■西表島の巨大山猫 ~ ヤマピカリャー (イリオモテオオヤマネコ)
沖縄を代表するUMAのひとつヤマピカリャー (Yamapikarya / Iriomote Island mysterious feline)。
このUMAが生息するのは八重山列島の西表島 (いりおもてじま) です。
西表島に生息する動物といえばその島の名前を冠したイリオモテヤマネコ (Prionailurus bengalensis iriomotensis) が特に有名で国の特別天然記念物に指定されています。
その他にもこの島にはカンムリワシ (Spilornis cheela) やヨナクニカラスバト (Columba janthina stejnegeri) 等、珍しい固有種がたくさん生息しています。
さてヤマピカリャーですが、その名は「山の中で目が光るもの」を意味するそうで、イリオモテヤマネコのことはヤママヤーと呼び分けているとか。
ヤマピカリャーはヤママヤ―よりひとまわり以上大きなヤマネコで体長は1.5メートルほどもあるといいます。
固有の動物相が広がるこの島ならきっとヤマピカリャーという別種かつ新種のヤマネコが生息していても不思議ではないような気がします。
しかもイリオモテヤマネコですら新種登録されたのは1965年と歴史は浅いですからね。
イリオモテヤマネコより体が大きいことからさらに数が少ないであろうヤマピカリャーが人目につかないのも当然、と。
しかし問題になってくるのが島の大きさで、西表島は約290平方キロメートル (正確には289.61平方キロメートル) しかありません。
これだけ狭いところに食物連鎖の頂点 (頂点捕食者) にたつ中型の肉食獣が生息している場合、かなり生息数は限られます。
イリオモテヤマネコの体長はオスで60センチ、メスで55センチほど、ネコ1匹に対するテリトリーはそのエサになる動物が豊富か否かで大きく変わります。
これはレイク・モンスター (湖の怪物) と同じ考え方で、行動圏に制限がある場合、その範囲でやっていけるだけの食べ物があるかが重要です。
レイク・モンスターの存在がたびたび否定される理由にその湖に生息する魚があまりに少なすぎる、というものがあります。
その怪物が閉ざされた領域の中で繁殖を続けていくには自身の仲間が一定数以上存在することと、その数を養っていくだけのエサ (魚) がある (生息している) ことが必須条件となります。
そのため元から生物の生息数が少ない湖では、そんな化け物みたいなやつがこの世に存在するわけないだろ!とか議論される以前に、エサになる生物の生息数が少なすぎてそんな大きな生物 (UMA) は生息できませ~ん、と言われてしまうことが多々あります。
で、イリオモテヤマネコに話を戻すと、オスの行動圏は2~5平方キロメートルだといい、凄く小さく見積もって2平方キロメートルだとすれば、西表島に150匹前後生息できるという計算となります。
で一方、謎のオオヤマネコ、ヤマピカリャーの体長はというと1.5メートル、この大きな体を保つには更なる広いテリトリーを持つに違いありません。
ウンピョウ (Neofelis nebulosa) の体長は1メートル強とヤマピカリャーより小柄ですが、それでも行動圏は30平方キロメートルだとか。
ヤマピカリャーをウンピョウと同等の行動圏と考えると、西表島の面積から10匹弱ということになってしまいます。
なにもしないうちからもうその数がクリティカルで、繁殖を重ねるのはちょっと難しそうです。
というわけで、きっとヤマピカリャーはもう少し小さなヤマネコに違いありません、そうじゃないとこの島ではやっていけないからです。
イリオモテヤマネコより一回り大きいと見積もり体長80センチとし、西表島はエサも潤沢で行動圏が狭く3平方キロメートルでやっていけると推定すれば100匹弱、5平方キロメートルなら60匹の生息が可能ということになります。
現在のイリオモテヤマネコも100匹前後の数まで減ってきていますが、なんとかやっているのでギリギリいけそうです。
さてさらに問題はあります。
イリオモテヤマネコの存在をまったく無視して計算していましたが、実際はイリオモテヤマネコがおり、この狭い領域に似たようなタイプの頂点捕食者が2種共存しているということです。
お互いにダブらないように生息した場合、数はぐっと減ってしまうので、これを解決するには異なるニッチで生息しているということにするしかありません。
イリオモテヤマネコは夜行性なのでヤマピカリャーは昼行性、食性も雑種で選り好みせず、イリオモテヤマネコとなるべく重複しないものが好物れあればなんとかなります。
これにてヤマピカリャーはなんとか安泰です。
ただね、現地の人はイリオモテヤマネコのこともヤマピカリャーと呼んでいるそうで、ヤマピカリャーとは別種のヤマネコなんかではなく、単にイリオモテヤマネコの大型個体を指しているだけなんではないか、、、と
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