アメリカ、カンザス州のマクファーソン郡にあるインマン湖 (Lake Inman)。
一見すると取り立てて言うほどのこともない湖ですが、この湖では1950年代より巨大なワーム状のUMA (未確認生物) の目撃が相次ぎました、シンクホール・サム (Sinkhole Sam) です。
この名は、インマン湖にシンクホールを彷彿させる深い領域があると言われており、その一帯で目撃が頻発したことに由来します。
1951年のふたりの釣り人によって目撃されたのがはじめてと言われており、翌年、アルベルト・ニューフェルド (Albert Neufeld) 氏とジョージ・レガー (George Regehr) 氏らによって目撃された際は、シンクホール・サムを銃撃したとニューフェルド氏は主張しています。

おそらくニューフェルド氏の放った弾はそれたか、少なくとも致命傷にならなかったようでサムの目撃はその後も続きます。
目撃証言から体長は15~30フィート (約4.5~9メートル) とバカでかく、ワゴン車のタイヤほどの太さがあったといいます。
さて正体はというと当然分かっていません、捕獲はもちろんのこと写真も取られていませんから当然です。
ただこの生物は実在した可能性が高いと考えられています。
大きさこそバカでかいですが、目が赤く光っていたとか、空中を舞ったとか野生動物にはありえないような超常的能力の目撃証言は皆無であり、また恐竜のような存在すること自体が難しい生物の特徴もなく、単に大きさのみ誇張されている感じだからです。
目撃が多発したのは1950年代の数年程度であり、その後完全に目撃が途絶えたことからサムは未知の生物 (新種) の個体群ではなく、湖に一定期間閉じ込められた、いわゆる陸封状態にあった一匹の生物ではないか、と考えられてます。
ワーム状と形容されているものの、あまりに大きく、またあまりに太いため巨大なミミズが正体であることはまず考えられません。
たとえば巨大ミミズ、ミクロカエトゥス・ラピ (Microchaetus rappi) は6.7メートルの記録がありますが直径は2センチ程度、ミミズは長くなれても車のタイヤのように太くは成長できません。
そういったことからシンクホール・サムの正体は巨大ウナギもしくは大蛇と考えるのがより合理的かと思います。
巨大ウナギはレイク・サーペントの正体の定番であり候補になるのは当然です。
寿命も長いため、長きに渡って目撃されるほうが自然ですが、最初の目撃された1950年代前後にこの湖に侵入し、数年程度で出ていった、もしくは死んでしまったと考えればなんとか説明できます。
巨大なウナギだったとしても少々大きすぎますが、UMA実際の大きさより誇張されて報告されるのが常ですから2~3メートルもある化け物のようなウナギであれば4.5メートルと報告されてもそれほどおかしくはないでしょう。
(パシフィック・ゴーファー・スネーク)
(image credit by Bill Bouton)
そしてもうひとつの候補、ヘビ。
この一帯に生息する最大のヘビはパシフィック・ゴーファー・スネーク (Pituophis catenifer catenifer) で、体長は最大7フィート (約2.1メートル) ほど、突然変異的に大きな個体であればそれ以上のものが期待できます。
こちらもウナギ同様、仮に2.5メートル、3メートルといった個体が存在したら報告では4.5メートルとなっていても納得できます。
野生下での寿命は15年、飼育下では33年の記録があり、もう少し長きに渡り報告が続いてもおかしくはないのですがヘビですしどこかへいってしまったと考えるのが自然かもしれません。
ただしこのヘビは湿度を嫌い、多くの時間を乾燥した地域で過ごすことがシンクホール・サムとは明らかに異なる生態です。
こういったことから、月並みながらやはりシンクホール・サムの正体は土着の生物ではなく、ペットが逃げ出した (or 遺棄された) ヘビではないかと考えられています。
特に水中に入ることも厭わず、大型種も多いボア科のヘビがその正体だったのではないかともいわれています。
(参照サイト)
Kansas City
Marcianitos Verdes
The Paranormal Site
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