2020年8月9日日曜日

ブルーホールに生息するといわれる超巨大ダコ ~ ルスカ


■ブルーホールの超巨大ダコ ~ ルスカ

ブルーホール (Blue hole)。

文字通り上空から見ると海の中にぽっかりと「碧い穴」が空いているように見えます。

ブルーホールとはいわゆる海のシンクホールで、実際に浅瀬の底が抜けた状態になっており、周りの海よりも格段に深くそのようなコントラストを生み出します。

おそらくもっとも有名なブルーホールのひとつと考えられる、中米ベリーズのブルーホール、通称グレイト・ブルー・ホール (Great Blue Hole) は直径318メートル、深さが124メートルもあります。

(有名な中米ベリーズのグレイト・ブルー・ホール)
(image credit by U.S. Geological Survey/Wikimedia)

世界各地にあるブルーホールですが、その中には怪物が住んでいるかもしれない、といわれているものも存在します。

美しく神秘的であると同時に浅瀬にパックリと口を開けた大穴は不気味でもあり、ブルーホールの奥底には得体のしれない生物が生息しているかもしれいない、と人々が考えるのはむしろ自然なことかもしれません。

そしてその伝説の生物こそルスカ (Lusca) です。

ルスカはバハマのアンドロス島 (Andros Island) 沖のブルーホールに生息するといわれる海生のUMAで、一般的には巨大なタコと考えられています。

タコ以外にも巨大なイカといったものから、サメとタコのハイブリッドといった説も存在します。

いずれにしても頭足類が関与していることは間違いなさそうです。

タコとダンクルオステウス (Dunkleosteus) のハイブリッド・モンスターが暴れまわる「死神ジョーズ・戦慄の血しぶき (原題:Monster Shark)」のリメイク、「シャークトパス (Sharktopus)」ではモンスターがサメ (Shark) とタコ (Octopus) のハイブリッドに変更されており、もしかするとルスカの異説が元になっているかもしれません。

ちなみにシャークトパスはその後シャークトパスが翼竜 (Pterodactyl) とバラクーダ (Barracuda) のハイブリッド個体プテラクーダ (Pteracuda) と戦う「シャークトパス VS プテラクーダ (Sharktopus vs Pteracuda)」、シャチ (Killer whale) とオオカミ (Wolf) のハイブリッド個体ホエールウルフ (Whalewolf) と戦う「シャークトパス VS ホエールウルフ (Sharktopus vs Whalewolf)」という続編も作られています。

(シャークトパス/シャークトパス VS プテラクーダ)
(image credit by Left/Right/Wikimedia)

さてルスカの話しに戻りましょう。

上記の通り、ルスカの姿・正体はい諸説ありますが、ここでは一般的に浸透しているであろう、巨大タコ説で話を進めます。

ルスカの体長はとにかく大きく75~200フィート (約23~60メートル) といわれています。

60メートル説となると、タコどころか現世最大のシロナガスクジラですから遠く及ばず、さすがに大きすぎるので最小の (といっても巨大ですが) 23メートル説が限界でしょう。

それでは公式的に報告されているもっとも大きなタコはどれぐらいあるでしょう?

もっとも巨大なタコは日本では馴染みの深いミズダコ (Enteroctopus dofleini) で、腕を広げた大きさは3メートルから大きな個体では4メートル以上にもなります。

腕を広げた大きさのギネス記録は9.8メートル、136キロということですが、史上最重量のミズダコは腕お広げた大きさはそれより少し小さいものの2倍の体重である272キロもありました。

外套 (頭のように膨らんだ部分) が10メートルあるわけではありませんが、それでも腕を広げた大きさが10メートル弱もあり、体重も300キロ近くもあるのですからルスカの正体としてはミズダコ説はやはり最右翼といえます。

ただし、グロブスター (砂浜などに打ち上げられた謎の死骸) の一部に腐敗の過程で頭足類の触腕を思わせる形状やタコの外套を彷彿とさせる形状に変化するものも多く存在するため、そのことが巨大タコ説を生み出している可能性も否定はできません。

また巨大イカ (ダイオウイカダイオウホウズキイカ) 説も有力と言えます。

サメとタコのハイブリッド、というのは単にイカの外套部分 (筒状の体の部位) をサメの体と誤認して「サメの体にタコの足が生えている」といっている可能性があるからです。

なお2011年、グランド・バハマ島 (Grand Bahama) に漂着した謎の生物の死骸はルスカではないかと評判になりました。

(グランド・バハマ島のグロブスター)
(image credit by Amino)

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