジサイチョウ (Bucorvus leadbeateri) です。
(ミナミジサイチョウ)
目の周りと喉元に羽毛はなく赤みを帯びた皮膚が露出しており、漆黒の羽毛と鮮やかなコントラストを奏でます。
漆黒であることからコウモリのように被膜が張られているように見え、露出した喉元の皮膚はサンダーソン氏の証言した肉垂れを連想させます。
既知生物の誤認であればこの2種が有力ですが、ウマヅラコウモリにしてもミナミジサイチョウにしても一長一短あり判断は難しいところです。
というわけで未発見のオオコウモリ、もしくは未発見のサイチョウも候補に加えておきましょう。
(参照サイト)
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿