■空から魚や蛙が降ってくる ~ ファフロツキーズ現象
雨や雪のような通常見られる自然現象ではなく、魚や蛙といった生物が雨のように降ってくる現象をファフロツキーズ (fafrotskies) と呼びます。
このファフロツキーズという言葉は、未確認動物学者として有名なアイヴァン・サンダーソン (Ivan Sanderson) が提唱した "falls from the skies" を基にした造語で「空からの落下物」を意味します。
ファフロツキーズは古い記録では1世紀のローマまで遡り、その後現在に至るまで世界中から無数に報告される謎の現象です。
過去のものには「ギリシャのカーソニーサス地方で三日三晩豪雨のように魚が降り続けた」「カエルが降り続け、玄関の扉は (積もったカエルで) 開かなくなり、道路は寸断された」といった到底信じがたいものも多く含みます。
やってみればわかりますが、ごく狭い範囲だとしても、魚であれカエルであれわずか1分間すら「雨のように」降らすにはとんでもない数の魚やカエルを必要とします。
それが、ひとつの地域全体を2日、3日と「豪雨」のように魚やカエルを降らすとなれば、天文学的な数の魚やカエルを用意する必要があり、そのまま話を鵜呑みにするのは困難です。
こういった過去の事例は、あたかも「実際に目撃」したかのように伝えられていますが、おそらくは道端に散らばっていた魚やカエルを目撃した人たちが、その「結果」から「豪雨のように降ったに違いない」と類推し、伝えているに過ぎないと思われます。
そもそもファフロツキーズはその規模にも大きく差異があり、原因をひとつに絞ること自体無理であるように思われます。
たとえば、規模の小さいものでは、鳥が吐き戻したもの、人間による捏造、規模の大きいものでは竜巻などによって巻き上げられたものが遠方に運ばれた等、それぞれ分けて考える必要があるでしょう。
なお、中米ホンジュラスのヨロ (Yoro) では毎年5~6月に、最低でも年に1度、多い年は数回「魚の雨」が降るそうです。
伝説では19世紀半ばにスペイン人宣教師、ホセ・マヌエル・スビラナ (Jose Manuel Subirana) がヨロに立ち寄った際、地元住民の貧困を目にし三日三晩、天に祈りを捧げると、空は黒い雲で覆われ始め、やがて魚の雨が降りたしたといいます。
そしてその魚の雨が現在でも続いているということです。
いまだに貧困から抜け出せない多くのヨロの住民にとって、この5月、6月にやってくる「魚の雨」は1年で唯一新鮮な魚が食べられる贅沢な時期だということです。
ヨロの住民にささやかな贈り物をしたスビラナの遺骨はヨロの中央広場にあるカトリック教会に埋葬されているそうです。
(参照サイト)
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(参照本)
フェノメナ【幻象博物館】/J・ミッチェル+R・リカード
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