(original iamge credit by Han Zhixin)
■世界最小の恐竜が琥珀から発見される
マイケル・クライトン原作の「ジュラシック・パーク」は琥珀内に閉じ込められた蚊の化石から、蚊の吸った恐竜の血液のDNAを抽出し、恐竜を原題に復活させるという話です。
琥珀内にはクモや昆虫等が閉じ込められ、見て楽しいだけでなくときには科学的にも貴重なものが発見される場合もあります。
そんな中、9900万年前の琥珀に恐竜の頭部が丸ごと入っているのが発見されました。
そんなでかい琥珀があるのか?
実はあるんです。
今までで一番大きな琥珀はインドネシアのスマトラで発見されたもので、55x50x42 (センチ) で50キロもあります。
この大きさならけっこうな恐竜の頭部でもすっぽり入ります。
が、今回発見された琥珀は最長部分でも30ミリ程度しかない、科学博物館のお土産サイズのものです。
一体どういうこと?と思いますが、実は発見されたこの頭骨、クチバシを除いた頭骨の大きさが7.1ミリ、クチバシを含んでも全長14.25ミリしかありません。
(original image credit by Natural History Museum of Los Angeles County/ArchyW)
それゆえ15ミリ程度の琥珀でも丸ごとすっぽり収まってしまうというわけです。
この恐竜に与えられた学名はオクルデンタビス・カウングラエ (Oculudentavis khaungraae)。
属名のオクルデンタビス (Oculudentavis) はラテン語で「目と歯の鳥 (eye-teeth-bird)」という意味だそうで、おそらくこの恐竜の目が大き口内に並んだ鋭く小さな歯が印象的なことに由来するのでしょう。
種小名はどうやら琥珀の所有者へ献名したもののようです。
頭部しか発見されていないものの、おそらくは鳥のような姿をし飛翔する生物と考えられています。
現世最小の鳥類、マメハチドリ (Mellisuga helenae) の頭骨は8.8ミリ (クチバシを除く) であり、オクルデンタビスはマメハチドリの体長6センチ、体重2グラムと同程度かそれを下回るものと推測されています。
眼窩底の構造はフクロウと同じ円錐状であり、並外れた視野を確保できたものと考えられています。
(original iamge credit by Han Zhixin)
しかし、フクロウと異なり頭部の両側に目が位置していること、耳小骨中央の開口部が狭いことから取り入れる光量が制限されるため、おそらくは昼行性であったと考えられています。
よく発達した目、口内に並ぶ鋭い歯から、この大きさにして獰猛に昆虫を襲うプレデター (捕食者) であったようです。
(参照サイト)
cnet
BBC
New York Times
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うーむ、サイトを見た限りでは頭蓋骨の長さが約1.4cmという感じでしたけどね・・・
返信削除とにかくこのような小型恐竜の発見は珍しい事ですね。
一方でドレパノサウルス類の生き残りなのでは?という説も浮上してるとか。
測り方間違いました。頭蓋骨7.1ミリ、全長14.25ミリ、なので本文訂正します。
返信削除これはもう鳥で良いのでは。
返信削除属名はもう「鳥」って言っちゃってますしね。鳥と考えている研究者もいるし、鳥に訂正されるかもしれませんね。
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