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2024年3月11日月曜日

1970年代、小さな町を震撼させたオークランド・クリーチャー


■1970年代、小さな町を震撼させたオークランド・クリーチャー

アメリカ、ネブラスカ州オークランド (Oakland)。

オークランドという地名はアメリカにいくつも点在しており、日本の多くの人はこの地名を聞いてカリフォルニア州の都市を思い浮かべるのではないでしょうか。

カリフォルニア州のオークランドの人口は40万人を超す大都市ですが、今回の舞台であるネブラスカ州のオークランドは人口わずか1300人足らずの小さなコミュニティです。

ネブラスカのオークランドはその地にスウェーデンの総領事があることからアメリカとスウェーデンのきずなを繋ぐ役割を担い、ネブラスカのスウェーデンの首都 (Swedish Capital of Nebraska) とも呼ばれます。

1974年のほんの2ヶ月ほどの間、この小さなコミュニティが全米の注目を浴びることになります。

それは前触れもなく1974年の独立記念日 (7月4日) の未明に始まりました。

22エーカーの広い農場を持つ営む若き20代のデール・ジョーンズ (Dale Jones) さんとその妻リンダさんは今まで聞いたことのない奇妙な悲鳴によって目を覚ましました。

飼い犬のジャーマンシェパードも激しく吠えていました。

豚たちに何か起きたのだろうか?

ジョーンズ夫妻の農場には豚舎もあったからです。

未明ということもあり外はまだ薄暗かったためデールさんは懐中電灯を手に自宅近くの豚舎へと向かいました。

しかし、豚舎を一通り見て回りましたが特にこれといった異常は見つからなかったため自宅へと戻ろうと豚舎を出ました。

するとまたあの眠りを妨げた奇妙な悲鳴を耳にしたのです。

その音は豚舎から聞こえたものではありませんでした。

恐怖を感じたデールさんは駆け足で家へ戻るとバットを手にし再び外へと飛び出すと100メートルほど先に「人影」のようなものを目にしました。

「それ」は二本の足で立ち、ジョーンズ夫妻の家とは反対側に向かって走り去りました。

まだ薄暗かったためそれがなんであるかははっきりと確認することはできませんでした。
かのビッグフットか?

小さなコミュニティです、この怪物の噂は瞬く間に住民の間に広まりました。

誰一人として知らないものはなく、町は怪物の話でもちきりとなりました。

UMA史上、もっとも有名な動画のひとつ、ビッグフットの歩く姿を収めたパターソンフィルム (パターソン・ギムリン・フィルム) の発表(1967年)からそれほど時が経っていなかったのも原因のひとつでしょう。

(image credit by Wikicommons/Public Domain)

噂が広がると、数日で目撃者は爆発的に増えました。

オークランド・クリーチャーの体長は6フィート (1.8メートル) ほど、クマのような体つきだが頭部は類人猿に似ているといい、まさしくその姿はビッグフットでした。

あるティーンエイジャーのグループは真夜中に森に隣接する墓地で二足歩行する怪物に出くわし、持っていた爆竹に火をつけ怪物に投げつけ退散させました。

彼らが警察にそれを通報すると警察犬を連れた警察が動き出すまでとなりました。

しかしその年のオークランドの夏は酷い旱魃で、干上がった地面には足跡ひとつ見つけることができませんでした。

当時13歳だったニック・ウィックストロム (Nick Wickstrom) さんも朝刊の配達中に奇妙な悲鳴を聞いた一人です。

それだけでなく、後日彼は父と弟と車に乗っている際にも道を横切る見たことのない生物を目撃しました。

オークランド・クリーチャーに違いありません。

その噂は町を飛び出し、テレビ局や新聞社がこの小さな町に訪れるまでになりました。

目撃者の数は日増しに増えていきましたが捉えどころのないこの生物は神出鬼没であり捕まえることはおろか、その姿をはっきりと見た人もいませんでした。

そして夏が終わりを告げ9月に入るとその姿を見ることはなくなりました。

目撃されていたのは期間にして2ヶ月ほど、オークランドのビッグフットはその後2度とこの町に姿を現すことがありませんでした。

その正体はなんだったのか?

月並みに考えれば気紛れなアメリカグマ (アメリカクロクマ, Ursus americanus) が夏の間ちょっとばかりオークランドに立ち寄っただけの話だったかもしれません。

オポッサムだったのではという説もあります。

(キタオポッサム)
(image credit by Wikicommons)

オポッサムは北米に生息する有袋類でネコほどの大きさしかなく、最大種のキタオポッサム (Didelphis virginiana) の最大個体ですら5キロぐらいしかないため、ビッグフットと誤認することはないでしょう。

オポッサム説があるのは車の前を横切った謎の生物を家族3人で目撃したうちのひとり、ニック・ウィックストロムさんの発言からです。

新聞配達員をしていたニックさんはその後アメリカ海軍に入隊し、そして退役し現在に至ります。

半世紀近く前に目撃したオークランド・クリーチャーとの遭遇をこう回顧しています。

「少なくとも今までに出会ったことのない生き物でしたね。尾はなかったと思います。後肢はわたしたち人間の脚に似ていました。ですが、今考えるとそれはオポッサムだったかもしれません、とびきり大きなね。

ただ実際のところそれがなんであったか本当のところは分かりません。ご存じの通り、わたしは田舎の子供でしたから付近に生息する動物たちはみな知っていました。ですがそいつはどれにも当てはまらなかったんです」

(参照サイト)










 メキシコで謎の巨人が撮影される ~ ウアステカ・ポトシーナのジャイアント


 半人・半山羊のヒューマノイド ~ レイク・ワース・モンスター (ヤギ男)

■ ウェーンズバロの謎の足跡





2024年3月10日日曜日

コロンビアの川にイグアノドンが棲んでいるらしい ~ リオ・マグダレナ・モンスター


■コロンビアの川にイグアノドンが棲んでいるらしい ~ リオ・マグダレナ・モンスター

南米大陸は日本の面積のおよそ47倍、それに対して人口は日本の3.4倍しかありません。

世界的に見ても人口密度の上位にランクインする日本と比べるのもなんですが、まぁ日本と比べればスッカスカで未開な地域も多く今後もUMA目撃情報の期待のできる土地です。

さてそんな南米の中から今日はコロンビアのUMAを紹介しましょう。

現在でも超大型竜脚類の化石がぼっこぼっこ発掘される土地柄ということもあって、南米のUMAはやはり恐竜系が似合います。

但し、アフリカ大陸に次ぐ恐竜系UMAのメッカというものの、アフリカのそれのようにモケーレ・ムベンベ (「川の流れを堰き止めるもの」の意) やコンガマトー、ムビエル・ムビエル・ムビエル (「背中に板を生やした動物」の意) といった固有のニックネームで呼ばれることは少なく、単に「目撃された土地名 + モンスター」や「目撃された土地名 + 実在した恐竜名」といった味気ないものが多いです。

以前に紹介したボリビアのマディディ・モンスターなんかもそんな感じ。

さて今回紹介するリオ・マグダレナ・モンスター (Rio Magdalena Monster) は直訳すると「マグダレナ川の怪物」という意味で同じような命名法です。

その名の通りリバー・モンスターです。

マグダレナ川は全長1540キロメートル、その河口はカリブ海に注ぎます。

200種以上の魚が生息し豊富な水産資源を有するこの河は先住民族らに「魚の川」を意味する「アーリ (Arli)」と呼ばれます。

またマグダレナ川 ((Rio Magdalena) というスペイン語の呼び名は新約聖書に登場しイエスに付き添った「マグダラのマリア (Maria Magdalena)」に由来することから、この河が神聖視されていることが分かります。

この河でUMAが目撃されたのは1921年、100年以上前のことですね。

まず目撃された詳細な場所は分かっておらず、リオ・マグダレナ (マグダレナ川) の「どこか」ということです。

さらに目撃したのは「とある旅行者」でありその人物の名も分かっていません。

UMAという性質上、目撃情報が少ないのは珍しくありませんが、それを差し引いてもリオ・マグダレナ・モンスターの目撃証言は随分と心もないものです。

その匿名の目撃者によれば「怪物」はイグアノドン (Iguanodon) に似ていたといいます。

現在ほど恐竜の分類が進んでいなかった当時、恐竜の化石発掘の黎明期からもっとも有名な恐竜のひとつであったイグアノドンに似ているというのは単に「恐竜のような大きな生物」を目撃した、ぐらいの感覚と考えていいでしょう。

(19世紀に描かれたイグアノドンの復元図)
(image credit: Wikicommons/Public Domain)

というのもイグアノドンの発見当時の復元と現代の復元では大きく異なり、現代人が思い描くイグアノドンとは大きく異なるからです。

ではその正体はなんであるか考えてみましょう。

まずUMAファンとしての理想は大型恐竜サイズの未知の生物が生息していることです。

恐竜が生き残っているとは考えにくいですが未知の大型の哺乳類が生息ている可能性はゼロではありません。

では既知生物の誤認の可能性はどうでしょう?

イグアノドンの旧復元は現代のそれとは大きく異なり、大型の哺乳類然としたシルエットを持ちます。

目撃者が「旅行者」であることもポイントで、土着の人にはそこまで珍しくない、もしくは既知の生物であっても旅行者にとっては初めて出会う生物であったためイグアノドンと誤認した可能性もあります。

(現在のイグアノドンの復元図)
(image credit: Wikicommons)

現代であれば「カバ (Hippopotamus amphibius)」を誤認した可能性が考えられます。

カバはアフリカ大陸固有の生物でありもともと南米大陸には生息していませんが、現在では麻薬王パブロ・エミリオ・エスコバル (Pablo Emilio Escobar) の私設動物園から脱走したカバたちが野生化し繁殖を続けているからです。

しかも繁殖している先は今回話題にしているマグダレナ川というのも好都合、カバが生息しているはずもないこの河でカバに遭遇しようものならUMAと勘違いし「恐竜を目撃した!」と騒ぎ立てても決しておかしくはありません。

それではカバで決まり!といいたいところですが、このエスコバルのカバが南米に連れてこられたのは割と最近 (1980年代) であることから残念ながら (?) 今回は候補としては除外となります。

(メガネグマ)
(image credit by Wikicommons/Public Domain)

ということで既知動物の誤認候補としてはそのシルエットからメガネグマ (Tremarctos ornatus) を挙げておきましょう。

南米唯一のクマであり最大個体は2メートル超、200キロにも達し当時のイグアノドンの復元ともそこまでかけ離れた存在ではありません。




2023年8月6日日曜日

南極、ボストーク湖の巨大頭足類? ~ オーガニズム46ーB

(original image credit by Wikicommons)

■南極、ボストーク湖の巨大頭足類? ~ オーガニズム46ーB

さーて、お久しぶり。

南極にはとてつもなく超巨大な湖があります、ボストーク湖 (Lake Vostok) です。

世界最大 (表面積) の湖ランキングでぶっちぎりの大きさを誇るカスピ海はまあおいといて、2位以下の上位ほとんどは北米大陸かアフリカ大陸に集中しています。

そんな中、ひょっこりと16位に登場するのが前述の南極のボストーク湖です。

ちなみに表面積ではなく容積 (貯水量) となると6位まで上昇します。

さてこのボストーク湖、仮に南極に行く機会があったとしてもその壮大な景観を眺めることはできません、なにせ分厚い氷の下に存在する氷底湖 (ひょうていこ) ですから。

しかも南極ツアー観光用?に数メートル掘削した程度でお目にかかれるものではなく、地表から4000メートル近くも地下に存在します。

(ボストーク湖のイメージ)
(image credit by Wikicommons / Nicolle Rager(Public Domain))

ちなみに氷底湖自体はそれほど珍しいものではなく、現在まで400以上も発見されています。

尚、このボストーク (Vostok) という名は19世紀初頭、南極大陸を発見した候補のひとりとして名高いベリングスハウゼン (Fabian Gottlieb von Bellingshausen) が乗船していた軍艦の名前で、1957年、南極大陸に建設されたロシアの基地 (ボストーク基地) の名前でもあります。

そのボストーク基地のはるかはるか下に佇むのが巨大なボストーク湖というわけです。

さて巨大な湖には必ずUMAが棲んでいるもの、もはやUMA界では当然の話、それが南極のボストーク湖といえど例外ではないのです。

ロシアの国家的プロジェクトによる30年にわたる掘削の末、2012年2月5日、ついに人類はボストーク湖に到達したのです。

(ボストーク基地)
(image credit by Wikicommons)

人類初のボストーク湖調査隊メンバーのひとり、ロシアのアントン・パダルカ博士 (Dr. Anton Padalka) によれば、調査隊が湖に到着した初日に怪物と出会ったといいます。

怪物の名は仮名というかコードネームというかオーガニズム46-B (Organism 46-B) と呼ばれています。(ロシア名は不明)

ちなみにオーガニズムは単に「生命体」という意味です。

調査隊の人数等、詳細なことは分かっていませんが、最低でも3人以上であったことは分かっています。

調査隊のメンバーたちが湖に入りサンプルの採取や湖の地形等を調査している最中にオーガニズム46-Bは突如として現れたといいます。

その姿はイカに似ているともタコに似ているともいわれ、とにかく頭足類を彷彿とさせる姿をしていました。

推定体長は約10メートル、7対14本、頭足類だとすれば腕であり、そうでなければ触手といったところでしょうか、細長い鞭のような器官を多数備えていました。

博士らによれば、その怪物は非常に好戦的で大柄な体を利用した直接的な攻撃だけではなく、毒を噴射するという遠隔攻撃も可能で、ハイブリッドな攻撃方法を持ちあわせていました。

実際メンバーの一人は怪物との直接の接触なくして噴射された毒により体の自由を失い、オーガニズム46-Bの餌食となったといいます。

毒で麻痺したメンバーに怪物は近寄るとそのまま抱きかかえ腕で頭部をもぎ取り貪り喰ったといいます。

恐怖で呆然とする調査隊でしたが、我に返るや岸に向かって逃げ、途中追いつかれたメンバーは手持ちのナイフで怪物の腕の一部を切り落とし、その切り落とした腕を持って逃げ戻りました。

犠牲者をなんとか最少人数でとどめることができた、、、そう思っていたものの、その切断された腕は頭足類のそれのように本体から切り落とされた後も動き続け、それどころか夜間になってメンバーの一人を絞め殺したといいます。

ロシアは公式見解としてボストーク湖でなんら生物の捕獲もそれどころか発見もしていないとしているものの、実際はオーガニズム46-Bは捕獲され、地上に運ばれたと博士は語っています。

UMAにありがちな陰謀論でしょうか。

真相やいかに、、、

さてさて、まず、黒海の巨大シーサーペント然り、チェルノブイリ・マンモス・チキン然り、ロシア (特にソビエト時代) のUMAは出所不明の、というか、日本で創作されたのではないか?という疑いのあるものも少なくありません。

これももしかししてその類では、、、と思うかもしれませんがご安心を、日本のUMA本限定のものではなく (別にそれでもいいんですけどね) ちゃんと?海外発信のネタです。

ではオーガニズム46-Bを見てきましょう。

前述の通り、博士らの証言からイカやタコを彷彿とさせる巨大な頭足類の可能性が示唆されています。

体格的にはダイオウイカを上回ると名高い巨大なダイオウホウズキイカ (Mesonychoteuthis hamiltoni) が南極付近で捕獲された実績もあり、南極に巨大な頭足類が生息していても不思議ではない!

さらにボストーク湖は推定2500万年もの間、外界から閉ざされていたということもあり、独自の生物圏が形成されていてもこれまた不思議ではない!

そう思いたいところではありますが、、、

なにせオーガニズム46-Bが生息しているのは南極海ではなく、いくらボストーク湖が大きいとはいえ外界から閉ざされた氷底湖であり、しかも頭足類の進出が地球の歴史上いまだに観測されていない淡水という、既にその環境だけでダブルの強烈なハードルがあります。

(オーストラリアのマンモス・ケイブ内 (違うかも) にある地底湖)
(image credit by Wikicommons)

そして次に、みなさん、ボストーク湖を想像するに、洞窟内にある地底湖のようなドーム状に広がる景観を想像してしまうのではないでしょうか?

地底湖の湖畔を取り囲む岩石や鍾乳洞の代わりにボストーク湖の湖畔は氷が形作っている、、、

しかし、実際のところ4000メートルという「氷の地底」であることから光が差し込まないのはもとより、湖の表面そばまで氷が覆いつくし、ほとんど空間はありません。

思い描く普通の湖の上に4000メートルの分厚く巨大な氷を乗せ塞いでしまったのを想像していただければ分かり易いかもしれません。

地表から穴を掘って到達したにしても調査隊が降り立ちベースキャンプを張るスペースはもちろんなく、それに加え4000メートルという氷によりとてつもない圧力がかかっていることからボストーク湖の水温は水の凝固点を大きく下回るマイナス3~4度。(但し、この水温で凍らない説は高圧以外の説もあり)

4000メートルの「地下」に人類が潜り込むのが至難の業というだけでなく、足場すらないためキャンプ地の建設が必須です。

漆黒の闇で怪物の腕の数すら目視できたのですからかなり強烈なライトもキャンプにはあったに違いありません。

マイナス3度と圧力に耐えるウェットスーツは可能にしても、そのスーツを着用した状態で獰猛なオーガニズム46-Bから逃げられるほど俊敏に動き回れるものなのか?

そもそもそのスーツを着用している時点で水と直接触れるわけもなく、オーガニズム46-Bの遠隔毒噴射攻撃がスーツを貫通すること自体が???です。

とまあ南極系巨大頭足類はロマンあふれる素敵なUMAなのですが「博士」のストーリーは随所に怪しいことだらけ。

、、、実はフェイクと判明しているんですね。

こうなってくると、ボストーク湖に到達しているという掘削自体がウソじゃないの?みたいに思う人もいるかもしれませんが、これは本当、掘削は成功しておりその日付も前述のもので間違いありません。

但し、この記事を書いている時点で人類はボストーク湖に到達していません。

もしかすると未知のバクテリア程度なら生息しているかも、といわれていますが、こちらについてはまだまだ調査段階。

(ヨミノアシロ)
(image credit by Wikicommons)

ちなみに海ではありますが、現時点で最も深海に生息していると考えられている魚類は学名が「深海の小さな芽」を意味するアビソブラトゥラ・ガラテアエことヨミノアシロ (Abyssobrotula galatheae) で水深8370メートルで捕獲されたと言います。(確実ではない)

ボストーク湖にもバクテリア以上の大きな生物、それこそオーガニズム46-Bの縮小版のような頭足類が生息していることを期待してみましょう!