2022年8月18日木曜日

深海に眠る30メートルの巨大な骨格の正体は? ~ ウォーター・ドラゴン

(image credit by BBR Investigations)

■深海に眠る30メートルの巨大な骨格の正体は?~ウォーター・ドラゴン

(動画は本文最後にあります)

水深835.5メートル、地中海の底に静かに眠る巨大な脊椎。

2017年、ROV (遠隔操作型無人探査機) にて石油や天然ガス、メタンハイドレート等の深海資源探査の際、たまたま撮影されたといわれているものです。

頭骨が見当たりませんが、これだけで全長30メートル、現生というか史上最大の海洋生物、シロナガスクジラの最大サイズレベルの大きさです。

この動画をアップしたのはオカルト調査系サイト、BBRインベスティゲーションズ (BBR Investigations) の管理人、デボラ・ハッツウェル (Deborah Hatswell) さんによるもので、深海探査を行っている匿名の男性から動画を受け取ったと語っています。

デボラさんによれば、この動画を送ってくれた男性は海洋生物にも精通しており、彼がこの骨はクジラのものではないことを示唆していると語っています。

その理由は2つあり、ひとつはクジラであれば大きな頭骨が近くにあるはずですが見当たらないこと、そしてもうひとつはクジラの脊椎は120度ずつ三方に骨が突出していますが、このビデオに映っている脊椎は二方向への突起しか見られないからとの主張です。

(ザトウクジラの骨格)
(image credit by Wikicommons)

また、この骨の年代に関しても言及しており、いくつものアンフォラ (古代の陶器の一種) がこの脊椎の近くの海底から突き出ているのが確認できたため、この骨はかなり古い、おそらくは1000年かそこらは経っていると推測しています。

つまり?

頭部を含めずして30メートルもある体長、脊椎の形状から少なくとも現生のクジラではなく、おそらくはクジラではない、、、クジラだとしても絶滅種の可能性が高く、それどころか、これは伝説のウォーター・ドラゴンシーサーペントネッシーのような生物の骨格の可能性がある?と、大きく飛躍するものの、夢のある主張です。

地球の歴史からみれば、1000年という期間も一瞬ですが、人間が本格的に活動を始めてからのここ1000年は地球環境を激変させるほどで、特に多くの生物たちの絶滅に直接的・間接的に関与しています。

そういうわけでたった1000年前といえど、絶滅種の可能性は否定できません。

ロマンがありますねぇ。

、、、が、しかし、そもそも本当に30メートルあるのでしょうか!?

(image credit by BBR Investigations)

脊椎の突起については、脊椎の一部をROVのアームを使って回収しようと触れただけで脆くも崩れ去ってしまうことから、おそらく突起のようなデリケートな構造は形を保つことはできず、原形をとどめていない可能性があります。

仮にこれがクジラのものだったとして、脊椎の突起は120度ずつ等間隔で突出するため、2枚の突起の痕跡らしきものは上方から確認できることから、もう1枚は海底に突き刺さっている (海底に向いている) 可能性が高いように思われます。(つまり仰向けで海底に沈んだということ)

(マッコウクジラの骨格)
(image credit by Wikicommons)

(マッコウクジラの生前の姿と骨格がかけ離れていることがわかります)
(image credit by Wikicommons)

推定年数の割り出し方もかなりいい加減な感じですが、触れただけで崩れることからそれなりには時間は経過していそうです。

ただ、クジラの死骸は肉や脂質はおそくとも2年以内に食いつくされるものの、バクテリア等によって骨まですっかり分解され消失するには数十年もかかるともいわれており、この骨はその段階の後期にあるだけかもしれません。

回収して調べない限り詳細は分かりませんが、分からないからこそ良いこともあり、この骨は不思議好きの人々の夢と共に深海にそっと寝かせておくのが良さそうです。


(参照サイト)

(参照サイト)











2 件のコメント:

  1. 肩甲骨ぽいものも見えますから、ナムさんの見立て通りに思えますね。

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  2. コメントありがとうございます。
    これだけだと何とも言えませんよね。硬骨と異なり軟骨ははるかに脆いので、サメの骨じゃないの?という意見も多いようです。
    そういうわけで、考え方は人それぞれ、断定的に書くと悪いので今回は敢えて明示的に自分の考えを書きませんでした。

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