18世紀から目撃が続くアイスランドのUMA、フヨールラトリ (Fjörulalli)。
アイスランド語はさっぱり分かりませんが、ローマ字風にフヨールラリ (フヨールラッリ) ではなくなるべくアイスランド語の発音に近いフヨールラトリと呼ぶことにします。
ショア・ラディ (Shore Laddie 「海岸の少年」の意) とも呼ばれます。
フヨールラトリは海に生息しているヒツジ程度の大きさのUMAで、グレーの毛皮に覆われており、背中にはコブ、クジラやウミガメのように身体にはフジツボやムール貝が多数付着しているといわれています。
その姿は羊毛を纏 (まと) ったアザラシ、イヌの顔をしたヒツジというように、いくつかのバリエーションがありますが概ね哺乳類的であり、大きさも姿も現実的です。
目撃されるのはアイスランド全域の海岸 (shore) で、海からやってきて海へ帰っていくといわれています。
しかし生態となるとUMAならではの無茶苦茶な特性を備えており、草食性だが (人間の) 妊婦だけを襲うという変態嗜好、主にヒツジの繁殖シーズンめがけて上陸しヒツジと交尾するといった好色嗜好、さらにフヨールラトリの子を身籠ったヒツジは奇妙な姿をした子羊を産む、と言ったものがあります。
四肢の先端は蹄 (ひづめ) という説と、水かきになっているという説の2つがあります。
さて、この生物は一体?
取り敢えず妊婦を襲う、ヒツジと交尾する等の生態的特徴を考えなければ決して存在しても不思議な生物ではありません。
上記に挙げたルックスに加え陸上可能な海棲哺乳類となるとアザラシやオットセイといった鰭脚類 (ききゃくるい) やラッコが候補となると思います。
アイスランドにラッコは生息していないと思うのですが、かといってアザラシ等を誤認した、もしくはアザラシ等が基になって創造された、とも考えにくいところです。
個人的な見解ですが、「フジツボやムール貝が張り付いたグレーの体毛」この特徴から実は生きた動物の目撃ではなく、浜辺に打ち上げられた死骸が元になっているのではないか?と思います。
腐敗し脂肪が露出した死骸の多くは白やグレーであり毛羽立って毛皮のようになる場合もあります。
フジツボやムール貝が張り付いている漂着死骸はあまり見たことがありませんが、まあなくはないでしょう。
現代でも毎年のように腐敗した正体不明の死骸が怪物だなんだと騒がれることを考えると、フヨールラトリもまた生前の姿を想起させないほど腐敗した漂着死骸が基になって生み出されたのではないかと思います。
一度伝説ができてしまえばあとは既知動物ですら (アザラシ等) もフヨールラトリに見えてしまうため、現代まで目撃が続いているの可能性があります。
(参照サイト)
REYKJAVIK GRAPEVINE
Iceland, Defrosted
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素直に泳ぎ好きな犬の誤認ないし牧羊犬の伝聞にいろいろ要素のっけた説を唱えたいな。とおもったけどアイスランド羊いっぱいおるな。漂着死体説もなかなか冴えた感じだし。うーん?
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