■ザンビアの巨大水棲トカゲ ~ ンサンガ
今回はンサンガ (Nsanga)。
「ン」で始まっていることから分かる通りアフリカ大陸のUMAです。
ムワニ語で「砂 (sand)」を意味するようですが真逆の水棲UMAです。
ンサンガはアフリカ南部のザンビア共和国で目撃されたUMAですが、不思議なことにいくつかの国を挟んで東アフリカの南スーダン共和国でも棲息していると考えられています。
ンサンガは前述の通り水棲で爬虫類の特徴を備えており、その中でも特にオオトカゲに似ているといいます。
水棲のオオトカゲ?それはただのワニを見間違えたのではないかとみなさん思うでしょう、しかし目撃者によればンサンガはワニとは明らかに異なる生物だといいます。
確かにンサンガはワニとシルエットが似ているものの、顕著な違いがあり、それはンサンガの皮膚がワニのそれとは違い凹凸の少なくすべすべだからです。
ンサンガがはじめて西側に知られたのはドイツ軍人フリードリヒ・パウル・グレーツ (Friedrich Paul Graetz) 中尉が、1909年ザンビアのバングウェウル湿地に3ヶ月ほど滞在した際に地元住民からンサンガの存在を聞き、それを広めたことによります。
バングウェウル湿地 (Bangweulu Wetlands) はバングウェウル湖 (Bangweulu) 周辺の広大な湿地帯を指し、かの有名なUMA、モケーレ・ムベンベも目撃されたことがあります。
先住民たちはンサンガが非常に危険な動物であり恐れていたといいます。
しかしグレーツ中尉はンサンガの姿を実際には見ておらず、あくまでその噂を聞いたにとどまりますが「ンサンガの皮」なるものを手に入れたといわれています。
さてこのンサンガ、湿地帯に生息するものの半水棲というよりは完全に水中に適応しており、陸に上がることはないといいます。
ンサンガの目撃の回数が少ないことから、完全に水棲の生物であるかどうかは判断が難しいところです。
やはりワニも含めて検討すべきでしょう。
となるとやはりナイルワニ (Crocodylus niloticus) はその正体として外せません。
(ナイルワニ)
(original image credit by Wikicommons)
やはり今回もナイルワニが正体の筆頭候補か~、と思ってしまいます。
しかし今回はナイルワニではない可能性が高いです。
というのも「ンサンガ」という単語は現生の既知の魚類であるムベンガ (Hydrocynus goliath) のことを地元住民は指す言葉だというのです。
ムベンガとは英名ゴライアス・タイガーフィッシュ (goliath tigerfish) として知られる巨大肉食魚でUMAのンサンガと生息域も一致します。
ゴライアス・タイガーフィッシュを知らない人がこの魚を見て稀にUMA騒ぎを起こすことがあります。
(ムベンガことゴライアス・タイガーフィッシュ)
(image credit by Wikicommons)
物々しい英名でも想像できる通り、獰猛で一度獲物に噛みついたら離さないその尖った歯は最大2.5センチにもなるといいます。
成魚は平均で5フィート (約1.5メートル)、110ポンド (約50キロ) に成長し、最大個体6フィート弱 (約170センチ超)、154ポンド (約75キロ) の記録があります。
非公式の怪しい記録であれば体長7フィート弱 (約2メートル超)、254ポンド (約115キロ) というのがあります。
まあとにかく巨大かつ危険な魚であり、川に入った地元住民がこの魚に襲撃されたという逸話は数多く存在します。
水棲・半水棲の爬虫類と巨大魚では随分と違いますが、水から出てこないという習性、そして凶暴、またムベンガという単語がゴライアス・タイガーフィッシュを指すことから正体はこの魚であることは十分考えられます。
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