■エクアドルで発見された謎の剥製 ~ マカス・ママル
今回は謎の剥製、マカス・ママル (Macas mammal)。
マカスはエクアドルの都市の名前で、ママルとは英語で「哺乳類」のこと、すなわち「マカスの哺乳類」という意味です。
この剥製はスペインの未確認動物学者アンヘル・モラント・フォレース (Angel Morant Forés) さんが1999年、エクアドルのマカスに滞在時、土産物屋に飾ってあったのを発見したものです。
ちなみにフォレースさんはスペイン人ながらエクアドルに特化した未確認動物学者で、エクアドルの数多くの未確認動物を発表しています。
さてこの剥製、とっても欲しくなりましたがこれを母国 (スペイン) に持ち込むことができるか確信できなかったため、フォレースさんは土産物店で入念に観察させてもらい、写真も撮影し帰ってきました。
(実際のマカス・ママルの写真)
(image credit by Angel Morant Fores)
「マカスの標本の体長は35~40センチ、鼻先に口吻を持ち、足には水かきがあります。
マカスの標本が "Chironectes minimus (ミズオポッサム)" でないことは、ミズオポッサムのオス・メスの両性に育児嚢 (いくじのう) があるのに対し、この標本には育児嚢がないことで判断できます。
あらに言えば、マカスの標本は南米の知られているすべての有袋類と異なる特徴を持ちます、というのもマカスの標本は前肢に水かきをもちますが、ヤポック (ミズオポッサムの地元での呼称) は後肢にのみ水かきをもちます。
マカスの標本は齧歯類でないことは、齧歯類は口吻を持たないことで判別できます。
食虫類 (insectivore) でしょうか?そうですね、わたしが言えるのは南米に水棲の食虫類はいないということです、それらはすべてコミミトガリネズミ属 (Cryptotis) であり、樹上棲か陸棲です。
わたしはこの剥製がなんであるかを調査し、先住民族であるシュアール族からこの謎の生物が地元の河川ではふつうに見られる動物であるということを知りました」
(ミズオポッサムの剥製)
(image credit by Wikicommons)
ちなみにミズオポッサムはフォレースさんが描写している通りの動物で、メスだけでなくオスも育児嚢をもつ現存する唯一の有袋類です。
また前肢には水かきがなく、水かきがあるのは後肢のみです。
さて、この謎生物マカス・ママル、フォレースさんが5人の哺乳類学者に写真を送付し鑑定を依頼したところ1人が手を加えられたヤポックかヤポックそのもの、4人は分からないという返答でした。
諦めきれないフォレースさんはエクアドルの動物学者ディディエ・サンチェス (Didier Sanchez) さんを遠しし、現地に行って剥製を調査してくれるように依頼しました。
その結果ディディエさんからマカス・ママルは剥製師がヤポックに手を加えたもの、と判断したそうです。
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