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2024年6月4日火曜日

その姿が全く把握できない謎のUMA ~ バニープ (バニップ)


■その姿が全く把握できない謎のUMA ~ バニープ (バニップ) 

今回はオーストラリアで最も有名なUMAのひとつに数えられるバニープ(Bunyip)。

これはUMA本ではその著者によって呼び名が異なり、バニップやバンイップとも呼ばれます。

英語圏では「バニイプ」とか「バニイップ」と発音されているようなので「バニープ」という表現が個人的にはしっくりくるため、少数派ながらこれを採用します。

さてこのバニープ、元々は複数の先住民族に伝わるもので、実体を持たない「水の精霊 (または悪霊)」的な存在であり、人々の「夢」の中の住人でした。

しかし実体を持つ正真正銘の「生物」であるという解釈もあり、それがUMAとして目撃されるものです。

しかし、バニープは捉えどころのないUMAの中でも特に捉えどころのないUMAの代表格であり、その姿を形容することも困難です。

毛むくじゃらであったり、鱗に覆われていた、というのもあればすべすべの肌をしていた、、、

主に目撃される地域はニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州。

複数動物の混合形態、つまりキメラ系、ハイブリッド系で、そもそも哺乳類なのか爬虫類なのかすらはっきりしないどころか、巨大な「ヒトデ」説すらあります。

原因は複数民族に伝わるそれぞれの異なる姿の生物を「バニープ」というひとつの生物に集約してしまった結果かもしれません。

またその生態として、完全な水棲、半水棲、水陸両用等々、いずれにしても水辺の近くで目撃されることが多く、湖沼や河川に生息していると信じられています。

移民たちにバニープの存在が知れ渡るきっかけとなったのは、1818年、ニューサウスウェールズにあるバサースト湖 ((Lake Bathurst) 湖畔で冒険家ハミルトン・ヒューム (Hamilton Hume) 氏により奇妙な謎の骨が発見されたことによります。

(ディプロトドン (下) vs ティラコレオ (フクロライオン) )
(image credit by Wikicommons)

ヒューム氏によればその骨はおそらく水棲生物であり、既知生物でいえばカバに似ていると証言しましたが、なぜか回収されることはありませんでした。

いずれにせよバサースト湖での目撃がスタートとなったため、バサースト湖及び同じくニューサウスウェールズにあるジョージ湖 (Lake George) 湖畔がバニープの目撃多発地帯となります。

どちらの湖も先住民族にとって神聖な湖といわれており、それがバニープにしろ他の生物に白、なにかしらの生物が目撃されるのは自然なことに思えます。

前述の通り、その姿は千差万別であるものの、最も多いのは哺乳類的容姿をしているもので、特に巨大な犬であったりアザラシのような鰭脚類に似ているといった目撃情報が多数を占めるようです。

日本でも鰭脚類が淡水の川を遡上し時折ニュースとなりますが、オーストラリアも同様で、内陸部の淡水でアザラシが目撃されることもあるため、バニープの正体のひとつとして鰭脚類の誤認は少なからず含まれていることが予想されます。

もっともロマンがあるのは、既知生物の巨大な有袋類ディプロトドン (Diprotodon) 生存説でしょう。

4万6千年前に絶滅していますが、体長は最大4メートル超、同じウォンバット型亜目 (Vombatiformes) に属するウォンバットコアラの巨大化した姿で復元されます。

ディプロトドンが現在でもどこかで小さな個体群を維持しているのが一番UMAファンとしては嬉しいことです。

しかし先住民族であるアボリジニは6万年前にはオーストラリア大陸に渡ってきたと考えられており、ディプロトドンとの共生していた期間が存在します。

その名残が代々伝えられバニープとなっているとしたら、それはそれで凄いことではないですか。

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