クラシックなB級SF映画には人間を襲う植物がいくつも登場しますが、現実世界だと昆虫や、せいぜい小型の爬虫類を捕らえて食べる食虫植物で精一杯といったところです。
そんな中で、あくまで伝説的ではありますが、百獣の王を殺すというライオンゴロシなどは最凶植物といえるでしょう。
今回紹介するプヤ・ベルテロニアナ (Puya berteroniana) もしくはプヤ・チレシンス (Puya chilensis) はライオンは殺しませんが、ヒツジやヤギを殺すといいます、本当でしょうか?
プヤ・ベルテロニアナは、パイナップル科の植物で南米に自生します。
成長すると2メートルを超しますが、成長は非常に遅く、20年に一度程度しか開花しないといわれています。
プヤ・ベルテロニアナの自生するアンデス高地には確かに野生のヒツジやヤギが生息していますが、あんな重い哺乳類をどうやって捕まえるのか。
そもそもプヤ・ベルテロニアナは食虫植物ですらありません。
やはりライオンゴロシ同様、俊敏な動きを不得意とする植物ですから、積極的に狩りをすることは出来ないため、罠を仕掛けます。
プヤ・ベルテロニアナは地表近くの葉や茎にカミソリのように鋭いトゲをいくつも成長させ、近くを通りかかったヒツジやヤギの毛に絡みつかせます。
毛が絡んでしまった動物たちは自由を奪われ、その場所で餓死するのを待つばかりという悲惨な末路を辿ります。
哀れそこで力尽きた動物たちはプヤ・ベルテロニアナの近くで腐敗し、意図せずとも自らの栄養分を土中に染み込ませることになります。
プヤ・ベルテロニアナはその養分を地中から吸い上げるというわけです。
この植物は実在しますが、残念ながら (?)、ヒツジやヤギを殺し食べたという正式な記録は残っていないようです。
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