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2024年5月2日木曜日

東京発のUMA、水元公園の怪物 ~ ミッシー


■水元公園の怪物 ~ ミッシー

2024年に入った現在でも海外では何度もオジャッシー (Ojassie) がニュースに取り上げられています。

いい加減記憶しろよ、といいたくなる程毎年何度も「ゼリー状の謎の生物」「エイリアンの卵発見」等、刺激的なタイトルで紙面を賑わせます。

日本では雄蛇ヶ池 (おじゃがいけ) で大繁殖したことからUMAとして扱われオジャッシーなるニックネームも付けられましたが、正体はオオマリコケムシ (Pectinatella magnifica)。

実際ブヨブヨして見た目が気持ち悪いので記事にすればそれなりに集客が見込めるのでしょう。

さて上記の通り日本では水棲の未確認生物が目撃されるとネッシー風に「〇〇シー」とニックネームを付けられる傾向があります。

今回はオジャッシー同様、「シー」がついているからUMA扱いされている「可能性」のあるミッシー (Missie) を紹介します。

あくまで可能性ですから可能性、UMAじゃない、とは言い切ってません。

ミッシーを見ていきましょう。

ミッシーは東京葛飾区の水元公園に棲息しているといわれる水棲UMAです。

体長は小さく30センチほど、その姿はクロっぽいネズミに似ているといいます。

陸に上がることもあるものの基本は水棲で、夜行性のためあまり人目にはつかないといわれています。

、、、

それはただのマスクラット (Ondatra zibethicus) では?と思ったあなた、、、

否定はしません。

ミッシーは水元公園に目撃される以前は千葉の市川市で目撃されていたといわれていますが、いずれの水域でもマスクラットの生息が確認されており、体長、見た目、習性すべてがミッシーと一致しています。

マスクラットは北米原産の大型の半水棲齧歯類で毛皮目的で世界中に移入されており、日本もその一つです。

体長は最大で35センチほど、尾は太く長く、全長で70センチを超す場合があります。

外来種かつ害獣 (特定外来生物) 指定され駆除の対象となっておりますが現在はそれほど多く生息していないようです。

ミッシーはただのマスクラットかよ!と悲しむことはありません。

ミッシーがUMAとして騒がれたころ、陸に上がったミッシーの姿を目撃した人によればそれは決して哺乳類ではなく確実に爬虫類であり、その体長は3メートルもあった、というものがあるからです。



スクラップ工場で巨大トカゲの卵が孵化? ~ ミルトン・リザード


■スクラップ工場で巨大トカゲの卵が孵化? ~ ミルトンリザード

1975年7月、アメリカ、ケンタッキー州のミルトン (Milton) 近郊のカニップ・クリークで巨大なトカゲが目撃されたという都市伝説があります。

目撃したのは兄クラレンス・ケーブル (Clarence Cable) さんと弟のギャレット (Garrett) さんのケーブル兄弟によるものです。

初めに目撃したのは兄のクラレンスさん、自身が経営する車の解体場を見回りしているときに巨大な生物と遭遇しました。

その怪物はオオトカゲに似ていたことから後にミルトン・リザード (「ミルトンのトカゲ」, Milton lizard) と呼ばれるようになります。

体長は15フィート (約4.5メートル) ほど、体の一部に白と黒のストライプ模様と斑紋があり、口の下側が白っぽかったということから腹部全体が淡色系の配色だった可能性があります。

クラレンスさんに気付いたミルトン・リザードは威嚇するかのようにシューシューと音を立てたといいます。

(アメリカワニ / Crocodylus acutus)
(image credit by Wikicommons)

それから2~3週間ほど音沙汰はなくオオトカゲのことも忘れかけていた同月27日のこと、その怪物は再び現れました。

この時目撃したのは弟のギャレットさん、解体場を歩いているとスクラップされた車が揺れ動いていることに気付きました。

車が、それもスクラップされた車が動くはずがありません、驚いたギャレットさんがその車を凝視すると、スクラップの隙間から大きなトカゲが這い出てきました。

それは以前、兄の見たものと同じミルトン・リザードでした。

ギャレットさんはその場を離れ、銃を持って急いで戻りましたが既にトカゲの姿はありませんでした。

しかし翌日、ギャレットさんは再びミルトン・リザードに遭遇、ミルトン・リザードは威嚇しながらも解体場に隣接する林へと逃げました。

ギャレットさんは携帯していたライフルで藪に向かって発砲しましたが当たらなかったようです。

ミルトン・リザードの正体は?

兄のクラレンスさんは西部から運ばれた廃車の中にオオトカゲの卵が紛れ込んでおり、解体場の熱で孵化したものと推測しました。

面白い推測ですがあまりありそうにもありません。

そもそも日本と比べると巨大な生物が多く生息する北米ですが、トカゲに限っていえば大したことがありません。

(ヒラ・モンスター / Heloderma suspectum)
(image credit by Wikicommons)

北米最大のトカゲはヒラ・モンスター (Gila monster) ことアメリカドクトカゲ (Heloderma suspectum) で最大個体で22インチ (56センチメートル)。

巨大オオトカゲランキングのトップ勢はすべてオオトカゲ属 (Varanus) で占められており、ヒラ・モンスター勢のドクトカゲ属 (Heloderma) が入る余地はありません。

ちなみに巨大 (重量) なトカゲのランキングトップはご存じコモドドラゴンことコモドオオトカゲ (Varanus komodoensis)、以下ミズオオトカゲ (Varanus salvator)、ハナブトオオトカゲ (Varanus salvadorii)、ナイルオオトカゲ (Varanus niloticus)、ペレンティーオオトカゲ(Varanus giganteus)、、、といった感じで前述の通りオオトカゲ属が独占します。

単に体長だけでいえばほっそりとはしているものの尾の長いミズオオトカゲがコモドオオトカゲを上回る場合もあります。

さてアメリカ代表のヒラ・モンスター、個体差はあるもののクラレンスさんが語るミルトン・リザードの配色はかなり似ています。

但し大きさ的にどう転んでもミルトン・リザードの正体とは考えづらいところです。

ケーブル兄弟が見たものが本当にトカゲであったとすれば間違いなく新種確定です。

アメリカに生息する既知生物であれば生息域から外れるうえ、解体場に棲むとは到底考えられませんが最大体長20フィート (約6メートル) を突破するアメリカワニ (Crocodylus acutus) ぐらいでしょうか。

ミルトン・リザードはタイプ的にウイリアムズ・レイクの怪物とかなり似ているため、そちらもご参照ください。








2024年5月1日水曜日

パタゴニアン・ネッシー ~ ナウエリート (ナウエリト)


■パタゴニアン・ネッシー ~ ナウエリート (ナウエリト)

後回しになっていた王道系UMAの紹介もこれからしていきますね。

今回はナウエリート。

南米でもっとも有名なレイク・モンスターといえばナウエリート (ナウエリト, Nahuelito) で決まりでしょう。

ナウエリートはパタゴニア (南米大陸南部のコロラド川以南の地域) のナウエル・ウアピ湖 (Nahuel Huapi Lake / Lago Nahuel Huapi) に棲息するといわれるレイク・モンスターです。

ナウエル・ウアピ湖はその外周が複雑に入り組んだ氷河湖で、またその端々に伸びた外周が川を経由し近隣の小さな湖と繋がっているため非常に形容しがたい形状をしています。

またナウエル・ウアピ湖の中央にはビクトリア島 (Victoria Island) とウエムル島 (Huemul Island) というふたつの大きな島もあり、上空から見るとさらにその形状が捕らえづらい複雑なものとなっています。


さてこの湖の名前はマプチェ語でナウエル (nahuel) が「ピューマ」を、ウアピ (huapi) が「島」を意味するといわれ「ピューマの島」と訳されます。

ピューマ (Puma concolor) は南米全土に生息しており、この土地ではそれほど珍しい動物でありませんが、このナウエルはただのピューマではなく、魔術によってピューマに姿を変えられた人間を意味するもといわれ、おそらくこの湖の名は民間伝承によるバックグラウンドに由来しているのでしょう。

それではナウエリートを見ていきましょう。

前述の通り、湖の名であるナウエルがピューマを意味する以上、ナウエリートという名も「ピューマのような生物」を意味してますが、これはたんに湖の名から命名されたUMAの名前でありピューマとは無関係です。

その姿は長い首を持つ典型的なネッシータイプのレイク・モンスターで、中にはヘビのように細長い体をもつという目撃情報もあります。


その姿からパタゴニアン・ネッシー (Patagonian Nessie) やアルゼンチナ・チャンプ (Argentina's Champ) と呼ばれることもあります。(※チャンプは北米を代表するネッシータイプのレイクモンスター)

目撃は20世初頭 (1922年) から始まりますが、ナウエリトの存在自体はヨーロッパ移民たちが訪れるずっと前の先住民族の時代からあり、数百年の歴史があります。

世界最大級の巨大な竜脚類の化石がぼっこぼっこ発掘されるパタゴニアですから、かつて未開のアフリカ地域には恐竜のようなUMAが棲息しているのでは?と期待さていたのと同様、このパタゴニアの湖も未知の巨大生物が棲息しているのではないかとかなりの期待を寄せられました。

科学的にその存在を確かめようと訪れる人もいれば、ナウエリートを殺して名をあげようとするトロフィーハンターたちも湖に集結しましたが、運よく (?) 逃げおおせているようです。

ナウエリートは珍しく数多くの写真が撮影されているのもその一つの特徴ですが、残念ながらすべて加工された画像、つまりフェイクと判明しています。

さてUMAナウエリートとは特に関係ありませんが、面白い逸話があります。

1945年4月30日、恋人にして妻 (4月29日に結婚) であったエヴァ・ブラウン (Eva Braun) と共に自死を選択したアドルフ・ヒトラー (Adolf Hitler) は、その後すぐに焼却処分されたことでその遺体は本当にヒトラー自身のものなのか疑うものも少なくありませんでした。

つまり自殺に見せかけた替え玉を使ったトリックで本物のヒトラーは逃亡したに違いない、という陰謀論です。

クラシックなオカルト系の本でもこの説は定番のひとつですし、死の直前に実は自分の正体はヒトラーだと言って亡くなる人物も何人もいたためそれなりに人気のある陰謀論です。

それの真偽は別として、このナウエル・ウアピ湖の北西の湖畔にはイナルコ・ハウス (Inalco House) と呼ばれる邸宅があり、ヒトラーとエヴァがベルリンを脱出しここで余生を過ごしたなんていわれています。