アフリカ南部に位置するザンビア共和国とジンバブエ共和国のまるで国境を沿うかのように横たわる巨大な湖、カリバ湖 (Lake Kariba)。
世界最大の人造湖で、人造湖でありながら最大長223キロメートル、最大水深97メートル、平均水深29メートルを誇ります。
ちなみに琵琶湖の最大長は63.5キロメートルほどです。
カリバ湖にはニャミニャミ (Nyaminyami) と呼ばれる水棲UMAの目撃があります。
実はニャミニャミとはザンビアの主要民族のひとつ、トンガ族 (Tonga) のもっとも崇拝する神 (蛇神) の名でUMAの名ではありません。
(ニャミニャミ)
しかし1950年代、その神が宿るザンベジ川中流のカリバ峡谷にカリバダム建設の計画が持ち上がります。
当時、植民地支配していたイギリス (大英帝国) の主導 (ローデシア・ニヤサランド連邦) によるものです。
トンガ族はニャミニャミの棲むザンベジ川を守ろうと猛烈に反対しますが、植民地支配をしている白人たちがそんなことを許すはずもなく1955年、ダムの建設は強行されます。
1959年に完成を見るものの、その間、幾度と洪水による建設中断を余儀なくされ、建設に携わった86人もの人々が命を落としたといいます。
この天災をトンガ族の人々はニャミニャミの怒りに触れたことが原因と信じており、ニャミニャミはカリバダムの完成をもって人間界から消えたといいます。
また、ニャミニャミとその妻である女神はダムの壁で離れ離れさにされたといわれており、ニャミニャミが妻に会おうとダムの壁を壊そうとする試みがダム完成後に頻発する地震の原因だともいっています。
しかし、、、
蛇神ニャミニャミが去ったあと、代わって現れたのがUMAニャミニャミ。
そう、実際カリバダムの建設によりにカリバ湖が出来上がると巨大な生物の目撃がはじまったのです。
このニャミニャミを蛇神とみるか、それともUMAとして別物とみるかはニャミニャミに対する思い入れにより代わるでしょうが、ここでは実在する生物、つまりUMAとして扱います。
ニャミニャミはヘビのように細長い、つまりはレイク・サーペントタイプの目撃が多い一方、クジラのような生物を目撃したというものもあります。
それはもともとザンベジ川に生息していた生物た (川に抜けることはできるものの) 湖に閉じ込められのかもしれません。
考えられるその正体とは?
目撃証言では100フィート (約30メートル) 超のものまでありますが、さすがにシロナガスクジラ大の生物が湖、それも人造湖にいるのは大き過ぎです。
あまり大きさにとらわれ過ぎずアフリカに生息する巨大な水棲生物を候補として考えてみましょう。
この湖には多くの魚が導入されており、それに伴い湖は生物で活気を満たし、水棲のカバやナイルワニに加え大型ネコ科動物 (ライオン、ヒョウ、チーター) やゾウ、バッファロー等も付近に集まっているといいます。
(ヴンドゥことヒゲナガヒレナマズ)
(original image credit by Wikicommons)
既知の淡水生物としては現地でヴンドゥ (Vundu) と呼ばれるヒゲナガヒレナマズ (Heterobranchus longifilis) が有力視されています。
3メートル級の巨大種がひしめくナマズ界、アジア代表メコンオオナマズ (Pangasianodon gigas)、ヨーロッパ代表ヨーロッパオオナマズ (Silurus glanis)、南米代表ピライーバ (Brachyplatystoma filamentosum)、北米代表アメリカナマズ (Ictalurus furcatus)。
番外編で日本代表はもちろんビワコオオナマズ (Silurus biwaensis) です。
(ウェルズことヨーロッパオオナマズ)
さてヴンドゥ、ビワコオオナマズよりは大きくなり最大体長1.5メートルほど、他の巨大ナマズたちと比べると若干見劣りします。
但し、アフリカ大陸の生物は他地域と比べると調査が遅れているのも事実、ことのほか大きい個体が存在する可能性もありますし、新種の可能性も捨てきれません。
クジラに似たニャミニャミの目撃もあることから絶滅種生存説ならバシロサウルス (Basilosaurus) がいいかもしれませんね。
目撃される生物に一貫性がないのが玉に瑕ですが「ニャミニャミ」と呼ばれるUMAが目撃されるのはトンガ族の人々に幾ばくかの安らぎを与えているかもしれません。
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