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2024年3月12日火曜日

アイスランドの伝説の猛毒ウナギ ~ フロッカル


■アイスランドの伝説の猛毒ウナギ ~ フロッカル

フロッカル (もしくはフロッカール, Hrökkáll) はアイスランドのウナギのUMAです。

巨大なウナギはシーサーペントやレイクモンスターの正体のひとつに挙げられますし、ウマウナギのようにそのまま巨大なウナギのUMAも存在します。

巨大ウナギとUMAは切っても切り離せない関係にあります。

それではフロッカルは一般的なレイクモンスターか?というとそうではありません。

フロッカルが生息するのは特定の決まった湖沼ではないからです。

フロッカルの生息地はアイスランドの「淀んだ池や汚染された水域や川」といった漠然としたもので、どうも流れの強い水域は好まない性格のようです。

それでは一体どんなUMAなのか?

フロッカルは他のアイスランドのUMAがそうであるように個性的です。

ウナギのUMAといえば巨大ウナギ、つまりレイクサーペント (巨大海蛇) タイプが定番ですがフロッカルの体長は僅か2フィート (約60センチ)、カミソリのように尖った背ビレと鎧のような硬い体表が特徴です。

UMAながら拍子抜けするような体長で、日本にも生息する体長1.5メートルを超すオオウナギ (Anguilla marmorata) はおろかふつうに目にするニホンウナギ (Anguilla japonica) にすらその体長は及びません

(オオウナギ)
(image credit by Wikicommons)

しかしされどUMA、僅か2フィートとはいえ侮れません。

フロッカルは自らが掘った川底の穴に潜っておりふだん目にすることは滅多にありませんが、彼らのテリトリーに足を踏み入れるやフロッカルは素早くその巣穴から飛び出すとその短い体で足に巻き付き肉をそして骨を切り裂き貪り食べるといわれているからです。

アイスランドのUMAは島国ということもあってか個性的かつ残忍ながらもユーモラスな特徴を備えていることがあります。

(6メートルの巨大アナゴ)

アメリカ、カナダの到底実在するとは信じがたい特性を備えた民間伝承的UMAの総称をフィアサム・クリッターといいますが、位置づけ的にはそれに近い存在に思われます。

フロッカルもバックグラウンドは死んで腐敗していたウナギを魔女が蘇らせたもの、なんて言われており、残忍な性質ながらも羊の足はフロッカルが巻き付くには細すぎて巻き付くことができないというクスッと笑ってしまうような特性を備えています。

さてそんなお伽噺のような存在であるフロッカルですが、1932年、フロッカルに襲われたという事件があります。

とある女性が地面をのたうち回っていました。

それを見た地元の男性が女性に駆け寄ると女性の首にはマフラーさながらフロッカルが巻き付いているではありませんか。

男性は持っていたナイフで首に巻き付いたフロッカルの鎧のような皮膚を切り刻んで女性を救出しました。

その体型や性質は同じウナギ目のウツボ類を想起させますが、実際海岸沿いにフロッカルは生息している、という説もあります。

(デンキウナギ)
(image credit be Wikicommons)

現在、アイスランドでは「フロッカル」という単語はデンキウナギ (Electrophorus electricus) を指すといいます。

デンキウナギは南米にのみ1属3種生息しており当然ながらアイスランドには生息していません。

フロッカルは体型的にはずんぐりとしておりむしろデンキナマズに似ていますが、こちらも2属19種すべてがアフリカ大陸にのみ生息しています。

いずれかの存在が耳に入りアイスランドで創造されたUMAである可能性は高そうですが、アイスランドにも実は未発見の強電気魚が生息しており、フロッカルは実在すると考えるのも楽しそうです。







2024年3月11日月曜日

1970年代、小さな町を震撼させたオークランド・クリーチャー


■1970年代、小さな町を震撼させたオークランド・クリーチャー

アメリカ、ネブラスカ州オークランド (Oakland)。

オークランドという地名はアメリカにいくつも点在しており、日本の多くの人はこの地名を聞いてカリフォルニア州の都市を思い浮かべるのではないでしょうか。

カリフォルニア州のオークランドの人口は40万人を超す大都市ですが、今回の舞台であるネブラスカ州のオークランドは人口わずか1300人足らずの小さなコミュニティです。

ネブラスカのオークランドはその地にスウェーデンの総領事があることからアメリカとスウェーデンのきずなを繋ぐ役割を担い、ネブラスカのスウェーデンの首都 (Swedish Capital of Nebraska) とも呼ばれます。

1974年のほんの2ヶ月ほどの間、この小さなコミュニティが全米の注目を浴びることになります。

それは前触れもなく1974年の独立記念日 (7月4日) の未明に始まりました。

22エーカーの広い農場を持つ営む若き20代のデール・ジョーンズ (Dale Jones) さんとその妻リンダさんは今まで聞いたことのない奇妙な悲鳴によって目を覚ましました。

飼い犬のジャーマンシェパードも激しく吠えていました。

豚たちに何か起きたのだろうか?

ジョーンズ夫妻の農場には豚舎もあったからです。

未明ということもあり外はまだ薄暗かったためデールさんは懐中電灯を手に自宅近くの豚舎へと向かいました。

しかし、豚舎を一通り見て回りましたが特にこれといった異常は見つからなかったため自宅へと戻ろうと豚舎を出ました。

するとまたあの眠りを妨げた奇妙な悲鳴を耳にしたのです。

その音は豚舎から聞こえたものではありませんでした。

恐怖を感じたデールさんは駆け足で家へ戻るとバットを手にし再び外へと飛び出すと100メートルほど先に「人影」のようなものを目にしました。

「それ」は二本の足で立ち、ジョーンズ夫妻の家とは反対側に向かって走り去りました。

まだ薄暗かったためそれがなんであるかははっきりと確認することはできませんでした。
かのビッグフットか?

小さなコミュニティです、この怪物の噂は瞬く間に住民の間に広まりました。

誰一人として知らないものはなく、町は怪物の話でもちきりとなりました。

UMA史上、もっとも有名な動画のひとつ、ビッグフットの歩く姿を収めたパターソンフィルム (パターソン・ギムリン・フィルム) の発表(1967年)からそれほど時が経っていなかったのも原因のひとつでしょう。

(image credit by Wikicommons/Public Domain)

噂が広がると、数日で目撃者は爆発的に増えました。

オークランド・クリーチャーの体長は6フィート (1.8メートル) ほど、クマのような体つきだが頭部は類人猿に似ているといい、まさしくその姿はビッグフットでした。

あるティーンエイジャーのグループは真夜中に森に隣接する墓地で二足歩行する怪物に出くわし、持っていた爆竹に火をつけ怪物に投げつけ退散させました。

彼らが警察にそれを通報すると警察犬を連れた警察が動き出すまでとなりました。

しかしその年のオークランドの夏は酷い旱魃で、干上がった地面には足跡ひとつ見つけることができませんでした。

当時13歳だったニック・ウィックストロム (Nick Wickstrom) さんも朝刊の配達中に奇妙な悲鳴を聞いた一人です。

それだけでなく、後日彼は父と弟と車に乗っている際にも道を横切る見たことのない生物を目撃しました。

オークランド・クリーチャーに違いありません。

その噂は町を飛び出し、テレビ局や新聞社がこの小さな町に訪れるまでになりました。

目撃者の数は日増しに増えていきましたが捉えどころのないこの生物は神出鬼没であり捕まえることはおろか、その姿をはっきりと見た人もいませんでした。

そして夏が終わりを告げ9月に入るとその姿を見ることはなくなりました。

目撃されていたのは期間にして2ヶ月ほど、オークランドのビッグフットはその後2度とこの町に姿を現すことがありませんでした。

その正体はなんだったのか?

月並みに考えれば気紛れなアメリカグマ (アメリカクロクマ, Ursus americanus) が夏の間ちょっとばかりオークランドに立ち寄っただけの話だったかもしれません。

オポッサムだったのではという説もあります。

(キタオポッサム)
(image credit by Wikicommons)

オポッサムは北米に生息する有袋類でネコほどの大きさしかなく、最大種のキタオポッサム (Didelphis virginiana) の最大個体ですら5キロぐらいしかないため、ビッグフットと誤認することはないでしょう。

オポッサム説があるのは車の前を横切った謎の生物を家族3人で目撃したうちのひとり、ニック・ウィックストロムさんの発言からです。

新聞配達員をしていたニックさんはその後アメリカ海軍に入隊し、そして退役し現在に至ります。

半世紀近く前に目撃したオークランド・クリーチャーとの遭遇をこう回顧しています。

「少なくとも今までに出会ったことのない生き物でしたね。尾はなかったと思います。後肢はわたしたち人間の脚に似ていました。ですが、今考えるとそれはオポッサムだったかもしれません、とびきり大きなね。

ただ実際のところそれがなんであったか本当のところは分かりません。ご存じの通り、わたしは田舎の子供でしたから付近に生息する動物たちはみな知っていました。ですがそいつはどれにも当てはまらなかったんです」

(参照サイト)










 メキシコで謎の巨人が撮影される ~ ウアステカ・ポトシーナのジャイアント


 半人・半山羊のヒューマノイド ~ レイク・ワース・モンスター (ヤギ男)

■ ウェーンズバロの謎の足跡





2024年3月10日日曜日

コロンビアの川にイグアノドンが棲んでいるらしい ~ リオ・マグダレナ・モンスター


■コロンビアの川にイグアノドンが棲んでいるらしい ~ リオ・マグダレナ・モンスター

南米大陸は日本の面積のおよそ47倍、それに対して人口は日本の3.4倍しかありません。

世界的に見ても人口密度の上位にランクインする日本と比べるのもなんですが、まぁ日本と比べればスッカスカで未開な地域も多く今後もUMA目撃情報の期待のできる土地です。

さてそんな南米の中から今日はコロンビアのUMAを紹介しましょう。

現在でも超大型竜脚類の化石がぼっこぼっこ発掘される土地柄ということもあって、南米のUMAはやはり恐竜系が似合います。

但し、アフリカ大陸に次ぐ恐竜系UMAのメッカというものの、アフリカのそれのようにモケーレ・ムベンベ (「川の流れを堰き止めるもの」の意) やコンガマトー、ムビエル・ムビエル・ムビエル (「背中に板を生やした動物」の意) といった固有のニックネームで呼ばれることは少なく、単に「目撃された土地名 + モンスター」や「目撃された土地名 + 実在した恐竜名」といった味気ないものが多いです。

以前に紹介したボリビアのマディディ・モンスターなんかもそんな感じ。

さて今回紹介するリオ・マグダレナ・モンスター (Rio Magdalena Monster) は直訳すると「マグダレナ川の怪物」という意味で同じような命名法です。

その名の通りリバー・モンスターです。

マグダレナ川は全長1540キロメートル、その河口はカリブ海に注ぎます。

200種以上の魚が生息し豊富な水産資源を有するこの河は先住民族らに「魚の川」を意味する「アーリ (Arli)」と呼ばれます。

またマグダレナ川 ((Rio Magdalena) というスペイン語の呼び名は新約聖書に登場しイエスに付き添った「マグダラのマリア (Maria Magdalena)」に由来することから、この河が神聖視されていることが分かります。

この河でUMAが目撃されたのは1921年、100年以上前のことですね。

まず目撃された詳細な場所は分かっておらず、リオ・マグダレナ (マグダレナ川) の「どこか」ということです。

さらに目撃したのは「とある旅行者」でありその人物の名も分かっていません。

UMAという性質上、目撃情報が少ないのは珍しくありませんが、それを差し引いてもリオ・マグダレナ・モンスターの目撃証言は随分と心もないものです。

その匿名の目撃者によれば「怪物」はイグアノドン (Iguanodon) に似ていたといいます。

現在ほど恐竜の分類が進んでいなかった当時、恐竜の化石発掘の黎明期からもっとも有名な恐竜のひとつであったイグアノドンに似ているというのは単に「恐竜のような大きな生物」を目撃した、ぐらいの感覚と考えていいでしょう。

(19世紀に描かれたイグアノドンの復元図)
(image credit: Wikicommons/Public Domain)

というのもイグアノドンの発見当時の復元と現代の復元では大きく異なり、現代人が思い描くイグアノドンとは大きく異なるからです。

ではその正体はなんであるか考えてみましょう。

まずUMAファンとしての理想は大型恐竜サイズの未知の生物が生息していることです。

恐竜が生き残っているとは考えにくいですが未知の大型の哺乳類が生息ている可能性はゼロではありません。

では既知生物の誤認の可能性はどうでしょう?

イグアノドンの旧復元は現代のそれとは大きく異なり、大型の哺乳類然としたシルエットを持ちます。

目撃者が「旅行者」であることもポイントで、土着の人にはそこまで珍しくない、もしくは既知の生物であっても旅行者にとっては初めて出会う生物であったためイグアノドンと誤認した可能性もあります。

(現在のイグアノドンの復元図)
(image credit: Wikicommons)

現代であれば「カバ (Hippopotamus amphibius)」を誤認した可能性が考えられます。

カバはアフリカ大陸固有の生物でありもともと南米大陸には生息していませんが、現在では麻薬王パブロ・エミリオ・エスコバル (Pablo Emilio Escobar) の私設動物園から脱走したカバたちが野生化し繁殖を続けているからです。

しかも繁殖している先は今回話題にしているマグダレナ川というのも好都合、カバが生息しているはずもないこの河でカバに遭遇しようものならUMAと勘違いし「恐竜を目撃した!」と騒ぎ立てても決しておかしくはありません。

それではカバで決まり!といいたいところですが、このエスコバルのカバが南米に連れてこられたのは割と最近 (1980年代) であることから残念ながら (?) 今回は候補としては除外となります。

(メガネグマ)
(image credit by Wikicommons/Public Domain)

ということで既知動物の誤認候補としてはそのシルエットからメガネグマ (Tremarctos ornatus) を挙げておきましょう。

南米唯一のクマであり最大個体は2メートル超、200キロにも達し当時のイグアノドンの復元ともそこまでかけ離れた存在ではありません。