■世界中を驚かせた巨大海生爬虫類の白骨死体 ~ ニューネッシー
いまさら感のあるクラシックUMA、ニューネッシー。
マイナーUMAを優先したので王道系もすべて紹介しますね。
UMAファンであれば誰でも知っているUMAなので簡単に要点だけ解説しましょう。
ニューネッシーは1977年4月25日、ニュージーランド沖で日本のトロール船「瑞洋丸 (ずいようまる)」によって水深300メートルの地点で引き揚げたられた謎の生物の死骸です。
ニュージーランド沖で捕獲されたこととネッシーにその姿が似ていることから日本では「ニューネッシー (New Nessie)」なるニックネームがつけられました。
おそらく「新たなネッシー」的な意味も含んでいたことでしょう。
英語圏では「ズイヨーマル・カーカス (Zuiyo-maru carcass)」、つまり「瑞洋丸の死骸」と呼ばれます。
(ニューネッシー)
全長約10メートル、そのうち首の長さが1.5メートル、尾が2メートルで、体重は1.8トンという巨大な生物の死骸です。
腐敗が進みその悪臭たるやすさまじかったといいますが、クレーンで持ち上げられたその姿は頭部が小さく首の長いまさにプレシオサウルス等の首長竜を彷彿させるシルエットをしています。
原形はある程度とどめているものの、広義にいわゆる謎の肉塊、グロブスターに分類されるUMAです。
このまま日本まで持ち帰れたらよかったのですが、なにせ1.8トンもある上に、それよりも腐臭も凄まじくとてもじゃないですがそれは叶わなかったようです。
組織のサンプルを一部だけ切り取り、ニューネッシーは海へと投棄されてしまいました。
さてこの生物は見た目通り首長竜の腐乱死体だったのか?
ロマンあふれる首長竜説ですが、首長竜は大別してプレシオサウルス類 (Plesiosauroidea) とプリオサウルス類 (Pliosauroidea) に大別されます。
(プレシオサウルス亜科のエラスモサウルス)
(image credit by Wikicommons)
前者はいわゆる古生物に興味のない人でも頭に描く頭部が小さく首がとても長いタイプ、後者は頭が大きく首の短いタイプです。
ニューネッシーは頭部が小さく、明らかに前者のプレシオサウルス類に該当しますが、前述の通り尾よりも短く首の長さは1.5メートルしかなく、体長の半分以上を占めるプレシオサウルス類とはプロポーションが随分と異なります。
かといってプリオサウルス類にしては頭部 (頭骨) があまりに小さすぎますし、いずれにしても首長竜とは考えにくいプロポーションをしています。
(ウバザメ)
(original image credit by Wikicommons)
(下顎部分が脱落すると、首長竜に?)
いやいや、それなら無理に首長竜にこじつけることなく未知の海生爬虫類でいいじゃないか、と方向転換する意見も出たでしょう。
しかし、ヒレに見られる軟骨繊維は魚類特有のものであり、また持ち帰ったサンプルのアミノ酸分析の結果、軟骨魚類 (サメやエイ) であることがほぼ確定、さらに下顎等、腐敗により脱落してしまっているものの、サメの種類まで断定はできないものの首・体・尾の比率からウバザメ (Cetorhinus maximus) の可能性が極めて高いと考えられています。
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小さい頃TVでこの写真を見てわくわくしましたね~懐かしい~
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