今回はベトナム近海で目撃の多いシー・モンスター (海の怪物) のコン・リット (Con rit)。
コン・リットとはベトナム語 (con rết) で単に「ムカデ」を意味します。
シー・モンスターなのにムカデ?と不思議に思うでしょう。
実際はムカデのようなシーサーペントという意味で、コン・リットはメニー・フィンド・シー・サーペント (「たくさんのヒレを持つシーサーペント」Many-finned sea serpent) の一種となります。
ちなみに日本ではコン・リットと同義で「ムカデクジラ」という呼び名もあります。
(中世に描かれたシーサーペントは体節のようなものも確認できるものもあります)
稀にウナギのように背ビレや尾ビレがあることもありますが、それはリュウグウノツカイの誤認であったりします。
それではコン・リットは一体どのようなUMAなのか?
コン・リットはシー・サーペントですから細長い体型をしています。
但し、ムカデ (con rết) と呼ばれるだけあって足はありませんが、その代わりに体の左右側面にたくさんのヒレが並んでいるといいます。
UMAファンの方であればスカイフィッシュを想像していただければ分かり易いでしょう。
実在する (した) 生物であればイメージ的にはアノマロカリス (Anomalocaris) が一番近いかなぁ?
(アノマロカリス)
砂浜に打ち上げられたコン・リットの死骸は全長60フィート (約18メートル)、幅3フィート (約90センチ) と体長に対し体幅が狭くかなり細長い生物であることがわかります。
目撃者は実際に死骸に触れたとまでいわれていますが、極度に腐敗していたということでその姿をそのまま生前の姿と当てはめるのは少々ギャンブルかもしれません。
砂浜に打ち上げられ腐敗が進んだクジラや巨大なサメの死体 (いわゆるグロブスター) は脂肪分がまるで「足 (コン・リットでいえばヒレ)」のようなシルエットを形成する場合も少なくないからです。
(グロブスターのひとつ)
ベトナム近海ではなく北アフリカのナイジェリア、ケープ・ファルコン近くを航行しているときのことですが、イギリスの軍艦、1899年HMSナルキッソス (HMS Narcissus) がの乗員によってコン・リットが目撃されました。
別のイギリスの軍艦、HMSダイダロス (HMS Daedalus) も1848年にアフリカ沖でシーサーペントを目撃しており、「イギリス海軍とシーサーペント」というなかなか興味深い構図です。
搭乗員はなんと30分もの間シー・サーペントを目撃したといいます。
体長は信じがたいことに135フィート (約40メートル超)、軍艦と並走できるほどの遊泳力を有しており、夥 (おびただ) しいほどのヒレが確認できたといいます。
コン・リットの正体は何か?
目撃証言通りであれば似たような生物が現生どころか過去にもいないことから正体の候補すら浮かびません。
考えられるとしても弱ったリュウグウノツカイが海面近くで目撃された際に、横になったリュウグウノツカイの背ビレを胸鰭と勘違いした、ぐらいがせいぜいです。
面白いものとしては「装甲クジラ説」があります。
ムカデやヤスデなどは足が多いことがもっとも顕著な特徴といえますが、もう一つの特徴として体節が刻まれ硬いクチクラに覆われた体表です。
足はともかく、体の表面がムカデのような装甲 (プロテクター) で覆われた細長いクジラがいたとしたらそれこそコン・リットではないか?というのです。
細長いクジラはUMAファンの間ではおなじみのバシロサウルス (Basilosaurus) がいます。
(模式種バシロサウルス・ケトイデス(Basilosaurus cetoides))
(image credit: Wikicommons/Dominik Hammelsbruch)
バシロサウルスを含め肝心の装甲を纏 (まと) ったクジラは発見されていませんが、20世紀初頭のころは化石の取り間違え、誤認等により、バシロサウルスのような絶滅種のクジラの仲間には装甲を纏ったクジラがいたという説も唱えられていたほどです。
あの巨体に装甲を纏えば向かうところ敵なしといった感じですが少なくとも現時点でそのようなクジラ類は発見されていません。
しかし未発見のクジラや巨大ザメにそのようなものが存在したらそれがおそらくコン・リットの正体と言えるでしょう。
(サメとは思えないラブカの体型は大きさはともかくシーサーペントとして申し分ありません)
0 件のコメント:
コメントを投稿