2020年7月11日土曜日

アフリカにクマは生息していないはずなのに・・・ ~ ナンディ・ベア (チミセット)


■アフリカにクマは生息していないはずなのに・・・ ~ ナンディ・ベア (チミセット)

ジーナフォイロのフィギュアを探していたらナンディ・ベアのフィギュアも出てきたので、せっかくなのでこちらも紹介します。

ナンディ・ベア (Nandi bear) とは東アフリカのケニアに生息しているといわれるクマ、もしくはクマに似たUMAです。

ナンディ・ベアという名はこの生物の目撃が多発する地域に住む部族、ナンディ人 (Nandi people) に由来し、現地ではチミセット (Chemosit)、ナンディ人にはケリト (Kerit) と呼ばれます。

前肢が後肢よりも著しく長く、頭部から尾にかけて極端に傾斜した特異な体型をしているのが特徴です。

現地の人々によれば非常に凶暴であり、夜な夜な人里におりてきは動物や人間を襲うといいます。

ただしナンディ・ベアはUMAにありがちな怪物的な大きさをしているわけではありません。

(大神秘博物館のナンディベアのフィギュア)

後肢2本で立ち上がることができるともいわれていますが、基本的に四足歩行で体高 (肩までの高さ) は1.2メートルほど、大柄なヒグマと比べれば小さいぐらいです。

西洋にナンディ・ベアの存在が知れわたったのはイギリスがケニアを植民地化した19世紀以降です。

イギリス人探検家によるケニアの未開地域の探索により謎の生物が目撃されたのが最初と言われています。

この生物の正体を突き止めようと現地の人々に聞き取り調査したところナンディ・ベア (チミセット) の存在が判明するというわけです。

さてこの生物は本当に未知のクマなのでしょうか?

現在アフリカ大陸にクマは生息していませんが、アトラスヒグマ (Ursus arctos crowtheri) はつい最近 (19世紀後半) まで生息していました。

ナンディ・ベアはその存在が知れ渡ったとときを同じくして目撃情報が激減し、20世紀初頭にはもうほとんど目撃情報がなくなってしまいました。

アトラスヒグマの絶滅とナンディ・ベアの目撃がなくなったのはほとんど同じ時期ですが、アトラスヒグマの生息地は北アフリカのモロッコからリビアにかけてのアトラス山脈付近であり、南下するにしても地理的にかなりの距離があります。

やはりその正体としてもっとも可能性が高いのはブチハイエナ (Crocuta crocuta) でしょう。

生息域はもちろんのこと、頭部から尾にかけての傾斜するシルエットもナンディ・ベアのそれに似ています。

ただしハイエナですからさすがに伝えられるナンディ・ベアほどの大きさはありませんし、入植したイギリス人ならともかく、現地の人々がブチハイエナを知らないとは到底思えず、こういった点がこの説の弱いところです。

また単純にゴリラを誤認しただけ、という説もあります。

UMA好きの人にとって、UMAの正体がブチハイエナやゴリラというのではまったく興味をそそられないことでしょう。

(カリコテリウム)
(image credit by DiBgdderivative)

UMAの正体の定番といえばやはり新種か絶滅動物、その中で人気のあるのがカリコテリウ科 (Chalicotheriidae) のモロプス (Moropus)、アグリオテリウム (Agriotherium) そしてホラアナグマ (Ursus spelaeus) です。

それぞれ簡単に見ていきましょう。

モロプスを含むカリコテリウム (Chalicotherium) の仲間は1300万年ほど前に絶滅したウマ目 (奇蹄目) の生物で、頭部こそウマに似るもののナンディ・ベアのような前肢が極端に長いいわゆるゴリラ体型で、まさに想像されるナンディ・ベアそのものといった感じです。

四肢には蹄ではなくカギ爪を有し、この爪で樹上の葉をひっかけたり植物の根を掘り起こしていたのかもしれません。

カリコテリウムは草食性であり人を殺して食べたりするような肉食獣ではありませんが、前知識無しでのカギ爪を見た場合、その特異なシルエットと相まってナンディ・ベアのような怖い生物としての都市伝説が生まれるかもしれません。

ただし、残念なことにカリコテリウムの化石ははアフリカでは発見されていません。

次なる候補はアグリオテリウム

250万年ほど前に絶滅しましたがアフリカにも生息していたクマの仲間です。

体長2.7メートル、体重900キロとクマとして史上最大種のひとつです。

クマであることとアフリカに生息していたことをクリアしています。

最後にホラアナグマ

ホラアナグマはわずか2万4千年前に絶滅したクマであり、カリコテリウムやアグリオテリウムと比較すれば年代的に実在する確率はぐっと上がります。

ただしアフリカには生息していませんでした。

またアグリオテリウムもホラアナグマも現世のクマと体型的には似通っており、前肢が極端に長く非常に特徴的であったナンディ・ベアの正体としては弱いかもしれません。

気に入った少大切はありましたか?

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