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2024年7月9日火曜日

探検隊を襲ったの謎のクマ、ミルン・ベア


■南米ペルーの謎のクマ、ミルン・ベア

今回は、ミルン・ベアです。

ベネズエラ生まれのアメリカ人探検家レナード・フランシス・クラーク (Leonard Francis Clark) 氏により南米ペルーのジャングルで目撃されたUMAです。

クラーク氏は第二次大戦で大佐にまで昇進した軍人でもあり、また探検家としての顔を持ちそれを活かした売れっ子作家でもありました。

詳細は分かりませんが、第二次大戦後、日本にも探検隊を組織しており、中南米、東アジア、東南アジアを中心に広く探検活動をしていた人物です。

そんな彼が戦後まもない1946年、探検隊を組織し南米ペルーで目撃したのが謎のクマ、ミルン・ベア (Milne bear) です。

それはペルー頭部を流れるアマゾン川の主源流のひとつウカヤリ川 (Ucayali River) を筏で下っているときのことです。

ウカヤリ川は長さ1600キロもあり川幅も最大1.2キロもある広大な川です。

ゆったりとした流れの川下りの途中、立ち寄った岸辺で巨大な足跡を見つけました。

形こそ人間の足跡にも似ていましたが、その大きさは14インチ (約35センチ) もありました。

「その巨大な足跡の謎はすぐ解けた、驚いたことに、すぐそばの森に巨大な黒いクマが立っていたのだ。

クマはアリが滝のように流れ落ちる朽ち木を夢中で引っ?いていた、こんなクマは知られていないし、仕留めたという話も聞いたことがない。

先住民族のカンパス族によればアンデス山脈頭部の低地に棲息するという滅多に見られないクマと関係があるかもしれないということだった。

まさに壮観な眺めだった、アラスカであれば不思議ではないかもしれないが、ここはアマゾンのジャングルだ。

わたしたちはその巨大な生物に吸い寄せられるように素早くそして静かに筏を進めた。

同行していたメンバーたちがわたしにピストルでクマを撃てとざわついていたが、わたしにその気は全くなかった、仮に当たったとして傷を負い怒り狂って突進してくるクマに、こんな不安定な筏から放つピストルの弾など無力と分かっていたからだ。

しかし同乗していたホセがわたしの制止を聞かず、先住民族が使用するライフルの音を真似て筏のパドルを水面に打ち付け威嚇したのだ。

それまでアリとその幼虫に夢中になっていたクマはわたしたちの存在に気付き、咆哮しながら川へ飛び込むと一直線に私たちの方に向かって泳ぎ始めた。

驚いた同僚は川へ飛び込んで逃げたが、気付いたときにはクマは私の僅か3フィート (約90センチ) 前まで近づいていた。

船の揺れが収まりつつあったのが幸いだった、わたしはコルトでクマの目を狙って引き金を引いた。

そいつは即死したようだったので、わたしは船上に引きずり上げようとしたが、突如として夥しい数のレッドアイ・ピラニア (Serrasalmus rhombeus) の群れが現れ、わたしはそのクマを諦めざるを得なかった」

自分の意訳にも問題はありますが、表現がドラマチックでフィクション性を感じてしまいます。

気が付けばクマはわずか90センチのところにいたり、射殺したクマを一人の力で筏に乗せようとしたり、ピラニアの群れが一瞬でクマに群がったり、、、等々

まぁ売れっ子作家さんですし、それなりに脚色はしている可能性はあるもののクマと遭ったこと自体は本当なんでしょう?なら、南米に生息するクマを誤認しただけでは?

(メガネグマ)
(image credit by Wikicommons/Public Domain)

その場合、たびたび登場させて申し訳ないですが、南米であればメガネグマ (Tremarctos ornatus) 一択です。

オスの最大個体は体長2メートル、体重200キロにもなりかなりの大きさに成長します。

但し、その巨体にも関わらず、ほぼ植物食で憶病かつ樹上棲、人間を襲うことはまずなく、人間を見ると樹上に逃げてしまいます。

歴史上、記録に残っているこのクマによる死者はたったの1件、1名のみです。

現生種であるため一応ミルン・ベアの正体の筆頭候補にはなりますが、明らかにメガネグマの通常の行動から逸脱しており、疑問も多いところです。

というわけでUMAファンの気持ちを満たしてくれるであろうミルン・ベアの正体として、かつて中南米大陸に生息していた絶滅種アルクトテリウム (Arctotherium) が挙がっています。

絶滅種と聞いて巨大であることを期待してしまいますが、実はメガネグマとは近縁 ( メガネグマ亜科, Tremarctinae) かつ体格に大差はなく、「絶滅種の発見」以上のロマンはありません。







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