■半分魚、半分鳥の半鳥魚 ~ バード・フィッシュ
少し前に話題になったもので、中国で発見された頭部が鳥、体が魚のハイブリッド・クリーチャーです。
一見して、どうせフェイクでしょ、、、
しかしこの生物、人工的に何ら手を加えていない日本の河川でもふつうに見られるコイ (Cyprinus carpio) だというのです。
いやいや、こんなの泳いでないって。
体はたしかにコイですが頭部は丸く鳥のようでありアシカ等の鰭脚類 (ききゃくるい) のようであり、とにかく魚類の頭部には見えません。
しかしこれが正真正銘のコイであることを証明しているのは科学ニュース系サイトLive Scienceさん。
コイを研究しているイギリス、リバプール大学の動物生理学者アンドリュー・コシンズ (Andrew Cossins) 博士によれば、おそらく成長の初期段階において細胞増殖の欠陥によることで説明できるといいます。
「頭部骨格の変形が引き起こした頭部の肥大により、口部は下方に傾斜することを余儀なくされたものと思われます」
つまり頭部の前方への異常な成長により口が正面を向いていることができず押し下げられたというわけです。
しかし、なぜこのようなことが起きてしまったのか?
「写真だけでなく実物を検証したとしてもこの魚に起きた奇形の理由は特定できません。
ただし、化学物質等による水質汚染が引き起こしたもの、と考えるのが合理的ではあります。
しかし決して言い切ることはできません。
急速に成長した腫瘍の可能性も捨てきれませんが、頭部のみで起きていると考えるとそれはまた奇妙な話です」
動画を見たところこのコイの体長は40センチ前後、立派な標準サイズの成魚に見えます。
成長の初期段階においてハンデを負いながら厳しい生存競争に打ち勝つとは驚きです。
「(成長の初期段階において) 巨大な頭蓋骨の成長がこのコイの中枢神経を阻害した場合、呼吸にしろ摂食にしろ問題を引き起こしていた可能性があります。
その場合、成長は妨げられ大きく育つことはできなかったでしょう」
しかし、このサイズまで成長できたということは頭部の肥大が致命的な問題を引き起こさなかった証 (あかし) といえます。
さらに不幸中の幸いだったのは元来コイは生命力が強く雑食性であり、川底のエサ専門の底魚に徹すれば下を向いた口でも摂食への影響は最小限に抑えられたことでしょう。
で、このコイはどうなったか?
撮影者はひとしきり撮影を終えると川に返してあげたそうです。
(参照サイト)
LIVE SCIENCE
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