■実在した可能性が高い ~ ブルー・タイガー
今回は青い毛皮のトラ、ブルー・タイガー (Blue tiger) です。
マルタ・タイガー (Maltese Tiger) とも呼ばれます。
マルタとはマルタ島のことですが、マルタ・タイガーのマルタは地名ではなく「色」のことで、マルタ島に多く棲むネコの毛色、青灰色、もしくは石板色 (スレートグレー) を意味します。
ネコの品種でいえばロシアン・ブルーやブリティッシュ・ショート・ヘアの毛色が代表的で、シャルトリューやコラットもマルタ・ブルーに分類されます。
さてさてブルー・タイガーを見ていきましょう。
ブルー・タイガーは1910年9月、中国、福建省の省都、福州でアメリカ人宣教師ハリー・コールドウェル (Harry Caldwell) 氏により目撃された謎多きトラです。
コールドウェル氏によれば、それは青い服を着た人間がしゃがんでいると思ったほどだったといいます。
実際には鮮やかな青とマルタのグラデーションだったようで、その上に通常のトラのように黒のストライプが入っていました。
この主張は嘲笑の的になったようで、コールドウェル氏は懸賞金をかけて捜索を促したようです。
まあ20世紀初頭という時代背景もあり宣教師とはいいつつコールドウェル氏は無慈悲なトロフィーハンターで多くのトラを狩った経験から、なにか他の動物の誤認ではないとその存在にかなりの自信があったようです。
しかし残念ながら懸賞金をかけてもそのようなトラは発見されることはありませんでした。
(メラニズム (黒色素過多症) のトラ (ベンガルトラ?))
(image credit by Wikicommons)
とはいえ、トラはホワイトタイガー (白地に黒のストライプ) をはじめ、ストライプの入らない真っ白なアルビノタイガー、通常のオレンジにストライプが入らないゴールデンタイガー、黒地に黒のストライプのブラックタイガー、等々、特殊な毛色のパターンは数多く報告されています。
同じネコ科動物であるネコにマルタカラーの品種もいることからコールドウェル氏の主張はウソではなかった可能性があります。
おそらくブルータイガーとは青化個体の亜種として一群をなすような存在ではなく、一匹だけ突然変異主として存在しただけだったのでしょう。
この後も確実な証拠はないものの韓国、そしてビルマでも目撃情報があり、「超」がつく低確率で時折誕生しているのかもしれません。
ということは、今後もブルータイガーが誕生する可能性はゼロではなく、そういった意味で実在するUMAといえるかもしれません。
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