アマゾンに生息するジュズヒゲアリ属という聞き慣れないグループに属する、アロメルス・デケマルティクラトゥス (Allomerus decemarticulatus) はまさに拷問台といえる恐ろしいトラップを作ります。
樹上性のアリで、共生関係にある植物の茎や枝の上に自分たちが出入りできる丸い穴の開いた「偽の枝」をこしらえます。
「偽の枝」の内部は空洞化されているのでアリたちは自由にその内部を行き来できます。
(image by YouTube)
アリたちのすることは、この「偽の枝」の内部で息を潜めてじっと昆虫たちが来るのを待つだけです。
ハエなどが飛んできて、この「偽の枝」に足を触れたが最後、内部に潜んでいたアリたちが穴の中から一斉にに飛び出し、すべての足、触角に噛り付くや、あっという間に昆虫を磔 (はりつけ) にします。
俊敏に飛び去ることが出来るハエやハチですら逃げる隙を与えません。
また、バッタのように巨大で跳躍力の強い昆虫であっても逃れることは出来ません、というのもアロメルスは自分たちの体重の13.000倍までであれば磔にすることができるといわれているからです。
条件はひとつ、「昆虫の触角や足の太さがこのアリの顎よりも細い」ということだけです。
これがまさに磔で、すべての足・触角が完璧に固定され微動だにすることは許されません。
そしてこのトラップが「拷問台」と呼ばれる所以は、この固定された状態で生きたままアロメルスたちにじわじわと解体されていくからです。
大型の昆虫に至っては完全に解体されるのに10時間前後もかかるといわれ、途中で絶命するにせよ、なぶり殺しとはまさにこのことでしょう。
しかし上には上がいるもので、この磔にされた獲物をこそ泥する輩も存在します。
スズメバチなどがさっと飛んできて、アロメルスたちの手柄を横取りしていくというのです。
ただし、盗むことに気を取られ誤って「偽の枝」に足を触れるや最期、アロメルスたちは電光石火で足に咬みつきそのまま磔の刑に処されるスズメバチもいるとか。
(参照サイト)
io9
とある昆虫研究者のメモ
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