■不老不死へのキー・パーソン ~ カエノラブディティス・エレガンス
「きみ何歳?へぇ~まだ150歳なの、若いね」
人類が夢見る不老不死。
不死は無理にしても著しく老化を遅らせることは可能かもしれません。
そのキーを握るのは体長1ミリのワーム状生物 (センチュウ)、カエノラブディティス・エレガンス (Caenorhabditis elegans)、通称C.エレガンス。
人間とは見た目も大きさもかけ離れた存在ですが、共通祖先を持ち、多くの遺伝子を共有しているといわれています。
このC.エレガンスのインスリン/IGF-1シグナル伝達 (IIS) 経路、そしてTOR経路の変更を行うことにより、寿命をそれぞれ100%、30%増加させることに成功しています。
生身のC.エレガンスの寿命は3週間 (~4週間) 程度であるため、IIS経路の変更で6週間以上、TOR経路の変更で4週間以上の寿命の延長が期待できます。
そこでIIS経路とTOR経路の同時手術を行うことにより130% (100%+30%) アップ、つまり寿命7~8週間に延びることを期待したところ、期待を遥かに上回る14週間以上も生存しました、つまり500%近くアップです。
予想だにしなかった相乗効果です。
人間に当てはめれば寿命400~500歳に相当しますが、もちろん同様の操作を行ったところで人間がセンチュウのように長命になるわけはありません、しかし、このちっぽけに見える生物が不老長寿の秘訣を握っていることは確か。
いずれ研究が進めば現在よりも遥かに長い寿命を手に入れる日が来るかもしれません。
で、仮に現在の平均年齢を80歳として本当に400歳に寿命が延びたとしたら?
それは天国でしょうか、それとも地獄でしょうか?
仮に現在20歳から60歳までを働ける期間と考えると就業できる期間は人生の50%。
寿命400年でも成人するまでの期間はおそらく変わらないと思われるため、20歳から仕事をスタートと仮定してみましょう。
問題は、どこまで老け込まずに若年者同様働けるか?
仮に380歳まで働けたら人生の90%を就業期間に当てられます。300歳までだとしても70%、現在よりも高齢者を支える就労者の負担が格段に軽減される可能性があります。
しかし奇跡が起き、人生400年の時代でも現在と同じ60歳で老け込み、その後340年間は隠居生活を余儀なくされるとしたら?
就業できる期間は人生のわずか10%、世界は確実に滅亡するでしょう。
(参照サイト)
Daily Mail
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