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2019年9月30日月曜日

超巨大海生生物の咆哮 ~ ザ・ブループ

(original image by anomalien.com)

■超巨大海洋生物の謎の咆哮 ~ ザ・ブループ

今回はブループ・モンスター (Bloop monster)、通称ブループ

現在、地球上で確認されている最大の生物はシロナガスクジラ (Balaenoptera musculus) で、その体長は最大クラスの個体だと全長30メートルを優に超えることが知られています。

しかし、そのシロナガスクジラすら「前座」に思わせてしまう得体の知れない存在が、1990年代後半に太平洋の深海で検出された「ブループ」と呼ばれる正体不明の音波現象です。

観測された「何か」は、シロナガスクジラの鳴き声よりもはるかに強大な音圧を持ち、しかも自然界の既知生物では説明がつかない周波数帯を示していました。

そのスケールは、理論上「シロナガスクジラを超えるサイズの生物」の存在を示唆するとされ、いつしかブループは「海の底に潜む超巨大生命体」として語られるようになったのです。

― 「ブループ」と一体何ものなのか? ―


はじめに断っておくと、「ブループ」という名称は、特定のUMA (未確認動物 / Unidentified Mysterious Animals) そのものを指す言葉ではありません。

正確には「正体不明の超低周波音」に付けられた呼び名であり、いわばUMAならぬUMS (Unidentified Mysterious Sound)、すなわち「未確認謎音」とでも言うべき存在です。

さてこのブループですが、1997年、アメリカ海洋大気庁 (National Oceanic and Atmospheric Administration / NOAA) の海洋監視システムによって偶然キャッチされた、非常に強力で不可解な音でした。

その音圧は既知の海洋生物の鳴音をはるかに上回り、録音機器のノイズでは説明できないほど明瞭な特徴を持っていました。

音の発生源とされる地点は南太平洋。

ただし、正確な座標は海中の複雑な反響によって特定が難しく、地図上では広大な「海の空白地帯」を指すにとどまっています。

― なぜ生物説が有力なのか ―


で、この謎の音がなぜ「謎のシーモンスター」と関係づけられるのかというと、ブループは自然現象や人工物に由来するいかなる既知の音にも当てはまらないからです。

それだけではありません。
ブループは「ただの謎の音」というだけでなく、動物由来の音に似た特徴を持っているという見解が当時の分析で示されました。

その理由として挙げられたのが――
「周波数が急激に変化する」という、生物の鳴音に特有のパターンです。

地球上最大の動物であるシロナガスクジラは、非常に強力な低周波音を発するといわれていますが、ブループはそのシロナガスクジラの音圧すら「上回るほど強い」というのです。

そして、もしこの音が本当に生物由来であるなら、その生物の推定サイズは 215メートル級になるという試算が紹介されました。

この推定値こそが、謎のサウンド「ブループ」を発した未知の巨大生物を
「ブループ・モンスター」
「ブループ・ビースト」
などと呼ばせる理由になっているのです。

― 謎の音から存在を推測するUMA ―


通常、UMAはそれが見間違いだろうと何だろうと、ほとんどの場合は「目撃情報」からその存在が知られることになります。

しかしブループは「謎の音」から存在を推測された、きわめて珍しいケースです。

未知の巨大生物の正体といえば、絶滅巨大生物の生き残り説が定番ですが、少なくとも現時点で、地球誕生以来シロナガスクジラより巨大な生物が確認されたことはありません。

つまり、絶滅種であっても該当する生物は存在しないということになります。

体長215メートルという推定は、さすがに「ない」と考えるのが妥当でしょう。
ただし――もしシロナガスクジラより巨大な生物が実在し、しかも人類がまだ発見できていないとしたら……。

ブループ・サウンドは、そんな「夢」を感じさせるエピソードでもあるのです。

― 巨大生物のイメージと発生源説 ―

ブループ・モンスターは、シロナガスクジラを筆頭に、絶滅種も含めた海生の巨大生物に濾過摂食者 (ろかせっしょくしゃ) が多いことから、そのような姿で描かれる傾向があります。

さて当初、ブループ・サウンドの発生源として有力視されていた候補の一つが「南極の氷の崩落音」でした。

しかし、ブループには自然現象よりも生物が発している可能性のほうが高いという見解があったこと、そして「巨大生物が発している音」という説のほうがあまりにもセンセーショナルで魅力的だったことが重なり、いつしか氷の崩落音説は忘れ去られた存在となっていきました。

― 現在も未解明の謎 ―


そして現在でも音の正体は完全には突き止められていませんが、ブループの正体はやっぱり南極の氷の崩落音ぐらいしか可能性はないのでは、という気もします。。

しかし、もし本当に巨大な未知生物が存在し、ブループのような音を発していたのだとしたら――想像するだけで海の神秘を感じずにはいられません。

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