2023年3月2日木曜日

グレートバリアリーフに潜む巨大亀 ~ モハ・モハ


■グレートバリアリーフの巨大亀 ~ モハ・モハ (モハモハ)

1890年6月8日、クイーンズランド州の女性教師S. ラベル (S. Lovell) 氏と数人の仲間によりグレート・サンディ島 (Great Sandy Island ) の砂浜で奇妙なカメのような姿をした生物が目撃されました。

ラベル氏によれば生物の体長は30フィート (約9メートル)、トカゲに似た頭部はカメのような長さ8フィート (約2.4メートル)もある首に支えられていました。

また尾は12フィート (約3.6メートル) ととても長く魚のような尾鰭を持っていたといいます。

特筆すべきは背中の隆起でリクガメの甲羅のように大きく盛り上がったそれは長さ8フィート (約2.4メートル) 高さ5フィート (1.5) もあったといいます。

驚いたことにラベル氏一行はこの生物を間近 (わずか5フィート (約1.5メートル)) で30分もの間観察したと主張しています。

(UMAのもっとも似つかわしくない地域、グレートバリアリーフ)
(image credit by Wikicommons)

そんな巨体の生物に近づくというのは、おそらく動きも遅く危険そうに見えなかったからでしょう。

これはグレートバリアリーフ (Great Barrier Reef) に生息するといわれるカメに似た巨大生物、モハ・モハ (Moha Moha) に違いないと考えられました。

モハ・モハは暫くすると海へ帰っていったといいます。

かなりマイナーなUMAにも関わらずケロサウリア・ロベリ  (Chelosauria lovelli) なる学名がつけられています。(もちろん無効ですが)

命名したのはイギリスの海洋生物学者でロンドン自然史博物館 (Natural History Museum) の館長補佐をしていたウィリアム・サヴィル=ケント (William Saville-Kent) 氏です。

この学名はラベル氏に目撃されたことに由来し「ラベルのリクガメトカゲ」なる意味を持ちます。

海で目撃された生物にも関わらず、サヴィル=ケント氏がウミガメ (タートル, turtle) ではなくリクガメ (トートス, tortoise) として学名をつけたのもこの背中の隆起 (もしくは甲羅) がウミガメのように平らではなくリクガメのようであったからでしょう。

(アルダブラゾウガメのエスメラルダ)
(image credit by Wikicommons)

現生の最大の (最も重い) リクガメはアルダブラゾウガメ (Aldabrachelys gigantea) で、エスメラルダ (Esmeralda) と命名された個体は670ポンド (約304キロ) もあります。

ちなみにエスメラルダというスパニッシュ系美女を彷彿とさせる名にも関わらず、オスであることが判明しており現在179歳、かなりのおじいちゃんです。

(ワニよりも強かったカルボネミス)
(image credit be Wikicommons)

絶滅種としては6000万年ほど前の南米に生息していたカルボネミス・コフリニイ (Carbonemys cofrinii) が巨大で、甲羅だけで6フィート (約1.8メートル) もありました。

カルボネミスは強力な顎を有しており、カメでありながら当時の食物連鎖の頂点に君臨していたと考えられておりワニを捕食していたともいわれています。

モハ・モハはちょっと風変わりなシーサーペントなのか?それともリクガメの化け物なのか?

判断は難しいところですがもともとカメに似たUMAと言われており、またラベル氏たちの目撃からもシーサーペントよりは陸棲のUMAと考えるほうが自然な気がします。

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