アメリカの主に南西部の砂漠地帯に生息するといわれる謎の生物カクタス・キャット (cactus cat)。
直訳すれば「サボテン猫」であり、その姿を簡単に表現すれば「サボテンのような棘状の毛皮をしたネコ科動物」です。
奇妙な尾も特徴のひとつで植物の茎のようにいくつかに枝分かれしており、尾から伸びる棘はとりわけ長いといわれています。
このカクタスキャット、未確認動物でありながら、どうやってそんなこと調べ上げたんだというぐらいその生態は事細かく伝えられます。
体長は60~120センチ、名前の由来ともなるサボテンのような棘を全身に生やします。
冒頭の通り砂漠に生息するため、高温になる日中は鋭い鉤爪で巨大なサボテンを切り裂きその中に身を隠します。
夜行性で主食はサボテンにつく昆虫やサボテンの樹液、明け方まで奇妙な声で鳴き続けるといわれています。
繁殖シーズンともなるとオスは10メートル以上に成長する巨大なサボテン、ベンケイチュウ (Carnegiea gigantea) の表面を傷つけ、分泌される香りでメスを誘引します。
ときに複数のメスが集まると、一匹のオスをめぐりメス同士が激しい闘いにまで発展します。
オスは勝利したメスと一生涯パートナー関係を築きます。
寿命は20~30年。
日中はサボテンの中に身を隠している上、サボテンから流れ出る発酵した分泌物を舐めていることから酩酊状態でいることも多くそれほど危険な存在ではありません。
ただし、縄張り内への侵入者には容赦なく、それが人間であれ攻撃を仕掛けてくるときもあるといいます。
いかがでしょう?
中には体色は全身グリーン、光合成をする等々、無茶な特徴が混ざっている場合もありますが、概ね上記のようなものが多くのサイトで語られるスタンダードなカクタス・キャットの特徴です。
カクタス・キャットは19世紀から知られる古い未確認生物ですが、おそらく未開発の地域へ開拓で乗り込んだ入植者たちが見慣れない動物を怪物化させてしまったものと考えるのが合理的です。
もっとも有力なものはボブキャット (Lynx rufus) 。
もともとカクタス・キャットのシルエットはボブキャットに似ていると言われていますが、似ているのではなくボブキャットそのものなのではないかという説です。
ボブキャットは太く短い尾 (いわゆるボブ) が特徴のネコ科動物で、砂漠にも生息し、夜行性であり小動物や昆虫を食べる等、カクタス・キャットの特徴のいくつかを備えています。
大柄なものでは体長1メートルに達し、その大きさも合致します。
おそらくこれにヤマアラシの棘、ピューマ等の鳴き声等、カクタス・キャットは複数の動物のハイブリッド化によって創り上げられてのではないかと考えられています。
素朴で古き良き時代のUMAといった感じですね。
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