2019年10月3日木曜日

世界最大の寄生植物 ~ ラフレシア・アーノルディ


■世界最大の寄生植物、ラフレシア・アーノルディ

世界最大の花として有名なラフレシアですが、死臭花とも呼ばれるブンガ・バンカイ (スマトラオオコンニャク or ショクダイオオコンニャク) には及びません。

ただし、ブンガ・バンカイの場合、花序 (かじょ) と呼ばれる小さな花の集まりで、大きなひとつの花を形成していますから、単独の花としてはラフレシアが世界最大の花といえます。

ラフレシアのつぼみは、花びらがキャベツの葉のように畳まれており、つぼみは開花したときの直径の1/3程度もある大きなものです。

開花すると大きいもので直径は1メートル前後、重さ10キロに及ぶ巨大な花ですが、文献によっては直径2メートルなどと書かれている場合もあります。

しかし、2メートルのラフレシアが存在する場合、つぼみだけで直径が60~70センチもあることになり、花の重さも80キロぐらいになってしまいます。

さすがに2メートルというのはオーバーな数字のような気がします。

(最大3メートルの花を咲かせるスマトラオオコンニャク)

さてこのラフレシアという名前は、これはラフレシア科の総称であり、一種類のみ存在するわけではありません。中には直径10センチ程度の小さなラフレシアも含まれます (これでも大きいですが)。

一般的になんの断りもなく単に「ラフレシア」と紹介されているものは、もっとも大きな花を咲かせるラフレシア・アーノルディ (Rafflesia arnoldii) です。

希にアーノルディと互角のラフレシア・ケイシ (Rafflesia keithii) やラフレシア・ケリー (Rafflesia kerrii) なども紹介されることがあります。

この「ラフレシア (Rafflesia)」という属名は、1818年にラフレシアを発見した探索隊の隊長、トーマス・スタンフォード・ラッフルズ (Thomas Stamford Raffles)の名前に、種小名のアーノルディは、ラッフルズ探検隊の一員であり、実際にラフレシアを発見したジョセフ・アーノルド (Joseph Arnold) の名に由来します。

ラフレシアの大きな花はとても有名ですが、一方、その茎や葉がいったいどうなっているのか、イメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。

あまりに花の印象が強すぎて、記憶に残っていないのかも、などと思ってしまうかもしれません。

しかし、ラフレシアの写真を見ても、やはり茎や葉は見あたりません。

まるでキノコのように地面や木の枝や根から、花だけがにょっきり生えてきているように見えます。
茎や葉はいったいどうなっているのでしょう?

実はラフレシア寄生植物であり、茎や葉を持っていません。茎や葉の印象が残っていないのも当然です。

ラフレシアはツル科の植物に寄生し、宿主 (ツル科の植物) から栄養を奪って成長するため、葉も茎も根も存在せず、ただ花だけを咲かせます。

宿主からの栄養だけで、直径2メートル、80キロほどの花を咲かせるとは思えず、こういった点からも、やはり直径2メートルのラフレシアというのは現実的でないような気がします。(確認されている最大のもので最大は直径105センチ)

さてこのラフレシア、スマトラやボルネオなど東南アジアの密林にのみ自生し、もともと数が少ない上に開花期間は数日程度 (3~5日) ということもあり、なかなか狙って見に行けるような花ではありません。

現時点では栽培方法など分かっておらず、人口飼育下のラフレシアを目にすることも出来ないためツアーに参加するぐらいしか一般人が目にする方法はありません。

なお、短期間で受粉媒介者のハエを確実に誘い出し受粉を完了すべく、開花時の臭いは凄まじく、その臭いは死肉のようであるとも動物の排泄物のようであるともいわれます。

それゆえ、ラフレシアは「死体ユリ (corpse lily)」なる別称を持ちます。

その圧倒的な大きさ、類まれなる悪臭、そして希少性、まさに幻の花といえるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿