2024年4月4日木曜日

体高1メートルの小さなティラノサウルス ~ リバー・ダイノ (ミニ・レックス)


■体高1メートルのミニ・ティラノサウルス ~ リバー・ダイノ

ティラノサウルス・レックス (Tyrannosaurus rex) は誰もが知る存在であり獣脚類を代表するばかりではなく、恐竜の象徴的存在のひとつでもあります。。

体長13メートル、体高も5メートル超もありその全貌を拝むには見上げなければいけないほどです。

獣脚類はみなデカいのかというとそんなことはなく、ジュラシック・パークでおなじみのヴェロキラプトル (Velociraptor) なんか、体長2メートルとはいえその半分ほどは尾で占められており体高は50センチ程度しかありませんでした。

ジュラシック・パークの映画の中で描かれるヴェロキラプトルは大き過ぎると公開当時から古生物学者に指摘されていましたが、あのヴェロキラプトルは名前だけ拝借して実際のモデルとしてはデイノニクス (Deinonychus) だったそうです。

デイノニクスであれば体長3~3.5メートル、100キロもあり、体高も最大で1.8メートルほどになると推測されるため映画の中のヴェロキラプトルと確かに一致します。

さて今回紹介するUMAは上記ヴェロキラプトルとデイノニクスの中間ぐらいの大きさの獣脚類系UMAです。

体高は3フィート (約90センチ) と小柄ですが (体長は8フィート以上 (約2.4メートル) 前後と思われる)、見た目がティラノサウルスに似ており、また川や沼の近辺、湿地帯で目撃されることが多いことからリバー・ダイノ (River Dinos,「川の恐竜」の意) とかミニ・レックス (Mini Rex, 「小さなティラノサウルス」の意) の名で呼ばれます。

アメリカ全土で目撃の報告があるものの、特に北米大陸南西部のユタ州、コロラド州、アリゾナ州、ニューメキシコ州からの報告が多いといわれています。

まあこれも不思議なことですが、このUMAの目撃が始まったのは割と最近で、ジュラシック・パーク (1993年) の公開以降です。

最も古いリバー・ダイノの目撃は1996年に報告されたといわれています。

コロラドに住む女性から、体高3.5フィート (約1メートル) もあるトカゲが後肢2本だけでバランスを取り、素早く走り去るのを目撃したと報告がありました。

オーストラリアに生息するエリマキトカゲ (Chlamydosaurus kingii) や中央アメリカに生息するグリーンバシリスク (Basiliscus plumifrons) 等、後肢だけで走ることのできるトカゲは存在しますからこの目撃自体は決してあり得ないものではありません。

但し、目撃されたコロラドには目撃証言と合致するトカゲは生息しておらず、そもそも二足歩行した際に体高が1メートル以上になるトカゲは現存種には存在しません。

(デリック氏が射殺したというリバー・ダイノの写真)

また同じくコロラドに住む「デリック」とだけ名乗る匿名の男性が、2000年1月に未確認動物学者のカール・シューカー氏にリバー・ダイノの目撃情報をメールしてきました。

デリック氏によれば、遠目ではあるものの後肢2本で走るトカゲを目撃したといいます。

体長は3~4フィート (約0.9~1.2メートル)、体色は黒い斑紋のある緑色、腹部は黄色味を帯びたオレンジ色、前肢は後肢と比べ短かかったといいます。

デリック氏はその後少し間をおいてからリバー・ダイノを射殺したという「証拠」の写真も送ってきました。

撮影場所は「コロラドのとある場所」とだけ記載されており、詳細な撮影場所も分かりません。

その後デリック氏はアドレス自体を削除・変更したようで音信不通となり、デリック氏の目撃したリバー・ダイノの調査は暗礁に乗り上げたままです。

こういった不審なやり取りの状況から、デリック氏のメール内容も写真もおそらく捏造されたものだろうと考えられています。

但し、デリック氏のメール内容も写真もそれを事実と裏付ける材料がないというだけで、逆にいえばそれらを確実に否定する材料もありません。

(ロードランナー)
(image credit by Wikicommons)

最後に、個人的には誤認候補のひとつとしてロードランナー (Roadrunner) ことオオミチバシリ (Geococcyx californianus) を挙げておきます。

もともと鳥類と獣脚類は頭部のシルエットが似ていますし、オオミチバシリの尾羽は長く獣脚類の長い尾を彷彿とさせます。

さらにオオミチバシリは鳥類ですがあまり飛びませんし、最高時速30キロの超俊足で走るため知らない人が見たら鳥とは思わず小柄な獣脚類と誤認する可能性があります。

オオミチバシリは北米大陸南部 (アメリカ南部とメキシコ) に生息し、リバー・ダイノの目撃が特に多い州と生息域も合致、どう転んでも体高1メートルはありませんが恐怖を感じたり興奮したりすると実際のサイズよりも大きく感じるものです。

すべてとは言いませんが、リバー・ダイノの目撃情報の一部にはオオミチバシリが紛れているような気がします。

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