■大蛇なのか超常現象なのか!?メコン川の怪 ~ ナーガ
全長4,350キロメートル、東南アジア最長にしてアジア全体で7位、世界で12番目に長い川、メコン川 (Mekong River)。
中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアそしてベトナムの6ヵ国を跨ぐこの大河にはナーガ (Nāga) と呼ばれるUMAが棲息しているといわれています。
サンスクリットで "nāgá" はヘビを意味することからも、ナーガはシーサーペント的な生物、つまりリバーサーペントと捉えられています。
元々は民間伝承上の生物であり、その体長は70メートルと現実的ではありませんが、この自然豊かなメコン川流域であればなにかしら巨大生物が潜んでいそうです。
メコン川が国を跨ぐことからその姿は地域性が見れら一般的な大蛇を彷彿とさせるものから巨大なコブラ的なもの、そしてドラゴン的なものまであります。
水棲ではありませんがやはり候補となるのはアミメニシキヘビ (Malayopython reticulatus)、南アジアから東南アジアにかけて広く分布し、最大7~8メートル、ナーガの正体としては十分な大きさです。
そして忘れてならないのはやはりメコン川に棲息する大型魚類です。
8メートルの巨大淡水エイ、ヒマンチュラ・チャオプラヤ こと ウロギムヌス・ポリレピス (Urogymnus polylepis)、3メートルの巨大鯉、パーカーホ (Catlocarpio siamensis)、3メートルの巨大ナマズ、メコンオオナマズ (Pangasianodon gigas) が棲息しています。
(メコンオオナマズ)
(image credit by Zeb Hogan via Live Science)
やはりこの中で大蛇に誤認されやすいものは頭部の特徴や全体的な体型からメコンオオナマズでしょう。
2005年にタイで捕獲されたメコンオオナマズは体長2.7メートル、体重293キロもありました。
また、ナーガはメコン川のUMAですがメコン川の流れていないマレーシアやフィリピンといった島国でもこの生物の伝説があります。
特にマレーシア、パハン州にあるチニ湖 (lake Chini) のナーガはセリ・グムム・ドラゴン (Seri Gumum Dragon) と呼ばれ、他地域とは異なりレイク・モンスターとして存在します。
(ナーガの火球)
(image credit by Wikicommons)
ところで、ナーガにまつわる興味深いものはメコン川でみられる奇妙な自然現象です。
仏教徒の四旬節が終わるころ (10月下旬~) 、川の中央から真っ赤な火球が夜空へ向かって打ちあがるといい、これはバンファイパヤーナーク (Bang Fai Phaya Nark) やナーガの火球 (Naga fireballs) と呼ばれます。
火球は水面から数百メートルほど上昇するとそのまま消えてしまうといい、その数たるや一晩に数銭から数万、まるで打ち上げ花火大会のようです。
仏教と密接な関係のあるナーガであり、四旬節の終わりを祝ってナーガが火球を打ち上げている、なんて解釈されています。
この現象をメコン川の川底に堆積したガスに起因するの説がありますが、メコン川の川底はそれほどガスが堆積することはないといわれ、一説には人為的 (照明弾の打ち上げ等) なものも疑われています。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿