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2025年1月7日火曜日

1870年カントンの川で捕獲された野獣 ~ カントン・モンスター


■1870年カントンの川で捕獲された野獣 ~ カントン・モンスター

フリーメント・ウィークリー・ジャーナル (Fremont weekly journal)。

おそらく誰も知らないでしょう。

フリーメント・ウィークリー・ジャーナル紙は1867年から1877年の11年間、アメリカ、オハイオ州のフリーメントで発行されていた週刊の新聞です。

1870年4月15日号のフリーメント・ウィークリー・ジャーナル紙に極めて奇妙な生物の情報が掲載されました。

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カントンの対岸にある川で地引網を引いていた漁師たちにより奇妙な怪物が捕獲された。

その怪物をどう呼ぶべきか、どのような姿をしているのか、どう表現すべきか、我々には適切な言葉が思い浮かばない。

その生物は決して魚ではなく、かといってワニ (クロコダイル) やカメでもない、本に出てくるような架空の生物、ドラグーン (dragoon) に似ている。

その姿はいかにも獰猛で先史時代の野蛮な怪物のようだ。

それは巨大でヌメヌメとした鱗で全身が覆われ、短くも力強い四肢、巨大なかぎ爪、ヘビのような長い尾、そしてノコギリの刃を彷彿させる鋭く尖った歯を持っている。

手あたり次第なんでも食べるようだが、たとえ食事のためでも水から出ようとはしない、そのため、怪物と繋いだ鎖を引きずり上げないとその姿を見ることはできない。

体長は小さく見積もっても10フィート (約3メートル)、体重は500ポンド (約230キロ) はありそうだ。

挑発するとアシカに似た鳴き声を発する。

この怪物を展示するためチェイニーやセントルイスに運ぶつもりだが、漁師たちは1000ドルでの買取提案を拒否した。

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さてこの新聞ですが存続していた期間も短かったのも影響しているのか、あまり情報がありません。

創作記事満載のおふざけ新聞かというと他の記事を読んだ限りふつうの新聞のように見えます。

この怪物の記事に関しても淡々と書かれており、作家が書いたようなドラマチックさは微塵も感じられません。

じゃあ100%信じていいのか?というとそれは「う~ん」です(笑)

(カントン・モンスターの実際の記事)

さてそんなことはどうでもいいのでこのモンスターを見ていきましょう。

まずこのモンスター固有の名前がありません。

記事のタイトルも小見出しで "A Strange Monster" とあるだけです。

取り敢えずオハイオ州のカントン (Canton) 近郊で目撃されたようなのでカントン・モンスター (Canton monster) と呼ぶことにします。

「カントン」の響きが日本人には中国の地名風に聞こえますが、上記の通り完全にアメリカ、オハイオ州のUMAです。

漁師たちは千ドルでのカントン・モンスターの買取を拒否したといいますが、現在の貨幣価値でどれぐらいだったのでしょう?

CPI Inflation Calculator で調べたところ1870年代は現在の約24倍の貨幣価値があるということなので (そんなもん?)、千ドルは約2万4千ドルということになります。

現在の為替レートで日本円にすると340万円ですね。

まあ未知の生物を340万程度で買い取れるものなら簡単に元が取れそうですけどね。

そしてカントン・モンスターはいかなる生物なのか?

体の特徴はそれなりに書いてはいますが「四肢が短い」や「尾が長い」といった部分的、かつ漠然とした特徴しか書かれておらず全容が掴みづらいです。

水棲の爬虫類であることが示唆 (「鱗に覆われて」おり「水中から出ない」) されているもののカメでもワニでもないというのです。

特に一番肝心な頭部についての記載が全くありません。

まあ爬虫類の頭部はそこまでバラエティ豊かではないので、ワニっぽくないのであればヘビやトカゲに似た感じでしょう。

北米大陸にはワニを除けば大型の爬虫類は棲息していませんから、これが本当だとしたら、とてつもない大発見です。

漁師たちが340万円程度で売らなかったことは大正解です!

しかし、、、その後この生物がどこへ行ってしまったことやら。

(参照サイト)







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