■インドで目撃される未知の爬虫類 ~ ブル
珍しくインドのUMA、今回はブル (Buru)。
元々はアパタニ族の神話に登場する伝説的な生き物で、非常に体が大きく獰猛だといわれています。
ブルは水棲UMAで、おそらくは爬虫類、大蛇、オオトカゲ、ワニ等が候補に挙がります。
また、ハイギョやアロワナ等、魚類であるという説もあります。
ただハイギョは南米、アフリカ、オーストラリアにのみ棲息しておりインドには生息していません。
アロワナもスクレロパゲス属 (Scleropages) は東南アジアからオーストラリアにかけて広く分布しますが、残念ながらインドには生息していません。
魚類の可能性は残しつつも、ハイギョとアロワナである可能性は少し低いかもしれません。
存在したらその時点でおそらく新種ですね。
ブルに興味を持った西洋人は1940年代に入ると立て続けにインドを訪れ調査に乗り出しました。
未発見の巨大な爬虫類がいるに違いないと考えたのでしょう。
彼らはブルの話はやはりアパタニ族が一番詳しいはず、とブルの正体を探るべくアパタニ族の長老にその真相を尋ねました。
長老によれば、かれらアパタニ族の先祖たちがインドのプラデーシュ州にある町、ジロの渓谷に移住した際、そこにはブルが多数棲息しておりアパタニ族たちと衝突が絶えなかったといいます。
ブルは水棲 (もしくは半水棲) 生物であり湿地帯に棲息しており、湿地の水を抜いてしまえば彼らを追い出せるだろうと考えました。
そしてそれが実行されるとほとんどのブルは死に絶え、僅かに生き残ったものは地下の水源へと逃げたがおそらく絶滅したということです。
と、こんな話からも特に人間に危害を食わるわけでもないハイギョやアロワナの可能性は低そうです。
(ミズオオトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
やはり半水棲の爬虫類、特にワニやオオトカゲの可能性が高そうに見えます。
インド最大のオオトカゲはベンガルオオトカゲ (Varanus bengalensis)。
尾が長く体長の半分以上を占め、最大で175センチ、うち100センチが尾です。
地上棲、もしくは樹上棲でこの時点で候補から脱落です。
もう一種、ミズオオトカゲ (Varanus salvator) は名前の通り水辺にも棲息し、体長は2.5メートルにも達するためこちらなら候補になりそうです。
しかし、インド領の東南アジアの島には棲んでいますが、メインの大陸側には棲息していません。
まあ「絶滅させた」と言っているのでそういった意味では矛盾はしていません。
ワニを見ていきましょう。
インドにはヌマワニ (Crocodylus palustris) が棲息しており最大体長5.5メートル、クロコダイルの仲間で非常に獰猛です。
またクロコダイルでもアリゲーターでもないインドガビアル (Gavialis gangeticus) が棲息しています。
口吻が極端に細長いのが特徴の魚食性のワニで人間は襲いませんが、最大で体長は6メートル、600キロに成長することからも見た目の恐怖感はかなりのものでしょう。
その恐怖を感じさせる見た目からアパタニ族と衝突したかもしれません。
ブルの正体として既存種としてこれらワニとオオトカゲを筆頭候補に挙げておきましょう。
なにせ「絶滅させた」と言っているので確かめようがないのです。
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一つの渓谷だけで複数個体が生息していたってのは考えにくいような。地域亜種で近縁のなにかは今も生きているのかも。むあ確認しよう無いのは同じですが。
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