2023年2月16日木曜日

ホーウィック滝の大蛇 ~ インカニヤンバ

(フェイクと判明しているインカニヤンバの写真)

■ホーウィック滝の大蛇 ~ インカニヤンバ

今回は南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州ホーウィック (ホウィック) にあるホーウィック滝 (Howick Falls) に棲むといわれるUMA、インカニヤンバ (Inkanyamba) です。

ホーウィック滝は高さが364フィート (約111メートル) もあり、多くの人が命を失っていることでも知られています。

(ホーウィック滝)
(original image credit by Wikicommons)

古くからこの地に定住するズールー族 (Zulu) はこの滝を「高きものの地」という意味のクワノグカザ (KwaNogqaza) と呼び、先祖の霊が宿る場所として神聖視しています。

そして彼らの伝承によればこの滝つぼにインカニヤンバと呼ばれる、頭部がウマに似た大蛇が棲んでいるといわれています。

不思議なことに夏季はあまり目にすることはなくなるといわれており、この期間中、他の水域に移動しているともいわれています。

このホーウィック滝はウムゲニ川 (Umgeni River) に属していますが、ここから70キロ離れた同州のムコマジ川 (Mkhomazi River) での目撃もあるからです。

群れを成すともいわれており、移動も群れを成しているためにホーウィック滝はもぬけの殻になってしまうのかもしれません。

ちなみにインカニヤンバという単語はズールー語ではなくコサ語 (Xhosa) で「ハリケーン」を意味ます。

人食いと信じられていることから非常に危険な生物とみなされており、ホーウィック滝周辺はサンゴマ (ズールー族の呪術師・信仰治療医) のみが近づくことを許され、かつてヤギやニワトリを生贄としてインカニヤンバに捧げていました。

実際に突如川から飛び出してきたインカニヤンバに引きずり込まれズールー族の小さな女の子が溺死したという事件もあります。

但しこれはインカニヤンバではなくナイルワニ (Crocodylus niloticus) の仕業であった可能性が考えられます。

(ナイルワニ)
(original image credit by Wikicommons)

さてさてインカニヤンバとは何か?

よくある子供たちを水辺に近づけないための民間伝承のひとつか?

おそらくそういったことが大きいでしょうが、インカニヤンバはある意味、大人たちもそれなりの実在を信じている節があります。

というのも、ホーウィック滝では怪物を目撃したという事例は少ないながらも自殺や事故等により多くの人命が失われており、その後、遺体が発見されると遺体の一部に何者かに食べられたような痕跡が見つかることもあったからです。

物理的になにかが存在しているのは確かであり、それはやはり古くから伝わるインカニヤンバであろう、というのです。

既知生物の一番の候補はやはり先に挙げたナイルワニです。

インカニヤンバをヘビと考えれば同じ爬虫類でありそれなりに細長い体型、時として人食いでもあります。

(こちらはインドニシキヘビ (Python molurus) )
(original image credit by Wikicommons)

そして候補としてヘビそのものでしたらやはりアフリカニシキヘビ (Python sebae) は外せません。

大雑把な記録ですが30フィート (約9メートル) なんてものもありますし、実際公式記録でも25フィート (約7.5メートル) とニシキヘビならでは巨漢を誇ります。
 
しかしこれだけではつまらないならもうひとつ、モザンビークウナギ (Anguilla mossambica) を候補として付け加えておきましょう。

このウナギは大型化することで知られ、最大クラスともなると5フィート (1.5メートル) を超します。

1.5メートルでは怪物としては少々物足りないですが、ウナギで7フィート (約2.1メートル) オーバーの巨大な個体がいたら文句ないでしょう。

雑食性で貪食であり遺体の損傷に関与している可能性は十分考えられ、またその「ヘビ」のような姿はインカニヤンバの大蛇としての伝説に引っ張られ、誤認された可能性もあります。

また、夏季にウムゲニ川からいなくなってしまうというのも産卵期に群れを成してインド洋に移動する習性が関係しているかもしれません。

ニホンウナギ (Anguilla japonica) は実際5~10月の夏季を中心に海へと向かいます。

(参照サイト)

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