2020年10月10日土曜日

ポヘネガムーク湖の水生獣 ~ ポニック

 (レオポルド・プランターによるスケッチ)

■ポエネガムーク湖のUMA ~ ポニック

久々、一週間ぶりの更新です。

北米大陸は大きな湖が多いので水生UMAの目撃も豊富です。

その割にはあまり触れていなかったので少しずつこちらも紹介していこうかと思います。

その中から今回はカナダの水生UMA、ポニック (Ponik) を紹介します。

ポニックはカナダのケベック州、ポヘネガムーク湖 (Lake Pohénégamook) で目撃されるUMAです。

この湖の名は地名に由来しフランス語くさいのでポエネガムーク湖の表記のほうがより適切かもしれません。

さてポニックは、日本のUMA本では一般的にモッキング湖 (Mocking Lake) のUMAということになっています。

ポヘネガムーク湖のまたの名はモッキング湖ともいわれているので問題はないかと思いますが、どうもはっきりしないのでポニックはポヘネガムーク湖のUMAとしてこのサイトでは扱います。

ちなみにカナダのオンタリオ州にはモッキング湖という名の湖が実際に存在します。



日本に限らずカナダでもそれほど有名なUMAではありませんが、古く (19世紀) から非常に目撃が多いことで知られています。

UMAにありがちなことですが、目撃情報が多い場合、異なる生物の目撃情報がひとつの生物の特徴として集約されてしまい、ハイブリッド化・キメラ化してしまいます。

具体的な例を挙げれば、チョウザメの目撃とカワウソの目撃をひとつのUMAの目撃として集約された場合「四肢を持つチョウザメ」のようなUMAになってしまう場合があります。

そのため、目撃情報が多いことはいいことばかりではない場合もあります。

目撃情報の多いポニックにもそれが当てはまり、その姿・大きさは多種多様でとらえどころのないUMAでもあります。

ただし、一般的なポニック像は体長30~50フィート (約9~15メートル) 前後、巨大なトカゲ (いわゆる西洋のドラゴン的容姿) のような姿をしており背中に2つもしくは3つのコブをもつUMAと考えられています。

多くのレイク・モンスターと異なり、目撃情報からポニックは水生UMAでありながらヒレではなく四肢を持ちます。

たくさんの目撃情報から日本のUMA本でも有名なレオポルド・プランター (Leopold Planter) 牧師の目撃を紹介しましょう。

ポニックの姿といえば冒頭のスケッチがもっとも浸透しているものですが、これはプランター牧師によって描かれたものです。

「その時わたしは教会の近くの湖のほとりで釣りをしていました。

仕掛けを投げ込むだけの十分な時間、その怪物を観察することができたんです。

体長は25~30フィート (約7.5~9メートル) ぐらい、息継ぎのために水面に上がってきたように見えました。

魚ではありません、魚はあんな浮き方をしませんから。

かといってワニのようにも見えませんでした。

1960年代、このあたりに住む男性がガレージで車の修理をしているときに湖畔で怪物が休んでいるのを目撃したといわれています。

その後、怪物は湖に戻りましたが泳ぎ去るスピードはモーター付きボートぐらいの速さだったといい、その姿を100人もの人々が目撃したといいます。

わたしが見たもののその怪物かもしれません。

それからというもの、人々はこの怪物を恐れ湖に近づかなくなったそうです」

プランター牧師はかなり遠目にこの怪物を目撃したといい、実際には頭部は見えなかったといわれており、スケッチのイメージは見えなかった部分を補完したものだそうです。

実はプランター牧師に限らず、頭部をはっきりと目撃した人はほぼ皆無です。

みな「背中のコブ」は目撃するものの全体像は分かっていないのです。

正体は一体何なのか?

上記の通り、浸透しているポニック像はプランター牧師の「想像」が加えられており、四肢のある水生獣にとらわれる必要はないように思えます。

プランター牧師以外の目撃者も魚類には感じなかったというものが多いものの、やはり北米のレイク・モンスターのキーとなるのはチョウザメです。

1957年、アメリカ、メイン州のエストコート (Estcourt) の市長であるガストン・パインショー (Gaston Painchaud) 市長はポニックを目撃し、40フィート (約12メートル) もある巨大なチョウザメのようだったと語っています。

また1976年にボート上でポニックを目撃したマーセル・デニス (Marcel Denis) 氏もその姿は「巨大な魚」のようであったと形容します。

それに加え1950年代、セント・エルテール (St Eleuthere) の司祭はチョウザメを飼っていたといい、ある嵐の夜、ケージが壊れそのチョウザメが湖に放たれそれがポニックとして目撃されるようになったという伝説も存在します。

(image credit by H. L. Todd/Public Domain)

北米の湖に生息するミズウミチョウザメ (Acipenser fulvescens) は体長2メートルを超す淡水の巨大魚で、特にメスの寿命は一説には150年ともいわれ、3メートルを超す巨大魚に成長する可能性は十分考えられます。

チョウザメでポニックの「背中のコブ」を説明することは不可能ですが、ポニックの正体を既知動物で考える場合はやはりギネス級に成長したチョウザメは外せません。

フローティングしていた状態の目撃もあることからアリゲーターガーももちろん候補となります。

ただし寿命を考えた場合チョウザメのほうを推したいところです。

というのも、21世紀以降、ポニックの顕著な目撃情報はあまり報告されていないようですが、巨大化したミズウミチョウザメが正体であれば、更に成長した「彼女」の姿を再度目撃できるかもしれませんから。

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