体高がわずか10センチの恐竜が発見されました、コンゴナフォン・ケリー (Kongonaphon kely) です。
コンゴナフォン・ケリーは約2億3700万年前のマダガスカルに生息していました。
最初に断っておくと、コンゴナフォン・ケリーは厳密には恐竜ではなく恐竜 (や鳥類)・翼竜の共通祖先である鳥頸類 (オルニソディラ類) です。
ついこの間、オクルデンタビス・カウングラエ (Oculudentavis khaungraae) という世界最小の恐竜が琥珀から発見されました。
いっぽう、コンゴナフォン・ケリーは小柄な獣脚類を思わせる姿に復元されており、恐竜ではないですがオクルデンタビスより恐竜っぽく、世間の賛同も得られるに違いありません。
コンゴナフォン・ケリーはその歯の摩耗状態から昆虫を主食にしていたと考えられ、学名は「小さな昆虫キラー (tiny bug slayer)」の意です。
小型化に伴い昆虫食への移行は独自のニッチを開発し初期の鳥類の生存競争に大きく有利に働いたのではないかと考えられています。
またコンゴナフォン・ケリーが生息していた三畳紀中後期は日中と夜間では寒暖差が激しく、小柄な生物にとって体温を維持するには過酷な時代でした。
しかしコンゴナフォン・ケリーは全身に体毛が生えていたと考えられており、この体毛は体温を保つ上でも非常に役立ったと考えられています。
ところでこの化石、発掘されたのは1998年と20年以上も前。
解明に時間がかかっていのたでしょうか?
どうやら違うようです。
化石哺乳類学者ジョン・フリン (John Flynn) 氏はいいます。
「マダガスカル南西物の発掘現場は世間一般にはあまり知られていませんが、いくつかの非常に貴重な化石が発掘されています。
今回発見された小さな標本は長年に渡って現場から収集された多くの化石の中に紛れこんでしまっていたんです。
この骨に触れるまでには随分と時間がかかってしまいましたが、手をつけてみると即座にわかりました、この骨はとてもユニークで調べる価値があるということがです。
発見された化石の分析に最新のテクノロジーを使うにしろ、フィールドでの発見は依然として非常に重要であり続ける素晴らしい一例といえます」
(参照サイト)
American Museum of Natural History
PNAS
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オクルデンタビスはそもそも形態が特殊すぎて、恐竜どころか鳥ですらなく、単に有隣類(トカゲ)なのでは?という説もありますね。羽毛も見つかっていませんし。(他にはコセサウルス類という三畳紀に栄えた爬虫類という説も)
返信削除マダガスカルは現状ですら個性的な化石種が相当見つかっているので、今後にも期待したいところです。
たてぃとぅてとさん、お久しぶり。
返信削除オクルデンタビスって、もうWikiもあるんですね。
ニュースなった当初しか調べていませんでしたが、トカゲと判明した場合、復元図はまった変わるでしょうね。
もう少し経たないと正体が判明しませんね。