■象以外はなんでも捕食、ジャングルのセイウチ ~ ディンゴネク
今日は東アフリカに生息するといわれる奇妙なUMAディンゴネク (Dingonek) です。
ディンゴネクは巨大かつ凶暴でゾウを除くすべての動物を襲うといわれています。
このUMAを西側諸国で初めて目撃した人物は極めて評判の悪い象牙の密売商人、ジョン・アルフレッド・ジョーダン (John Alfred Jordan) 氏と言われています。
彼の目撃談を聞いたビッグ・ゲーム・ハンター (猛獣ハンター) で後に小説家となったエドガー ビーチャー ブロンソン (Edgar Beecher Bronson) 氏の著書によりディンゴネクは広く知れ渡ることになりました。
目撃したのは1907年、それは部下を引き連れミゴリ川 (Migori River) へ向かっているときのことでした。
先に川に到着した部下たちが血相を変え戻ってくると川岸で「ウミヘビ、ヒョウ、クジラを掛け合わせたような恐ろしく奇妙な生物」に出くわしたというのです。
ジョーダン氏はそんな話は信じず、そのまま川へ向かいましたがそこで信じられない光景を目にすることになります。
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「わたしは細心の注意を払いながら近寄り、その動物の方を一瞥しました、わたしから30フィート (約9メートル) ほど先の川のど真ん中にその巨大な怪物はいました。
わたしは数分の間、注意深く観察したので、どのような生物であったか説明しましょう。
体長は15~18フィート (約4.5~5.4メートル)、頭部はカワウソに似ており、上顎から2本の大きな牙が、それはちょうどセイウチのようでした。
この奇妙な怪物はカバほどの体幅を持ち、アルマジロのような鱗で覆われいたのですが、鱗に反射した光でヒョウのようにも見えました。
また幅広の尾は力強く、川の非常に速い流れの中でもその場にとどまったり、上流に向かって泳ぐのに役立っているのは明らかでした。
その時の私の感覚を表現するのはちょっと難しいです。
ある種、畏怖の念すら抱き始めていました。全く見たことも聞いたこともない未知の生物がわたしの眼前にいるのですから。
しかし、突如ヤツを自分のものしたいという衝動に駆られたのです。
わたしは所持していた303口径のライフルの照準をヤツの頭に慎重に合わせ、そして引き金を引きました。
しかし予想外のことが起こったのです。
ヤツはわたしの方を振り向くと10~12フィート (約3~3.6メートル) 川岸に向かって飛び上がったように見えました。
何が眼前で起きているのか理解できず、無我夢中でわたしは土手をよじ登りました」
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この動物の存在を信じるか否かはジョーダン氏の目撃談を信じるか否か、それだけです。
ブロンソン氏は彼の「ほら吹き」という悪評を知っており、この突拍子もない目撃談を訝 (いぶか) しみ初めは真に受けていなかったようです。
しかし、ブロンソン氏もビッグ・ゲーム・ハンターであり、この謎の巨大生物に興味がなかったといったらウソになるでしょう。
彼は独自に地元住民に聞き込みをした結果、ジョーダン氏の目撃談に登場する怪物と概ね変わらない生物が実在している、という結論に至りました。
しかし、、、現在のところディンゴネクの新たな情報はほとんど目にすることはありません。
絶滅してしまった?
それとも完全なフィクション?
絶滅したかどうかは分かりませんが、ブロンソン氏が全く話をでっちあげたわけでもないような気がします。
(オオセンザンコウ)
(image credit by Wikicommons)
その怪物の見た目の特徴から、いやがうえにもオオセンザンコウ (Smutsia gigantea) が思い浮かびます。
オオセンザンコウは、中央・西アフリカに生息する現世種最大のセンザンコウで最大体長2メートル、体重33キロに達します。
東アフリカではまず目にすることはなく、現地住民たちもオオセンザンコウの噂を伝言ゲームするうちに実像から徐々に離れていき、ブロンソン氏の耳に入った時には原形がなくなっていた可能性があります。
さらにほら吹きで有名なブロンソン氏がとどめのトッピングを加え、とんでもない怪物が誕生したというわけです。
但し、多かれ少なかれセンザンコウが関与していることは間違いないですが、それが未発見の巨大センザンコウである可能性も捨てきれません。
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