■最も有名な狼男 ~ ブレイ・ロードの野獣
今回は、アメリカ、ウィスコンシン州エルクホーン (Elkhorn) のUMA、ブレイ・ロードの野獣 (Beast of Bray Road) です。
1930年代から知られるものの、目撃が多発したのは1980年代以降、一般的にはその姿は大きなオオカミに似ているといわれるものの、二足歩行も可能、ビッグフットに似ている、といった目撃情報も含まれます。
体長 (もしくは身長) は6~7フィート (約1.8~2.1メートル)、全身毛皮に覆われているものの、二足歩行 (もしくは二足立ち) の目撃があることからも分かる通り狼男的で特に体は人間に似ているともいわれます。
数ある狼男の中でも、狼男としては全米で最も有名で、ブレイ・ロードの野獣を題材に映画化されているほどの知名度を誇ります。
1980年代、ある女性が夜間にブレイ・ロードを走行している際、なにかに接触したため車を停め調べようとドアを開けると、赤い目をしたオオカミに似た生物が車に乗り込みひと暴れして出て行ったというものもあります。
人間に危害を加えた、というものはあまり聞きませんが、エルクホーンでは家畜や野生動物の惨殺死体が散見されることもブレイ・ロードの野獣に紐づけられています。
実際、ロードキル (車にはねられた死んだ動物) の動物を食べているところを目撃されたこともあります。
ではその正体は?
この二足歩行 (狼男)、四足歩行 (巨大なオオカミ)、ビッグフット的 (類人猿)、は相互にあまり似ておらず、異なる生物の目撃が一つの生物に集約された典型的なハイブリッド化に思われます。
一番あり得そうな既知生物の誤認は、この地域であまり一般的でないハイイロオオカミ (Canis lupus) でしょう。
ごくまれに現れるということから見慣れない動物をUMAとして認識してしまった可能性は大いにあり得ます。
また、狼男とビッグフットはいずれも二足歩行もしくは二足立ちした野生動物が候補になり、大きさからもクマ一択です。
その中でもウィスコンシン州はアメリカクロクマ (Ursus americanus) が多いため、この生物の可能性が高いといえます。
クマが二足立ちしたところで狼男に見えるか?という疑問に対しては、目撃の多くがほぼ夜間に集中していることから、はっきりとその姿を確認できていないことによる誤認の可能性が考えられます。
それに加え、この地域の人々には民間伝承として狼男的な姿をした「ブレイ・ロードの野獣」なる生物が存在するとの先入観を持っていることも誤認を増長させる原因になっているかもしれません。
また、ビッグフットやチュパカブラ等のUMA騒ぎを引き起こす野生動物は皮膚病 (疥癬) により毛が抜け落ちてしまったものも多く含まれ、特にクマの毛が抜け落ちてしまうと全く異なる生物に見えます。
疥癬により栄養失調となり末期はやせ細ってしまうため、二足立ちするとオオカミが立ち上がっている、つまり狼男のように見えるかもしれませんね。
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