■確実に実在するUMA ~ 摩周湖の巨大ザリガニ
今回の話題は摩周湖の巨大ザリガニ (Lake Mashu Giant Crayfish)、日本のUMAですね。
摩周湖は海道東部の弟子屈町 (てしかがちょう) にある湖です。
面積は日本第20位ですが最大水深211メートルもあり日本で5番目に深い湖で、かつてバイカル湖に次ぐ透明度を誇っていたのも有名です。
これは流入する河川も、流出する河川もないことが大きく、透明度の安定と引き換えに摩周湖は貧栄養湖であり、もともと魚類は生息していませんでした。
1926年、その湖にニジマスやヒメマスが放流され魚の住む湖となりますが、それから数年経った1930年にウチダザリガニ (Pacifastacus leniusculus trowbridgii) が放たれます。
和名から完全に原産国は日本と勘違いしてしまいそうですが北米からの移入種で現地では甲長が最大8インチ (約20センチ) にまで成長するといわれる巨大なザリガニです。
甲長20センチといってもザリガニのハサミ (鉗脚) は大きく、淡水のロブスターと形容されるほどで前方にハサミを伸ばすと実際の2倍ぐらいの大きさに感じます。
摩周湖の巨大ザリガニの前に世界一大きいザリガニの話をすると、それはタスマニアオオザリガニ (Astacopsis gouldi) で最大体長は31インチ (約80センチ)、13ポンド (約6キロ) の記録があるといいます。
先住民族はこのザリガニをルタラリーピーナ (lutaralipina) と呼んでいるそうでその言語の意味は分かりませんが心地よい響きです。
さて摩周湖に話を戻します。
ウチダザリガニの故郷である北米ですら甲長20センチということはハサミを伸ばして1.5倍になるとラフに考えるとハサミを含めた全長は30センチといったところでしょうか。
摩周湖の巨大ザリガニは約30センチ、、、
といいたいところですが、実はもっと大きいのです。
1975年、放流した魚の密漁者たちの網に巨大なウチダザリガニが混獲され、そのザリガニの甲長は47センチもあったといいます。
ハサミを含めれば70センチ近かったかもしれません。
移入種とはいえ、本国の最大個体の2倍ほどになるとは驚異的です。
違法採取していた密漁者たちによって捕獲されたこともあり、その巨大ウチダザリガニの公表をすることはありませんでした。
専門家による詳細なデータが取れなかったのは非常に残念なことです。
その後もそれに匹敵するような巨大ウチダザリガニ (車のタイヤの上に置いたらはみ出した等) が摩周湖で捕獲されることが散見されることから、この生物にとって摩周湖は住み心地がいいのかもしれません。
しかし今後、摩周湖の巨大ザリガニに出会う可能性はかなり低くなっていくかもしれません。
現在、日本の侵略的外来種ワースト100にウチダザリガニは入れられており、駆除の対象となっているからです。
最近日本のUMAの情報を英語サイトで漁る機会があったのですが、この巨大ザリガニは海外ではマッシーと呼ばれているみたいです(Philippe Coudrayさんが本に載せた日本のUMAマップが元ネタだとか)
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