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2022年12月18日日曜日

ゾウをも殺す巨大サイ ~ エメラ・ントゥカ (チペクウェ)


■ゾウをも殺す巨大サイ ~ エメラ・ントゥカ (チペクウェ)

今回は久々の正統派UMAの紹介で、エメラ・ントゥカ (Emela-Ntouka) にしましょう。

エメラ・ントゥカはアフリカの恐竜系UMAのメッカと言えるコンゴ共和国やカメルーン共和国で目撃される恐竜 (特に角竜) に似たUMAといわれています。

日本ではチペクウェ (Chipekwe) としても知られますが、他にもンガムバ・ナメ (Ngamba-namae) やンジャゴ・グンダ (Njago-gunda) 等いくつもの名を持ちます。

(original image credit: Wikicommons)

エメラ・ントゥカという名前は同国のUMA、モケーレ・ムベンベムビエル・ムビエル・ムビエル等と同じリンガラ語に由来し「象を殺すもの」を意味します。

エメラ・ントゥカを簡単に表現すれば現生の「アフリカゾウサイズもあるサイ」といった感じで、吻部にある大きな一本角が特徴です。

「象殺し」の異名からも想像できる通り非常に凶暴な性質で原住民から恐れられているといわれています。

それではその正体についてみていきましょう。

まずは恐竜生存説。

恐竜が今日まで生き残っている、という可能性は限りなくゼロに近いものの恐竜生存説はUMAの正体としてもっとも人気があります。

(セントロサウルス)
(original image credit: Wikicommons)

エメラ・ントゥカの場合、その体長や一本角の特徴から、角竜、その中でもセントロサウルス (Centrosaurus) に似ているといわれます。

セントロサウルスは北米大陸に生息した恐竜で体長は6メートルほど、アフリカゾウとほぼ同じぐらいです。

しかしエメラ・ントゥカの化石はアフリカでは見つかっておらず、またエメラ・ントゥカが沼沢地に生息 (半水生) し首回りにフリルもないといわれることから、セントロサウルスがたとえ生き残っていたとしても特徴・習性的にもその正体としては少々厳しそうです。

(ケラトサウルスの復元図)
(image credit: Wikicommons)

恐竜としてもう一つの候補がケラトサウルス (Ceratosaurus) です。

ティラノサウルス等と同じ獣脚類の仲間で属名の意味は「角をもつトカゲ」、吻部に突起状の角を持ちます。

凶暴で首周りのフリルがないことはセントロサウルスよりも強みですが、ケラトサウルスは二足歩行でありサイに似ているとはいい難く、また名前の由来になったほどトレードマークの角は目立つものではありませんでした。

恐竜以外を考えてみましょう。

あくまで「常識的」に考えれば、規格外のサイを誤認したものと考えられます。

現生最大のサイはシロサイ (Ceratotherium simum) で、最大サイズのオスは体長4.2メートル、3.6トン。

素晴らしい体躯ですが、やはり巨大といえば絶滅種、そっち方面に目を向けてみましょう。

(体高約8メートル、パラケラテリウム)
(original image credit: Wikicommons)

「史上最大のサイ」として頻繁に引用されるのはパラケラテリウム (Paraceratherium)、以前は別種と考えられていたインドリコテリウム (Indricotherium) と同種でこちらの呼び名のほうがしっくりくる人も多いかもしれません。

パラケラテリウムは史上最大のサイどころか史上最大の哺乳類で、体長は8メートル前後、肩高も5メートル前後、体重最大20トンととんでもない大きさですが、頭部に角を有してない上に現生のサイとはまったくプロポーションも異なりエメラ・ントゥカの正体としては心許ないです。

(エラスモテリウム)
(image credit: Wikicommons)

現生の見慣れたサイらしいサイで巨体を誇ったのはエラスモテリウム (Elasmotherium) で、そのなかでもエラスモテリウム・カウカシクム (Elasmotherium caucasicum) は体長5メートル超、5トンと頼もしい限りです。

体に比して圧倒的ともいえる巨大な角を有し、恐竜なんかと比べればつい最近ともいえる数万年前 (3.9~2.6万年前) まで生息していたこともまた魅力です。

ケブカサイ (Coelodonta antiquitatis)) なんかもいいかもしれませんが、エラスモテリウムよりはひとまわり小さく、大きくてもせいぜい4メートルぐらいといわれています。

みなさんごひいきの動物を候補としてください。

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