■5回その名を唱えると現れる都市伝説の殺人鬼、キャンディマンは実在した!?
アメリカのホラー映画では浴室の薬棚 (キャビネット) や鏡をぶち破って殺人鬼が登場することがあります。
1992年に公開されたキャンディマン (Candyman) が特に有名です。
キャンディマンは鏡に向かってその名を5回唱えると召喚され、その呼んだ人物を殺すという (映画の中の) 都市伝説上のキャラクターです。
ホラー映画の殺人鬼はどうやってそこに潜んでたんだよ、家の構造どうなってんだよ、的なツッコミたくなる演出が多いですが、キャンディマンは1890年代、この世に恨みを持って死んだ人物のスーパーナチュラルな存在、という設定なのでそこら辺は許容されます。
ところがこのキャンディマン、映画の中の都市伝説どころか実在した、なんて話があります。
到底あり得そうにもありません。
薬を入れるキャビネットはそんなに大きいものではありませんし、そもそも厚みがありません。
生身の人間がどうしてもキャビネットから登場したい!という願望を叶えるのであれば、壁の間に潜り込む以外にありません。
しかしそれはキャンディマン事件は事実でした。
映画キャンディマン公開される僅か5年前の1987年4月、ルーシー・メイ・マッコイ (Ruthie May McCoy) という名のアフリカ系アメリカ人の女性が強盗集団によって殺害された事件があります。
ルーシーさんは誰かが壁の中におり、部屋に侵入しようとしている、と911に助けを求めましたが、警察はルーシーさん宅 (集合住宅の一室) に来たものの玄関が閉まっており、応答もないためよく調べもせずに引き返してしまいました。
彼女が住んでいたのは、当時、シカゴでも最も危険な地域のひとつサウス・サイドであり、警察の取った行動はなんて杜撰な!と感じますが、実はこれには理由があります。
彼女が統合失調症の後遺症により日ごろから「誰かが家に押し入ってくる」という極度の強迫観念に悩まされおり、これがはじめての通報ではなかったからです。
近所にもその強迫観念から戸締りは怠らないようにと忠告する等、有名な存在だったようです。
警察は最初からまた妄想で通報したに違いない、という先入観が働いてしまったようです。
しかし隣に住んでいた女性は異変を感じ取っており、その集合住宅の管理人に鍵を開けて調べた方がいいと忠告し事件が発覚します。
ルーシーさんは亡くなって2日経っており、まさしく911に助けを求めた日に襲撃されていました。
そしてルーシーさんが911に話した通り、浴室の薬を入れるキャビネットから強盗が侵入したことも分かりました。
どうしてそんなことがありえたのか?
この集合住宅は配管工が水回りの修理・修繕を簡易にするため各部屋のキャビネットを取り外して中に入れるような作りになっていたのです。
妄想が現実化するという不幸が重なった悲劇としか言いようがありません。
この事件の容疑者として二人の男性が逮捕されましたが証拠不十分で無罪となっています。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿