2020年6月24日水曜日

南米に始祖鳥の生き残りがいる? ~ ツメバケイ

(image credit by NobuTamura)

■南米に始祖鳥の生き残りがいる? ~ ツメバケイ

チェルノブイリ・マンモス・チキンの記事を書くために10年ぶりぐらいで「雑学 世界の謎と不思議 (平川陽一 著)」を探して呼んでみました。

古本屋で見つけて買ったもので、発行日は1992年とかなり古いものです。

UMA中心というわけではなくミステリー本、オカルト本といった感じで内容は結構間違いも多いのですがなんか憎めないんですよね。

その中で「アマゾンに始祖鳥が生きている」という記事が目に止まりました。

「アマゾンの奥地には、1億2千万年前に絶滅したといわれる始祖鳥がいまなお生存しているのではないかと、一部の鳥類学者たちが指摘している」

始祖鳥 (アーケオプテリクス, Archaeopteryx) が現在まで生き残っているとは考えにくいですが、復元された始祖鳥とそっくりの鳥類が実際南米に生息しています、ツメバケイ (Opisthocomus hoazin) です。

おそらくこの本の「アマゾンで始祖鳥が生きている」というのはツメバケイのことを言っているに違いありません。

(ツメバケイ)
(image credit by Murray Foubister (Wikimedia))

ツメバケイとは南米アマゾン川とオリノコ川流域に生息する体長65センチほどの鳥類です。

羽毛のない青い頭部に大きな目、そして特徴的な冠羽 (かんう - 頭頸部から伸びる羽毛)、長い尾羽が目を引きます。

始祖鳥は飛ぶのが苦手だったと考えられていますが、ツメバケイもまた飛翔は得意ではありません。

他の鳥類と変わらぬ立派な翼を持っているにも関わらず、なぜ?

これはツメバケイの食性に関係があります。

ツメバケイの主食は消化の悪い樹木の葉であり、消化するには大きな消化器官を必要とします。

ツメバケイの場合、消化器官のひとつである「素嚢 (そのう)」 が他の鳥よりも非常に大きく、竜骨突起を占める部分に素嚢が居座っています。

竜骨突起は飛翔するために必要な胸筋が付着する部位であるため、この部分を素嚢に圧迫されているわけですから付着する筋肉量に制限がかかり飛翔力を著しく損なうというわけです。

始祖鳥もツメバケイと同じく飛翔は苦手と考えられているのはこの胸骨や竜骨突起がいからです。

ところで成体のツメバケイが始祖鳥に似ているのはもちろん興味深いことですが、その和名の由来となった幼少期もまた興味深い鳥です。

ツメバケイは漢字で「爪羽鶏」と書きます。

これは生後2~3週間の間だけ左右の翼に各2つずつ「爪」を持っているからです。

これにはわけがあります。

ツメバケイはヒナの時期から非常に高い運動能力を持ち、巣に天敵が近づいてくると自ら巣から飛び出し水中へ向かってダイビングし逃げおおせます。

またヒナでありながら遊泳・潜水能力も高く天敵がいなくなるまで水草などに身を潜め危険が去るのを待ちます。

天敵がいなくなると自力で水中から這い上がり、木を登って巣に戻るのですが、その際に役に立つのがこの爪です。

こういったヒナの性質上、ツメバケイは水辺にしか巣を作ることはありません。

ところで飛ぶのは苦手にせよ、長い冠羽や大きな翼、上品な体色、その姿は優雅です。

にも関わらずかれらの別称は「スティンクバード ((腐ったような) 臭い鳥)」とか「スカンク・バード」とその優雅さとはかけ離れたものです。

それはなぜか?

単純にそれはツメバケイが臭いことに由来します。

この臭いの源は消化時の発酵臭であり牛糞に例えられるほどの悪臭を放ちます。

この体臭は一種のディフェンスとしての役割があると考えられており、実際、体臭だけでなく肉も臭いらしく人間も手を出しません。

生息地の減少により数は減っているものの、人間からも見放される悪臭により乱獲は免れ数は比較的安定しているといいます

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